「大人」の英語はAdultだけじゃない?Grown-up・Matureの使い分けと「成人」の表現

英語で「大人」と言いたいとき、つい Adult だけを使っていませんか?
実は、日本語の「大人」はとても幅広い意味を持っていますが、英語で「大人」を表す表現は、法的・生物学的・精神的な視点でしっかり分かれています。
例えば、法律上の「成人」、成長を終えた「成熟」、あるいは「精神的に大人」など―英語ならではの、微妙な違いがしっかり存在します。
本記事では、「Adult」「Grown-up」「Mature」など、意外と知られていない「大人」英単語たちの正しい使い分けを、具体例やイメージとともに掘り下げていきます。
「大人」を表す3大英単語の決定的な違い

英語の「大人」には、日本語とは比べものにならないほどニュアンスの違いが隠れています。
たとえばネイティブは、法律的な意味だけでなく「成長」「成熟」など場面や気持ちによって使い分けるのが自然です。
ここでは、「adult」「grown-up」「mature」という3つの主要な英単語の違いを整理します。
| 英単語 | 発音記号 | 意味・備考 |
|---|---|---|
| adult | /əˈdʌlt/ または /ˈædʌlt/ | 「法的・生物学的な“成人”」「成体」。“客観的・公的・やや硬い響き”、年齢や公的な区別に使われます。 例:チケット区分、パスポート、法律文書など。 |
| grown-up | /ˈɡroʊn ʌp/ | 「成長した人」「大きくなった人」。“親しみのある口語表現”、子供が大人を指す時に多い。 「もう子供じゃない」「大人として振る舞う」というニュアンス。 |
| mature | /məˈtʃʊr/ または /məˈtjʊər/ | 「精神的に成熟している」「分別がある」。“内面的な成熟”、年齢不問。褒め言葉としてよく使われます。 反対はimmature(未熟な、大人げない)。 |
ニュアンス比較
| 英単語 | フォーマル度 | 意味の焦点 | 使われやすい場面 |
|---|---|---|---|
| adult | 高い(事務的・公的) | 「年齢・制度上の成人」 | 年齢確認、公的文書、チケットなど |
| grown-up | 低い(親しみ・家庭的) | 「成長した人」 | 家族会話、子供~大人への変化 |
| mature | 中~高(内面的で賞賛寄り) | 「精神的成熟」 | 人間性を評価、性格や態度の説明 |
Adult:法的な「成人」・生物学的な「成体」

大人を表す英単語で一番よく目にするのが「adult」です。
英単語としては中学や高校でも頻出ですが、実際の英語ネイティブの使い方やニュアンスをきちんと理解できている人は案外少ないかもしれません。
adult の意味や使い分けポイントを、具体的な例や注意点を交えて解説します。
| 英単語 | 発音記号 | 意味・備考 |
|---|---|---|
| adult | /əˈdʌlt/ または /ˈæd.ʌlt/ | 法的、または生物学的に「大人」と認められる年齢や段階。主に18歳や20歳を指し、客観的・フォーマルな文脈で用いられます。 |
adultは、パスポートの申請やチケット購入、契約時の「18歳(または20歳)以上」という法的事実や客観的な条件を表すときに使われます。
そのため、子供と区別したり、「成体」(生物学での成熟個体)を記述するときもadultを使います。
例文
- Tickets are $20 for adults.(大人は20ドルです)
→ 映画館や美術館チケットの案内など、その場にいる年齢区分を伝える時の定番表現。 - She is legally an adult now.(彼女は法的に成人だ)
→ 例えば18歳の誕生日を迎えたばかりの人に使う定型句。「法的にはもう大人」と言いたい場面で。
日常会話で自分のことを“I'm an adult.”と言うと、「私はちゃんと責任がある」や「私はもう子供じゃない」と強調・主張感が出ます。
例えば、「私はもう大人です!」と宣言するニュアンスで使うと、少し構えている印象を与えます。
単に年上や“大人っぽい”ことを表したい場合はこのあと解説する grown-up の方が自然なことも多いです。
adultには他にも、「アダルト映画」「アダルト向け」といった年齢制限コンテンツの意味もあります。
この時も客観的な「年齢区分」として使われるのが特徴です。
Grown-up:口語的な「大人」・成長した姿

日常会話や親しみを込めた会話で「大人」と言いたいとき、「Adult」では堅すぎる…そんなときに活躍するのが「Grown-up」という表現です。
「Grown-up」は、「grow up(育つ)」の過去分詞から派生した単語で、「成長した人」「(子供にとっての)大人」という意味で使われます。
| 英単語 | 発音記号 | 意味・備考 |
|---|---|---|
| grown-up | /ˈɡroʊn ʌp/ | 子供が見た「大人」 口語的。優しく親しみのある響き。幼児語的ニュアンスも含むので、フォーマルな場では使わない。 「grow up」の過去分詞。 |
使い分けのコツとして、「adult」がフォーマルで法的・事務的なニュアンスを持つのに対し、「grown-up」は成長の過程を感じさせる、温かみや親しみのある語感が特徴です。
特に子供が大人を呼ぶ時や、大人自身が「もう子供じゃないよ」と自己主張する時にピッタリの単語です。
また、「grown-up」は「a grown-up(大人)」や「grown-up daughter(大きくなった娘)」のように名詞・形容詞の両方で使えます。
例文
- "Act like a grown-up!"(大人らしく振る舞いなさい!)
→ 子供がふざけている場面や、しっかりしてほしい時に。 - "He's all grown up now."(彼はもうすっかり大人だ)
→ 長年成長を見守ってきた気持ちや、感慨をこめて。 - "I don’t want to do grown-up things like paying bills!"(大人のこと=請求書払いなんてやりたくない!)
→ 子供の頃の無邪気さや、現実逃避の気持ちが現れる会話表現です。
名詞としての使い分け:
・"Are your parents at home, or is there another grown-up I can talk to?"(ご両親は家にいますか?それとも他の大人の方と話せますか?)
→ 教師や保護者が使う、少し子供に寄り添った表現です。
形容詞としての使い分け:
・"My grown-up daughter lives abroad."(私の大きくなった娘は海外に住んでいます)
→ 子供時代を知っている親の気持ちがにじむ言い方です。
「Grown-up」は、成長の証、人生の節目、子供時代への懐かしさなどのニュアンスがあります。
Mature:精神的な「大人」・成熟

「大人」と聞くと、年齢や身長だけで判断しがちですが、本当の「大人」らしさは心の成長や態度にも表れます。
英語圏では、その「内面の成熟」を表すのが mature という単語です。
adult(法的な成人)や grown-up(成長した人)と使い分けることで、より自然な英語表現ができるようになります。
| 英単語 | 発音記号 | 意味・備考 |
|---|---|---|
| mature | /məˈtʊr/ または /məˈtjʊə/ | 精神的に成熟した、分別がある。 褒め言葉としてよく使われる。年齢に関係なく「大人」であることを表す。 |
| immature | /ˌɪməˈtʃʊr/ | 未熟な、大人げない。大人であっても精神的に子供っぽい人に使える。 |
mature は、年齢ではなく、「しっかりした対応ができる」「冷静に物事を判断できる」といった精神面の成長や落ち着きを表します。
言い換えると、「大人っぽい」「分別がある」というニュアンスです。
褒め言葉として使われることも多く、子どもや若者に対して「年の割に大人だね」と言いたいときにも使えます。
例文
- "She is very mature for her age."
(彼女は年の割に大人びている=とてもしっかりしている) - "That was not a very mature way to handle the situation."
(それは大人の対応とは言えないね)
「大人げない」はimmatureを使います。
- "Don't be so immature."
(そんなに子供っぽい態度を取らないで)
関連表現として、「大人っぽい雰囲気」を出したい場合は、"mature" 以外にも、"sophisticated"(洗練された)や"grown-up"(子供に比べて大人びている)などの形容詞が使えます。
「大人になる」の英語フレーズ(変化を表す動詞)

「大人になる」という表現は、日本語でも色々な場面で使われますが、英語では実は様々な動詞表現でニュアンスの違いを伝えます。
「成人年齢に達する」とき、「成長して一人前になる」とき、「自立する」とき——それぞれのシーンで使う英語フレーズがあり、適切に使い分けることで、意味が正確に伝わります。
| フレーズ | 意味・備考 |
|---|---|
| become an adult | 法的に成人となることを指した表現。成人年齢(例:18歳、20歳)に達した瞬間や、社会的に認められた「成人化」を強調します。例文:"He became an adult at 18." |
| grow up | 子供が大人になるまでの「成長」全体をカバーする言い方。精神的・身体的な成長どちらにも使え、**もっとも口語的でよく使われる表現**です。友人同士の会話などで自然に出てきます。 |
| come of age | 社会的・法的な成熟を迎える、伝統的で格式高い表現。儀式や公的イベント(成人式など)に使われます。"She came of age last year." のように。 |
| become independent / stand on one's own two feet | 「精神的・経済的に自立する」「親の庇護から離れて一人前になる」という意味。単に年齢ではなく、社会的な自立や責任を意識しています。例:"He finally stood on his own two feet and got a job." |
公式なシーンでは become an adult や come of age、カジュアルな会話では grow up、自立を強調したい時は become independent / stand on one's own two feet など、TPOに合わせて表現を使い分けましょう。
日本語特有の「社会人」「大人」の英語変換

日本語には「社会人」や「大人」という言葉があり、どちらも日常会話やビジネスシーンで頻繁に使われます。
しかし、英語圏と日本語圏とでは「大人」「社会人」の捉え方が想像以上に異なります。
ここでは、その背景や適切な英語表現を深掘りしていきます。
| 日本語 | 直訳・代表的な英単語 | 意味・備考 |
|---|---|---|
| 社会人 | Working adult Professional Office worker | “Member of society” は文脈によっては少し不自然。 英語圏では年齢や職業が会話で重視されるため、仕事をしている「大人」を表す場合 “Working adult” や “Professional” が一般的。 会社員なら “Office worker”、職業名で具体的に “Engineer” “Teacher” などもよく使われます。 |
| 大人な対応 | Professional Diplomatic Mature | 状況によって言い換えが必要。 柔軟で冷静な対応には “Professional” や “Diplomatic” がしっくりきます。 性格や態度の成熟さを伝えたいときは “Mature” も使われます。 「大人げない」は “Immature” や “Childish” と反対語で表現します。 |
「社会人」は日本語圏特有の発想で、「学生ではない」「就労している大人」「自立して社会の一員となった人」というニュアンスがあります。
一方、英語では「大人」そのものにこうした境界線がないため、職業や立場を具体的に表す傾向があります。
また、「大人な対応」も直訳は難しく、単に “Adult response” とは言いません。
状況や伝えたい「大人らしさ」に合わせて単語を選びましょう。
まとめ
英語で「大人」と言いたい時、adult・grown-up・mature の3つは、意味も響きも異なります。
「adult」はあくまで法的・生物学的な“成人”を表す、堅めで事務的な単語です。
「grown-up」は日常会話で使われ、「成長した人」や「もう子供じゃないぞ」という温かみのある表現です。
「mature」は年齢ではなく、「精神的に大人びている」「分別がある」という、内面の成熟を褒めるニュアンスです。
また、「大人になる」にも become an adult/grow up/come of age など、生物的・精神的・社会的な成長プロセスごとにふさわしい表現があることも押さえておきましょう。
今日の記事で学んだ「大人」の使い分けを、ぜひTANZAMで復習してみてください!
ちょっとした一言にもニュアンスを込められる、大人な英語表現を身につけていきましょう。


