「abhor」の意味・使い方・例文|「hate」との違いも解説

「嫌い」という英単語はたくさんあるが、abhor は特に強い意味を持つ。
「ちょっと嫌だな」というレベルではなく、「道徳的・本能的に受け入れがたいほど嫌悪する」感情を表す単語だ。
例えば、「暴力」「不正」「差別」など、倫理的に許せないものに対して使われることが多い。
また、日常会話ではあまり使われず、フォーマルな文章やスピーチで見かける単語である。
本記事では、abhor の意味、発音、類義語との違い、正しい使い方について詳しく解説する。
abhor の意味と使い方
基本の意味
✅ 動詞: ひどく嫌う、忌み嫌う(to hate something intensely)
「abhor」は、単なる嫌悪ではなく、倫理的・道徳的に許せないものに対する強い拒絶感を示す単語です。
✅ 例文
- He abhors violence.
(彼は暴力をひどく嫌っている。) - Many people abhor discrimination.
(多くの人が差別を嫌悪している。) - She abhors lying and always tells the truth.
(彼女は嘘をつくことを忌み嫌い、常に真実を語る。)
📌 abhor は書き言葉・フォーマルな場面で使われる
「abhor」は会話で使うとやや堅苦しく聞こえるため、日常会話では 「hate」 や 「can't stand」 を使う方が自然。
✖ I abhor cold weather.(不自然)
〇 I hate cold weather.(自然)
単語のニュアンスと使い方のポイント
英単語 | 意味 | 主な使用場面 |
abhor | 道徳的に許せないほど嫌う | 文章・スピーチ・倫理的な問題 |
hate | 一般的に嫌う | 感情的な嫌悪(食べ物・天気など) |
detest | 強く嫌悪する | 個人的な強い反感(習慣・行動など) |
loathe | 本能的に受け付けない | 食べ物・匂い・人の行動など |
このように、「abhor」は 「倫理的に許せない」「本能的に拒絶する」 という意味を持つため、単なる「嫌い」という感情よりも強い意味を持つことを意識しよう。
abhor の発音と読み方
📌 発音記号: [əbˈhɔːr](アメリカ) / [əbˈhɔː](イギリス)
📌 カタカナ表記: 「アブホー」または「アブハー」
発音のコツ
- 「ə(ア)」は弱く発音し、「ア」ではなく「ァ」に近い音にする。
- 「bhɔːr(ホー)」の部分に アクセント を置く。
- 「r」はアメリカ英語ではしっかり巻き舌にし、イギリス英語ではほぼ発音しない。
🎙 発音を分解すると…
→ 「ァ」+「ブホー(またはハー)」
アメリカ英語とイギリス英語の違い
- アメリカ英語: 「アブホーr(rを強調)」
- イギリス英語: 「アブホー(rを発音しない)」
日常会話で使うことは少ないが、スピーチや文章で使用されることが多い単語のため、発音も意識しておくとよい。
abhor の語源
語源
ラテン語「abhorrere」(身をすくめて避ける、ひどく嫌う) から派生
語の成り立ち
- ab-(離れて) + horrere(震える・身をすくめる)
→ 「嫌悪のあまり身を引く」という意味が元になっている。
語源から考える覚え方
- abhor =「生理的に受け付けず、距離を取りたくなるほど嫌う」
→ 「道徳的・本能的に許せない」「嫌悪のあまり震える」というイメージを持つと記憶しやすい。
このように、「abhor」は単なる「嫌い」ではなく、「耐えられないほど嫌う」「本能的に拒否する」というニュアンスを含んでいることを意識すると、適切に使いこなせるようになる。
abhor の覚え方(記憶術)
📖 ストーリー記憶術
✅ 「ゴキブリを見た瞬間、身をすくめて嫌悪する」
→ abhor は「嫌悪のあまり身を引く」という語源を持つため、 本能的に受け付けないものを見たときの反応 を思い浮かべると覚えやすい。
🗣 語呂合わせ
✅ 「アブ(ab)ホラー(hor)映画は大嫌い!」
→ abhor の「hor」を「ホラー」と関連付けて、「ホラー映画が大嫌いな人が abhor を使う」と考えると記憶に残りやすい。
✅ 「アブ(ab)ホール(hor)には入りたくない!」
→ 「嫌悪感のある場所(ホール)には入りたくない」というイメージで覚える。
🖼 イメージ記憶
✅ 「腐った食べ物のにおいを嗅いで顔をしかめる」
→ 「生理的に受け付けず、即座に避けたくなる状況」を想像すると、abhor のニュアンスが自然に定着する。
abhor を使った例文
📌 基本的な例文
✅ She abhors violence in any form.
(彼女はどんな形であれ暴力をひどく嫌悪している。)
✅ Many people abhor discrimination and prejudice.
(多くの人が差別や偏見をひどく嫌っている。)
📌 専門的な表現
✅ abhor injustice(不正を嫌悪する)
例: He abhors injustice and fights for human rights.
(彼は不正を嫌い、人権のために戦っている。)
✅ abhor cruelty(残虐行為を嫌悪する)
例: Animal rights activists abhor cruelty towards animals.
(動物愛護活動家たちは動物への残虐行為を嫌悪している。)
📌 よく使われる熟語・フレーズ
✅ abhor the very idea of ~(~という考えそのものを嫌悪する)
例: She abhors the very idea of lying.
(彼女は嘘をつくという考えそのものを嫌っている。)
✅ be abhorred by ~(~に嫌悪される)
例: The dictator was abhorred by the citizens.
(その独裁者は国民に嫌われていた。)
このように、abhor は 「耐えられないほど強い嫌悪感」 を表す際に使われる。
一般的な「嫌い(dislike)」よりも感情の強さが大きい点に注意して、適切に使い分けよう。
abhor の類義語・対義語と使い分けのポイント
類義語一覧
abhor は「心の底から強く嫌悪する」ことを意味し、日常的な「嫌い(dislike)」よりも 感情の強さが圧倒的に大きい。
以下の類義語と比較して、適切な場面で使い分けよう。
✅ dislike(嫌う・好まない)
→ 一般的な「嫌い」という意味で、強い感情を含まない。
例: I dislike spicy food.
(私は辛い食べ物が好きではない。)
✅ hate(憎む・ひどく嫌う)
→ abhor よりも使用頻度が高く、日常会話でもよく使われる。嫌いな感情は強いが、「嫌悪」というほどではない。
例: She hates waking up early.
(彼女は早起きが大嫌いだ。)
✅ detest(憎悪する・激しく嫌う)
→ abhor に近い強い嫌悪感を表すが、ややカジュアルな表現。
例: He detests dishonesty.
(彼は不誠実さをひどく嫌っている。)
✅ loathe(強く嫌う・忌み嫌う)
→ abhor と同様に「生理的に無理」「存在そのものを受け付けない」レベルの嫌悪を表す。
例: She loathes cheating in sports.
(彼女はスポーツでの不正行為をひどく嫌悪している。)
使い分けのポイント
- abhor は 倫理的・道徳的に許容できないものへの強い嫌悪感 を表す。
- hate は日常的な「大嫌い」という意味で幅広く使える。
- detest はカジュアルな会話で「嫌い」を強調する際に適している。
- loathe は「生理的に受け付けない」というニュアンスが強い。
対義語一覧
abhor は「強く嫌悪する」意味を持つため、その対義語は「強く好む・愛する」ことを表す単語となる。
✅ adore(敬愛する・熱愛する)
→ 強く好意を持ち、愛情を抱くことを表す。
例: She adores her grandmother.
(彼女は祖母をとても愛している。)
✅ cherish(大切にする・慈しむ)
→ 何かを心から大切にし、深い愛着を持つことを表す。
例: He cherishes his childhood memories.
(彼は子供の頃の思い出を大切にしている。)
✅ love(愛する・好き)
→ 最も一般的な「愛する」「好き」の表現で、幅広い対象に使える。
例: I love reading books.
(私は本を読むのが大好きだ。)
✅ admire(称賛する・敬愛する)
→ 尊敬や憧れの気持ちを持つことを表す。
例: I admire his dedication to work.
(私は彼の仕事への献身を尊敬している。)
使い分けのポイント
- abhor ↔ adore → 嫌悪の対象 vs 熱烈な愛情
- abhor ↔ cherish → 忌み嫌う vs 大切にする
- abhor ↔ love → 強い嫌悪感 vs 強い好意
- abhor ↔ admire → 道徳的に許せない vs 尊敬する
このように、abhor は「耐えがたいほど嫌悪する」ことを意味し、対義語は「深く好む・愛する」ことを表す単語になる。場面に応じて適切に使い分けよう。
純日本人が間違えやすいポイント
英単語 abhor は「嫌悪する」という意味を持つが、日本人学習者にとっていくつかの間違えやすいポイントがある。
ここでは、特に混同しやすい点を整理し、正しい使い方を解説する。
① hate との違い:日常的な「嫌い」と強烈な「嫌悪」
日本語では「嫌い」という言葉で一括りにされることが多いが、英語では hate と abhor では強さが大きく異なる。
✅ hate は日常的な「大嫌い」を指し、好き嫌いの範囲で使える。
例: I hate getting up early.
(私は早起きが大嫌いだ。)
✅ abhor は倫理的・道徳的に許せないことに対して使われる。
例: She abhors violence.
(彼女は暴力を強く嫌悪している。)
💡 hate はカジュアルな場面でも使えるが、abhor は非常にフォーマルで書き言葉寄りの単語であるため、日常会話ではほとんど使われない。
② abhor の使い方:目的語は「行為」や「概念」が多い
abhor は「嫌悪する対象」が具体的な物ではなく、行為や概念(violence, injustice, corruption など) であることが多い。
❌ 誤: She abhors her neighbor.
(彼女は隣人を嫌悪している。)
✅ 正: She abhors dishonesty.
(彼女は不誠実さを強く嫌っている。)
💡 人を直接目的語にするのは不自然なので、「その人の行為や性質」に言及するようにしよう。
③ loathe との混同:「生理的に無理」と「倫理的な嫌悪」
abhor と loathe はどちらも「強い嫌悪」を示すが、ニュアンスが異なる。
✅ abhor → 「倫理的に受け入れがたいもの」
例: He abhors racism.
(彼は人種差別を嫌悪している。)
✅ loathe → 「生理的に無理」「本能的に避けたいもの」
例: She loathes seafood.
(彼女はシーフードが大嫌いだ。)
💡 loathe は食べ物や行動(waking up early など)に対してよく使われるが、abhor は道徳的な問題に対して使うことが多い。
④ abhor の発音ミス:h を発音しない
日本人学習者が abhor を発音する際、"h" の音を入れないことが多いが、これは誤りである。
❌ 誤: アボー
✅ 正: アブホー(/æbˈhɔːr/)
💡 "h" の音をしっかり発音することで、より自然な英語に聞こえる。
このように、abhor は「強い嫌悪感」を示すフォーマルな単語であり、hate や loathe との違いを意識することが重要である。
また、対象となるのは「行為」や「概念」が多く、日常会話ではあまり使われないため、適切な場面で使い分けるようにしよう。
まとめ
この記事では、abhor の意味・発音・語源・覚え方・例文・類義語・対義語について詳しく解説した。最後にポイントをおさらいしよう。
✅ abhor の意味
「強い嫌悪感を抱く」「道徳的に受け入れがたいと感じる」という意味を持つフォーマルな単語。
✅ 発音と語源
- 発音: [əbˈhɔːr](アブホー)
- 語源: ラテン語 abhorrere(遠ざける、身を引く)に由来し、「嫌悪して避ける」というニュアンスがある。
✅ 覚え方
📖 ストーリー記憶: 「不正や差別を目の当たりにして嫌悪感を抱く場面を想像する」
🗣 語呂合わせ: 「アブ(ab)ないほど嫌いでホー(hor)っとする」
🖼 イメージ記憶: 「汚れた食べ物を見て本能的に拒絶するイメージ」
✅ 例文を作ってみよう!
学んだ単語は実際に使うことが大切! 自分で例文を作って、しっかり定着させよう。
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