「ability」の意味と使い方|類義語との違い・例文付き解説

「ability = skill」と思っていないだろうか?

実は、この2つは意味が異なる。ability は「持って生まれた能力」や「潜在的な力」を指し、skill は「練習によって習得した技術」を指す。

たとえば、「彼は数学の能力がある」と言いたい場合、He has mathematical ability. が自然だが、「数学のスキルがある」なら He has mathematical skills. となる。

このように、似ている単語でも適切な使い分けが必要だ。

この記事では ability の意味・発音・使い方・類義語の違い・覚え方 を徹底解説する。

ability の意味と使い方

基本の意味

ability は「能力」や「才能」を意味する名詞で、何かをする力や適性を指す。

生まれつきの才能だけでなく、努力や訓練によって身につけた能力にも使われる。

名詞: 能力、才能(the power or skill to do something)

  • 一般的な「能力」を表す単語で、スポーツ、仕事、学習、芸術など、さまざまな分野で使われる。

例文

  • He has the ability to solve complex problems.
    (彼には複雑な問題を解決する能力がある。)
  • The ability to think critically is essential in business.
    (ビジネスでは批判的思考の能力が不可欠だ。)
  • She lost her ability to speak after the accident.
    (彼女は事故の後、話す能力を失った。)
  • This test measures your cognitive ability.
    (このテストは認知能力を測る。)

ability の使い方のポイント

ability は「何かをする力」全般を指すが、類似の単語と比較するとより明確に意味を理解できる。

英単語 意味 使われるシーン
ability 一般的な能力、持っている力 仕事・勉強・スポーツ・生活全般
skill 訓練や経験で身につけたスキル 仕事・趣味・技術
talent 生まれ持った才能 芸術・音楽・スポーツ
competence 仕事や業務における適性、能力 ビジネス・職場
capability ある状況で発揮される能力 組織・システム・軍事

 

abilityの使われるシーン

  1. 学習や知的能力
    • He has an incredible ability to learn new languages.
      (彼は新しい言語を学ぶ驚異的な能力を持っている。)
  2. 身体的能力
    • The athlete lost his ability to run due to an injury.
      (そのアスリートは怪我のために走る能力を失った。)
  3. 職場でのスキル
    • Good communication ability is crucial for a leader.
      (優れたコミュニケーション能力はリーダーにとって重要だ。)
  4. 芸術や創造力
    • She has a remarkable ability to compose music.
      (彼女には素晴らしい作曲の才能がある。)

このように、ability「何かをする力」 を幅広く表す単語であり、文脈に応じた適切な類義語と区別して使うことが重要だ。

 

ability の発音と読み方

📌 発音記号

  • アメリカ英語:[əˈbɪləti](アビリティ)
  • イギリス英語:[əˈbɪləti](アビリティ)

カタカナ表記で「アビリティ」と表記されることが多いが、英語の発音とは若干異なるため注意が必要だ。

発音のポイント

  1. 「ə」(シュワ音) を意識する
    • 最初の「a」は弱く発音され、「ア」ではなく「ə(曖昧なア)」に近い。
    • → 「ア」ではなく「エ」のように軽く発音するのが自然。
  2. 「bɪ」部分をしっかり発音
    • 「bɪ」は「ビ」ではなく「ビィ」に近い発音。
    • →「アビリティ」より「アビィリティ」のほうが英語に近い。
  3. 「ləti」のリズムを意識
    • 「lə」の部分は「ル」と発音せず、「ラ」に近い音。
    • 「ti」は「ティ」ではなく、「ティー」に近い発音になる(特にアメリカ英語)。
    • →「アビリティ」ではなく「アビリディ」に近い発音になる。

🎙 発音の分解

「ə」+「bɪ」+「lə」+「ti」
→ ゆっくり発音すると「ア-ビ-リ-ティー」のような音になるが、自然な英語では「アビリディ」のように聞こえる。

 

ability の語源

 語源

  • ラテン語:「habilitas(適性・才能)」
  • 古フランス語:「abilité(能力・熟練)」
  • 語の成り立ち:「able(できる)」+ 「-ity(名詞を作る接尾辞)」
    → 「何かをすることができる状態」という意味を持つ。

語源から考える覚え方

  • ability = able(できる)+ ity(名詞化)
    → 「何かをする力があること」
  • もともとは「適性・才能」を表す言葉であり、「能力がある」ことを意味する。

語源を活かした関連単語

  • able(形容詞):~することができる
    He is able to swim.(彼は泳ぐことができる。)
  • enable(動詞):~を可能にする
    This software enables users to edit videos.(このソフトはユーザーが動画を編集することを可能にする。)
  • disability(名詞):障害・無能力
    He has a physical disability.(彼は身体的な障害を持っている。)

 

ability の覚え方(記憶術)

📖 ストーリー記憶術

「スーパーヒーローの能力(ability)」
→ 「ヒーローには飛ぶ能力(ability to fly)や瞬間移動の能力(ability to teleport)がある」
→ 「ability = 特別な力」として覚える。

「新しいスキルを習得する」
→ 「ピアノを弾く ability(能力)がある」
→ 「努力すれば、さまざまな ability を身につけられる」と連想する。

🗣 語呂合わせ

「アビリティ → ‘アビ’(できる)+ ‘リティ’(状態)」
→ 「できる状態 = ability(能力)」

「アビリティは ‘あっ!ビリ(ビリじゃない)’」
→ 「テストでビリじゃないのは ability(能力)があるから」と覚える。

🖼 イメージ記憶

「ゲームのアビリティ」
→ RPG やシューティングゲームで「新しいアビリティを獲得!」と表示されるシーンを思い浮かべると、意味が定着しやすい。

「動物の生存能力」
→ 「チーターの ability は速く走ること」「カメレオンの ability は擬態すること」など、動物の特性と結びつけると覚えやすい。

 

ability を使った例文

📌 基本的な例文

She has the ability to speak three languages.
(彼女には3か国語を話す能力がある。)

This job requires the ability to work under pressure.
(この仕事にはプレッシャーの中で働く能力が求められる。)

His ability to solve problems quickly makes him a great leader.
(問題を素早く解決する能力が、彼を優れたリーダーにしている。)

With practice, you can improve your ability to write essays.
(練習すれば、エッセイを書く能力を向上させることができる。)

📌 ビジネス・フォーマルな表現

The company values employees with strong leadership abilities.
(その会社は優れたリーダーシップ能力を持つ社員を評価する。)

Artificial intelligence is developing the ability to learn from experience.
(人工知能は経験から学ぶ能力を発展させている。)

Effective communication ability is essential in international business.
(国際ビジネスでは効果的なコミュニケーション能力が不可欠だ。)

Candidates must demonstrate their ability to work in a team.
(応募者はチームで働く能力を示さなければならない。)

📌 日常会話での使用例

I envy your ability to stay calm in stressful situations.
(ストレスの多い状況でも冷静でいられる君の能力がうらやましい。)

His ability to make people laugh is incredible.
(彼の人を笑わせる能力はすごい。)

I lost my ability to concentrate after working for hours.
(何時間も働いた後で集中力を失った。)

She has an amazing ability to remember faces.
(彼女は顔を覚える驚くべき能力を持っている。)

📌 よく使われる熟語・フレーズ

have the ability to ~(~する能力がある)
He has the ability to inspire others.
(彼には他人を鼓舞する能力がある。)

demonstrate one's ability(能力を発揮する)
She demonstrated her ability to lead the team.
(彼女はチームを率いる能力を発揮した。)

develop one's ability(能力を伸ばす)
You should develop your ability to think critically.
(批判的思考力を伸ばすべきだ。)

lack the ability to ~(~する能力が欠けている)
Some people lack the ability to manage their time effectively.
(時間を効果的に管理する能力が欠けている人もいる。)

ability「何かをする能力」 を示す基本的な単語であり、「have」「demonstrate」「develop」「lack」 などの動詞と組み合わせてよく使われる。

文脈に応じた使い方を押さえて、実際の会話やライティングで活用しよう。

 

ability の類義語・対義語と使い分けのポイント

ability は「能力」「才能」を意味するが、類義語には skill, talent, capability, competence などがあり、それぞれニュアンスが異なる。

適切に使い分けるために、違いを理解しておこう。

類義語

skill(技術・熟練)
→ 練習や経験によって身につけた能力を指す。「ability」は一般的な能力を指すのに対し、「skill」は特定の分野での習得した技術を意味する。
例: She has excellent writing skills.(彼女には優れた文章作成スキルがある。)

talent(才能・素質)
→ 生まれ持った特別な能力を指す。努力で身につける「ability」に対し、「talent」は先天的な素質を強調する。
例: He has a natural talent for singing.(彼は生まれつき歌の才能がある。)

capability(実行能力・適性)
→ あることを実行できる能力を意味し、個人だけでなく機械や組織にも使われる。「ability」と比べて「特定の状況で発揮できる力」に焦点を当てる。
例: The system has the capability to handle large amounts of data.(そのシステムには大量のデータを処理する能力がある。)

competence(実務能力・適性)
→ 仕事や役割に必要な能力を指す。「ability」が一般的な能力であるのに対し、「competence」は特定の職務や役割に求められる能力を意味する。
例: His competence as a leader is well recognized.(彼のリーダーとしての能力は高く評価されている。)

📌 ability と類義語の使い分け

ability vs. skill

  • ability は「できる力」で、一般的な能力を指す。
  • skill は「訓練や経験によって習得した技術的な能力」。

例:

  • She has the ability to sing well.(彼女には歌う能力がある。)→ 一般的な能力
  • She has excellent singing skills.(彼女には優れた歌の技術がある。)→ 経験や練習で磨かれた技術

ability vs. talent

  • ability は「努力次第で向上する一般的な能力」。
  • talent は「生まれ持った才能」。

例:

  • With practice, you can develop your ability to play the piano.(練習すればピアノを弾く能力を伸ばせる。)
  • He has a rare talent for composing music.(彼は作曲の才能に恵まれている。)

ability vs. capability

  • ability は「個人の能力」。
  • capability は「機械や組織などの実行能力」。

例:

  • She has the ability to handle difficult situations.(彼女には困難な状況を対処する能力がある。)
  • The company has the capability to expand globally.(その会社には世界展開する能力がある。)

ability vs. competence

  • ability は「広い意味の能力」。
  • competence は「職務や役割に必要な能力」。

例:

  • His ability to adapt to change is impressive.(彼の変化に適応する能力は素晴らしい。)
  • His competence in leadership is undeniable.(彼のリーダーシップ能力は疑いようがない。)

 

対義語

ability の反対語には、「能力がない」「できないこと」を表す単語がある。

inability(無能・能力がないこと)
→ 何かをする能力がないことを指す。「ability」が「できる力」であるのに対し、「inability」は「できないこと」を意味する。
例: His inability to concentrate affects his work.(彼の集中できないことが仕事に影響を与えている。)

incapacity(無力・不能)
→ 身体的・精神的な理由で能力を欠くことを意味する。「inability」が一般的な「できないこと」を表すのに対し、「incapacity」はより医学的・法的な文脈で使われることが多い。
例: Due to illness, he suffered from physical incapacity.(病気のため、彼は身体的な不能に苦しんだ。)

incompetence(無能・力量不足)
→ 特定の仕事や役割を適切にこなす能力がないことを指す。「ability」が一般的な「できる力」であるのに対し、「incompetence」は職務上の能力不足を意味する。
例: His incompetence as a manager led to major problems.(彼のマネージャーとしての無能さが大きな問題を引き起こした。)

📌 ability と対義語の使い分け

ability vs. inability

  • ability は「できる能力」
  • inability は「できないこと」

例:

  • He has the ability to learn quickly.(彼は素早く学ぶ能力がある。)
  • His inability to learn quickly is a challenge.(彼が素早く学べないことが課題だ。)

ability vs. incapacity

  • ability は「何かをする能力」
  • incapacity は「身体的・精神的な不能」

例:

  • She has the ability to manage stress well.(彼女はストレスをうまく管理する能力がある。)
  • His incapacity to cope with stress led to burnout.(ストレスに対処できないことが燃え尽き症候群につながった。)

ability vs. incompetence

  • ability は「できる能力」
  • incompetence は「職務上の無能」

例:

  • His ability to lead a team is remarkable.(彼のチームを率いる能力は素晴らしい。)
  • His incompetence as a leader was evident.(彼のリーダーとしての無能さは明白だった。)

 

純日本人が間違えやすいポイント

「ability = skill」とは限らない

「ability」は「一般的な能力」を指すのに対し、「skill」は「練習や経験を通じて得た技術」を意味する。
そのため、特定の専門分野での習得した能力を表す場合、「skill」を使う方が自然である。
: She has the ability to play the piano well.
: She has the skill to play the piano well.(彼女はピアノを上手に演奏する技術を持っている。)

「ability」は具体的な能力よりも潜在的な能力を表す

「ability」は生まれ持った潜在的な能力を指すことが多く、努力や学習の結果得たスキルとは異なる。
文脈によっては「capability」や「competence」を使う方が適切な場合もある。
: His ability in programming is impressive.
: His competence in programming is impressive.(彼のプログラミング能力は素晴らしい。)

「able」との混同

「ability」は名詞、「able」は形容詞である。
「彼は英語を話す能力がある」という場合、文法的に正しい表現を選ぶ必要がある。
: He has able to speak English.
: He has the ability to speak English.
または
: He is able to speak English.(彼は英語を話すことができる。)

「ability」は肯定的な能力を指すことが多い

「ability」は一般に「できる能力」を表し、「できないこと」に関しては「inability」や「lack of ability」を使うのが自然である。
: He has no ability to swim.
: He lacks the ability to swim.(彼には泳ぐ能力がない。)

「capability」との違いに注意

「capability」は「特定の状況下で発揮される能力」を意味し、特に組織やシステムの能力を指すことが多い。
「ability」はより個人的な能力を表す。
: This software has the ability to process large amounts of data.
: This software has the capability to process large amounts of data.(このソフトウェアには大量のデータを処理する能力がある。)

ability は日本語の「能力」に近いが、文脈によって適切な類義語を選ぶ必要がある。
これらの違いを理解し、正しい使い方を身につけよう。

 

まとめ

この記事では、ability の意味・発音・語源・覚え方・例文・類義語・対義語 について詳しく解説した。最後にポイントをおさらいしよう。

ability の意味
「能力」「才能」を意味し、個人が持つスキルや資質を表す。
状況に応じて、skill(習得した技術)capability(特定の状況での能力) などの類義語と使い分ける必要がある。

発音と語源

  • 発音: [əˈbɪləti](アビリティ)
  • 語源: ラテン語 habilitas(適性・能力)から派生し、「何かを行うことができる」という意味へ発展。

覚え方
📖 ストーリー記憶: 「生まれつきの能力がある人が、その才能を発揮する場面を想像する」
🗣 語呂合わせ: 「ability = able(できる)+ -ity(性質)」 → 「何かをする能力」
🖼 イメージ記憶: 「スポーツ選手や芸術家が、自分の能力を発揮する場面を思い浮かべる」

例文を作ってみよう!
学んだ単語は、実際に使うことで定着しやすくなる。ability を使った例文を自分で作り、理解を深めよう。

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