「abstract」の意味・発音・覚え方・例文を解説!抽象的・要約の正しい使い方

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abstract という単語を聞くと、どんなイメージが浮かぶだろうか?

「抽象的な」という意味を思い浮かべる人が多いかもしれないが、この単語は学術論文の「要約」や美術の「抽象画」を指す場合もある。

abstract は「具体的な形がないもの」「本質だけを抜き出したもの」という概念を持つ単語で、哲学・芸術・ビジネス・学術分野など幅広い分野で使われている。

例えば、論文を読むときに最初に目にする abstract(要約) や、現実をそのまま描かない abstract art(抽象画) などの表現がある。また、日常英会話でも「この話は抽象的すぎる」といった意味で使われることがある。

本記事では、abstract の意味・発音・語源・覚え方・例文 を詳しく解説し、正しい使い方をマスターできるようにする。

 

abstract の意味と使い方

📌 abstract の基本の意味

抽象的な(形容詞:not concrete, theoretical)
「abstract」は、具体的な形や物理的な実体がなく、概念や理論に基づいたものを指す。哲学や科学、文学などの文脈でよく使われる。

  • The concept of love is abstract and hard to define.
    (愛の概念は抽象的で定義しにくい。)
  • His explanation was too abstract for the audience to understand.
    (彼の説明は抽象的すぎて、聴衆には理解しにくかった。)

このように、「abstract」は 目に見えず、具体性に欠けるもの を表す際に使われる。一方で、「concrete(具体的な)」が対義語となるため、比較すると理解しやすい。

 

要約・概要(名詞:a summary of a text or document)
「abstract」は、学術論文やビジネスレポートなどの 要約(summary) という意味でもよく使われる。論文の冒頭にある「abstract」は、研究の要点を短くまとめたものを指す。

  • The researcher wrote an abstract of the study.
    (その研究者は論文の概要を書いた。)
  • The conference paper must include a 200-word abstract.
    (その学会論文には200語の要約を含めなければならない。)

この用法では「summary(要約)」と似ているが、abstract は特に学術的・専門的な文章の要約 に使われることが多い。

 

 抽象画(名詞:a style of art that does not depict reality)
芸術の分野では、現実の形を忠実に再現せず、色や形、構成を重視する表現 を指す。抽象画は観る人によって異なる解釈ができるのが特徴である。

  • She loves abstract art because it allows for personal interpretation.
    (彼女は抽象画が好きだ。なぜなら、自由な解釈ができるから。)
  • Many museums have exhibitions featuring abstract paintings.
    (多くの美術館では、抽象画の展示が行われている。)

この場合、「abstract」は「具体的な形を持たない」「観念的な」という意味に由来している。

 

要約する、抽出する(他動詞:to summarize or extract the essence)
主に文章の要点を短くまとめる際に使われる。また、情報や概念を抜き出す意味でも使われる。

  • The editor abstracted the key points from the report.
    (編集者はレポートから要点を抜き出した。)

 

📌 日本語のニュアンスと使い分け

abstract は「具体的でない」「要点を抜き出す」 という共通の概念を持ちながら、品詞によって異なる使い方をするため、文脈に応じた正しい使い方を身につけることが重要である。

🔹 「abstract ideas」= 抽象的な考え
→ 具体的な形を持たず、概念的なアイデアを表す。
例: His theories are too abstract for beginners.
(彼の理論は初心者には抽象的すぎる。)

🔹 「an abstract of a report」= レポートの要約
→ 文章の内容を簡潔にまとめたもの。
例: Please write an abstract of the presentation.
(プレゼンの要約を書いてください。)

🔹 「abstract key points」= 重要なポイントを抜粋する
→ 情報を取り出す、要点を抜き出す意味。
例: The article abstracts key insights from the study.
(その記事は研究の重要な洞察を抜き出している。)

 

abstract の発音と読み方

📌 発音記号:

  • 形容詞 / 名詞: [ˈæbstrækt]
  • 動詞(要約する): [æbˈstrækt]

📌 カタカナ表記: 「アブストラクト」

発音のコツ

✅ 「æb-」は「アブ」とはっきり発音。

  • 「æ」は、日本語の「ア」と「エ」の中間の音で、口を少し開けて発音する。
  • 「b」ははっきり発音するが、後続の「s」とつながるため、滑らかに発音するのがポイント。

✅ 「-strækt」は「ストラクト」と短めに発音。

  • 「s」と「t」は繋がるため、「スト」の部分を素早く発音する。
  • 「rækt」の部分は「ラクト」と発音するが、「t」ははっきり発音しすぎないように注意する。

✅ 動詞形(要約する)はアクセントが後ろにくる。

  • 形容詞・名詞: [ˈæbstrækt](最初の「æb」にアクセント)
  • 動詞: [æbˈstrækt](「strækt」にアクセント)
  • この違いは、名詞や形容詞の「abstract(抽象的な)」と、動詞の「abstract(要約する)」を使い分ける際に重要となる。

🎙 発音を分解すると…
「アブ」 + 「ストラクト」

 

発音のポイント

  • 名詞・形容詞では「アブストラクト」と発音。
  • 動詞の場合は後半にアクセントが来るため「アブストラクト」とやや異なるリズムになる。

例:

  • The concept is too abstract to understand. (ˈæbstrækt)
    (その概念は抽象的すぎて理解しにくい。)
  • He abstracted the key points from the article. (æbˈstrækt)
    (彼は記事の要点を要約した。)

 

abstract の語源

abstract は ラテン語 abstractus(引き離された、取り除かれた) から派生した単語である。

ab-(離れる) + trahere(引く、引き抜く)
→「何かを本質から引き離す」という意味がもともとの語源。

この意味が発展し、以下のようなニュアンスを持つようになった。

  • 具体的なものから離れる → 抽象的な(abstract concept)
  • 必要な部分だけ引き抜く → 要約(an abstract of a paper)

 

このように、「本質から引き離された」というイメージを持つと、abstract の意味がより定着しやすい。

 

abstract の覚え方(記憶術)

📖 ストーリー記憶術

「本の要点だけ抜き出す=abstract(要約)」
→ 分厚い本をすべて読むのは大変なので、要約(abstract)だけを読んで素早く内容を把握する場面を想像すると、「abstract = 要点を抜き出す」という意味が定着しやすい。

🗣 語呂合わせ

「アブ(ab)スト(stract)は、すっと(要点だけ抜き出す)」

🖼 イメージ記憶

「ぼんやりとした抽象画を思い浮かべる」
「abstract = 具体的な形がない」 という特徴を視覚的にイメージすると、記憶に定着しやすい。

このように、要約、抽象画、本質を抜き出すイメージを活用すると abstract の意味を効果的に覚えられる。

 

abstract を使った例文

📌 基本的な例文

This idea is too abstract to be understood easily.
(この考えは抽象的すぎて簡単には理解できない。)
The report includes an abstract at the beginning.
(そのレポートには最初に要約が含まれている。)

 

📌 専門的な表現

abstract thinking(抽象的思考)
例: Abstract thinking is essential for solving complex problems.
(抽象的思考は複雑な問題を解決するのに不可欠だ。)

an abstract concept(抽象的な概念)
例: Justice is an abstract concept that varies across cultures.
(正義は文化によって異なる抽象的な概念だ。)

このように、abstract は「具体性がなく概念的なもの」「要点を抜き出したもの」という意味で、学術・ビジネス・芸術など幅広い場面で使われる単語である。

 

abstract の類義語

「抽象的な」の類義語

theoretical(理論的な)
「理論上の」「実践を伴わない」という意味を持ち、abstract の「具体性がない」という意味と関連する。

例:His knowledge is purely theoretical with no practical experience.
(彼の知識は純粋に理論的で、実践経験はない。)

conceptual(概念的な)
「概念に基づいた」「アイデアレベルの」という意味を持ち、抽象的な思考や芸術の文脈で使われる。

例:The artist works with conceptual ideas rather than realistic ones.
(その芸術家は現実的なものではなく、概念的なアイデアを扱う。)

 

💡abstract と theoretical / conceptual の違い

  • abstract → 物事が具体性を欠いている(視覚的・感覚的にとらえにくいものを指す)
  • theoretical → 実際の経験や観察に基づかない、理論上の話
  • conceptual → アイデアや概念に基づいているが、具体的な形がない

例:

  • The concept of love is abstract.(愛という概念は抽象的だ。)
  • The scientist proposed a theoretical explanation.(その科学者は理論的な説明を提案した。)
  • The project is still at a conceptual stage.(そのプロジェクトはまだ概念段階にある。)

 

「要約」の類義語

summary(要約)
文章やスピーチの要点を短くまとめたものを指し、abstract の「要約」の意味と近い。
例:Please provide a summary of the report.
(そのレポートの要約を提出してください。)

precis(要旨、要約)
フランス語由来の単語で、簡潔で正確な要約を意味する。academic な文脈で使われることが多い。
例:She wrote a precis of the book for her class.
(彼女は授業のために本の要旨を書いた。)

💡abstract と summary / precis の違い

  • abstract → 特に学術論文や研究の要約として使われる
  • summary → 一般的な要約(ニュース、会議、ストーリーなど幅広く使われる)
  • precis → 正確で簡潔な要約を意味し、学術・報道分野で使われることが多い

 

abstract の対義語(反対の意味の単語)

concrete(具体的な)

抽象的(abstract)なものに対して、形や実体のある「具体的なもの」を指す。

例:We need concrete examples to understand the theory.
(その理論を理解するには具体的な例が必要だ。)

tangible(触れることができる、実体のある)

tangible は「触れることができる」「物理的に存在する」という意味を持ち、abstract の「目に見えない概念的なもの」と対比される。例: 例:The company showed tangible results after the new policy.
(新しい方針の後、会社は目に見える成果を出した。)

このように、abstract は「具体性がない」概念や理論を指し、concrete や tangible は「形や実体のあるもの」として対照的に使われる。 文脈に応じて適切に使い分けよう!

 

まとめ

この記事では、abstract の意味・発音・語源・覚え方・例文・類義語・対義語 について詳しく解説した。最後にポイントをおさらいしよう。

abstract の意味
「抽象的な」「要約」「抽象画」などの意味を持ち、学術・哲学・芸術・ビジネス の文脈で使われる。

発音と語源
発音:
[ˈæbstrækt](アブストラクト)
語源: ラテン語 abstractus(引き離された、取り除かれた)から派生し、「本質から切り離す」という意味が元になっている。

覚え方
📖 ストーリー記憶: 「本の要点だけ抜き出す=abstract(要約)」
🗣 語呂合わせ: 「アブ(ab)スト(stract)は、すっと(要点だけ抜き出す)」
🖼 イメージ記憶: 「ぼんやりとした抽象画を思い浮かべる」

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