初詣は英語で?外国人に日本文化とお参りの作法を説明するフレーズ集

新しい年が始まると、日本各地の神社やお寺は「初詣」に訪れる人々で賑わいます。
この伝統行事には、無病息災や家族の安全を祈るなど、特別な思いが込められています。
しかし、「初詣」を英語で伝えようとすると、うまく言葉にできずに困ってしまった経験はありませんか?
英語圏には同じ慣習がないため、単語やフレーズの選び方、説明の仕方に悩む方も多いでしょう。
この記事では、「初詣」をどう英語で表現すれば伝わるか、また関連するボキャブラリーや、外国の友人や観光客に説明するときのポイントを丁寧にご紹介します。
「初詣」を表す基本の英語表現

日本の新年の伝統行事「初詣」。実は、これをぴったりそのまま英語で表せる単語は存在しません。
初詣は日本特有の文化なので、直訳というより「意味や背景を伝える英語表現」を知っておくことが、コミュニケーションの鍵になります。
このセクションでは、最も一般的な英語表現と、その使い方のコツを詳しくご紹介します。
最も一般的な表現:The first shrine visit of the year
英語で初詣を説明する場合、もっとも広く使われている表現が “the first shrine visit of the year” です。
例えば、定義フレーズとしては下記のようになります。
"Hatsumode refers to the first shrine visit of the new year."
ここでの “shrine” は神道の神社を指しますが、「寺(temple)」へのお参りも初詣に含める地域もあります。
両者の違いを意識して説明したい時は、“shrine (for Shinto)” と “temple (for Buddhism)” を併記すると、より正確です。
初詣に関する英単語一覧
| 英単語 | 発音記号 | 意味・備考 |
|---|---|---|
| shrine | /ʃraɪn/ | 神社(Shinto shrine)。仏教の寺院では temple を使う。 |
| temple | /ˈtɛmp(ə)l/ | 寺院(仏教寺院に主に使う)。神社と区別することが重要。 |
| visit | /ˈvɪzɪt/ | 訪れる、お参りする(to visit a shrineなどの表現で使う)。 |
| the New Year | /ðə nuː jɪr/ | 新年。初詣の背景を説明する時によく使う。 |
| New Year’s Day | /nuː ˈjɪərz deɪ/ | 元日。初詣は三が日(the first three days of the new year)に行くことが多い。 |
「shrine」と「temple」の違いは、日本文化を説明する上でとても大切なポイントです。
英語話者にとって“神社”と“お寺”は同じ religious site(宗教施設)に見えてしまうこともしばしば。
できるだけ詳しく背景も伝えると、会話がより興味深くなります。
そのまま「Hatsumode」と言っていい場合
「寿司」=Sushi、「着物」=Kimono のように、“初詣” も文化用語 “Hatsumode” としてそのまま英語の会話に登場することが増えています。
この場合は、最初に "Hatsumode" とあえて日本語名を出し、「初詣とは何か」を後から一言説明を添える形がナチュラルです。
例:
We have a tradition called “Hatsumode.” It means to visit a shrine or temple for the first time in the new year to pray and make wishes.
世界にひとつしかない日本の文化。そのままの名前で紹介することで、相手に特別な体験を印象づける効果も期待できます。
【ポイント】
「初詣はShinto(神道)、でもtemple(仏教寺)へ行くこともある」と一言加えると、文化の奥深さも伝わります。
英語での説明は難しそうに感じるかもしれませんが、背景や習慣も一緒に伝えることで、より深く“初詣”を紹介できます。
初詣の英語表現について迷ったら、まずは「the first shrine (or temple) visit of the year」そして “Hatsumode” を使い分けてみてください。
「初詣で何をするか」を英語で説明する

初詣がどんな行事なのかは知っていても、「実際に何をするのか」を英語で説明するのは意外と難しいですよね。
「お参り」とひとことで言っても、目的や流れ、特有の作法があるため、正確に伝えるには工夫が必要です。
このセクションでは、具体的に英語でどのように初詣の意義や、一連の参拝手順を説明できるか、役立つフレーズやボキャブラリーをまとめています。
参拝の目的を伝える(感謝と願い)
初詣はただ神社やお寺に「行く」だけではありませんよね。 昨年への感謝を伝え、新年の無事や幸せ、健康を祈る――そんな気持ちが込められた行為です。
英語で説明する際は、以下のような表現が役立ちます。
| 英単語 | 発音記号 | 意味・備考 |
|---|---|---|
| pray for | preɪ fɔːr | 「~のために祈る」。初詣では「safety」「happiness」「good luck」と組み合わせて使用。 |
| express gratitude | ɪkˈsprɛs ˈɡrætɪtjuːd | 「感謝を表す」。昨年の無事や幸運への感謝を込めて使う。 |
| make a wish | meɪk ə wɪʃ | 「願い事をする」。新年への願いを込めて初詣でよく使われるフレーズ。 |
実際の例文も確認しましょう。
- We pray for good luck and health for the coming year.
(私たちは新年の幸運と健康を祈ります) - People express gratitude for the previous year and wish for happiness in the new year.
(人々は昨年への感謝を表し、新しい年の幸せを願います) - At the beginning of the year, we visit a shrine to make a wish for our future.
(年の初めに、自分の将来のための願いを込めて神社を訪ねます)
日本特有の「感謝と祈願」という二つの側面を、英語でも伝えられることが大切です。
参拝の手順(二礼二拍手一礼)を英語で
初詣には独自の参拝作法があります。
「二礼二拍手一礼」(2回おじぎ→2回拍手→1回おじぎ)を、外国の方へ英語で説明するときも、丁寧なガイドが好印象です。
以下のボキャブラリーを押さえておきましょう。
| 英単語 | 発音記号 | 意味・備考 |
|---|---|---|
| bow | baʊ | 「おじぎをする」。動作をシンプルに説明する際の必須単語。 |
| clap | klæp | 「手を打つ」。神前で両手を2回叩く文化的な意味も。 |
| ring the bell | rɪŋ ðə bel | 「鈴を鳴らす」。神社の入り口での所作。 |
| toss a coin (offering) | tɒs ə kɔɪn | 「賽銭を投げ入れる」。offering(奉納)の説明と合わせて。 |
英語での説明文例:
- First, toss a coin into the offering box.
(最初に賽銭箱にお金を入れます) - Then, ring the bell to announce your presence.
(その後、鈴を鳴らして自分が来たことを告げます) - Bow twice, clap your hands twice, pray, and finally bow once more.
(2回おじぎ、2回手を打ち、祈り、最後にもう1度おじぎをします)
自分がどのような動作をしているかを「ステップごと」に英語で伝えると、文化の違いを感じてもらいやすくなります。
おみくじ・お守り・絵馬に関連する英語ボキャブラリー
日常英会話ではあまり触れることのない「おみくじ」「お守り」「絵馬」ですが、これらは初詣の体験のなかでも日本文化の奥深さを感じられる重要な要素です。
英語でどう表現するのか、また海外の人に説明する際にどんなフレーズを使えるのか、ここでしっかり押さえておきましょう。
こうした単語や言い回しを知っておくと、外国人の友人にも日本の年始の雰囲気を伝えやすくなります。
おみくじ(Omikuji / Fortune slip)
おみくじは、簡単に言うと「運勢が書かれたくじ引き」であり、神社やお寺で新年の運勢を占います。
英語ではfortune slip(フォーチュンスリップ)が一般的ですが、そのまま「Omikuji」と表現し、あとは解説で補う手もあります。
| 英単語 | 発音記号 | 意味・備考 |
|---|---|---|
| fortune slip | [ˈfɔːrtʃən slɪp] | おみくじの直訳。fortuneは「運」や「運勢」の意。 |
| good luck | [ɡʊd lʌk] | 「吉」など幸運を表す結果。大吉はgreat fortune。 |
| bad luck | [bæd lʌk] | 「凶」や「大凶」など不運な結果。 |
| blessing | [ˈblesɪŋ] | めでたい結果や「吉」をやや丁寧に。神の加護という含意も。 |
| tie the fortune slip to a tree | [taɪ ðə ˈfɔːrtʃən slɪp tuː ə triː] | 凶や希望しない結果は境内の木などに結びつけて帰る習慣を説明する表現。 |
説明フレーズ例:
- People draw fortune slips called "omikuji" to predict their luck for the new year.
- If you receive bad luck, it is common to tie the slip to a tree or a rack to leave behind the bad fortune.
おみくじは、神社文化と日本人の人生観を伝えるうえでとても良い会話のきっかけです。
お守り(Omamori / Good luck charm)
お守りは、お守り袋に入れていつも身につける、神聖な「ご利益のあるお守り」です。
英語では「good luck charm」や「amulet」も使えますが、omamoriとして固有名詞扱いにすることで日本の特色が伝わります。
| 英単語 | 発音記号 | 意味・備考 |
|---|---|---|
| good luck charm | [ɡʊd lʌk tʃɑːrm] | 運気をあげるお守り。チャームは「小さなお守り」のイメージ。 |
| amulet | [ˈæmjəlɪt] | 広い意味で「身を守る護符」。宗教色あり。omamoriは日本独特の典礼を強調したい時に。 |
| protective charm | [prəˈtektɪv tʃɑːrm] | 守る力を強調したい時。事故防止や健康祈願の説明に。 |
説明フレーズ例:
- Omamori are good luck charms purchased at shrines or temples. People carry them to receive protection.
- Each omamori has a different purpose, like health, traffic safety, or academic success.
お守りは「個人的に願いを身につける習慣」が伝わるように話すと、海外の友人も興味を持ちやすいです。
絵馬(Ema / Wooden wishing plaque)
絵馬は、願い事を書いて神社に納める伝統的な木札です。
英語では「wooden wishing plaque」や「votive tablet」と呼びます。Emaとそのまま表現するのも近年は一般的です。
| 英単語 | 発音記号 | 意味・備考 |
|---|---|---|
| wooden wishing plaque | [ˈwʊdn ˈwɪʃɪŋ plæk] | 直訳。日本の絵馬文化を説明する時に使いやすい。 |
| votive tablet | [ˈvoʊtɪv ˈtæblət] | votiveは「奉納の」。神様への願掛けのニュアンス。 |
| ema | [ˈeːmɑ] | 海外でも「Ema」と紹介されることが増加中。 |
説明フレーズ例:
- People write their wishes or goals on wooden plaques called "ema" and hang them at shrines.
- Ema often have pictures of animals or zodiac signs related to the year.
絵馬を説明するときは、「書き残すことで願いを叶えようとする日本の心」が伝わると素敵ですね。
初詣に誘う・感想を話す英会話フレーズ

新しい年の始まりを迎え、日本人が大切にしている「初詣」ですが、外国人の友人を誘ったり、初詣の感想や新年の抱負について英語で語り合いたい場面も増えています。
ここでは、実際に使える自然な誘い方や、会話を盛り上げるための英語表現をたっぷりご紹介します。
「初詣を一緒に体験しながら、英語でコミュニケーションを深めたい!」という方にぴったりのフレーズ集です。
外国人の友人を初詣に誘う時のフレーズ
初詣は日本独自の文化体験ですが、外国人の友人に押し付けるのではなく、「日本文化に興味があれば一緒にどう?」というカジュアルさや配慮が大切です。
自然な誘い方の例:
- Would you be interested in experiencing Hatsumode, the first shrine visit of the year, with me?
- How about starting the new year with a traditional Japanese shrine visit?
- If you’d like, we can visit a shrine for Hatsumode together. It’s a unique Japanese tradition.
混雑を気遣うフレーズ:
- It can get really crowded, especially on the first few days. Would you be okay with that?
- Just a heads-up: Many people visit shrines at New Year, so it might be a bit packed.
- We may have to wait in line, but it's part of the fun!
初詣への誘いは、日本の文化を紹介する絶好のチャンスです。
外国人にとっても思い出深い体験になるはずなので、気軽に声をかけてみましょう。
新年の抱負(New Year's resolution)を語り合うときのフレーズ
初詣の帰りやカフェで、「今年こそ〇〇したい」という新年の抱負について英語で語り合うのも素敵な時間です。
抱負を尋ねたり答えたりする例:
- Do you have any New Year’s resolutions?
- What are your goals for this year?
- My New Year’s resolution is to study English every day.
- This year, I want to travel more and meet new people.
- I hope to spend more time with my family in 2024.
初詣の感想を語る例:
- It was my first Hatsumode. I really enjoyed the atmosphere at the shrine.
- I was surprised to see so many people at the shrine. It felt very lively!
- I liked drawing omikuji and buying a good luck charm.
お互いの文化や考えを交わせる会話は、単なる英会話を超えて、より深い理解と交流につながります。
お互いの言葉で想いや感想を語り合うことで、新たな気づきが生まれるかもしれません。
まとめ:日本の心「初詣」を英語で発信しよう
新年の幕開けとともに、多くの人が足を運ぶ「初詣」。日々の忙しさから少し離れて感謝や願いを込めるこの行事は、日本の精神文化を象徴するものです。
単なるイベントとしてではなく、新しい年を清々しい気持ちで迎えるためのリセットの儀式であることを、ぜひ英語で発信してみてください。
日本独自の言葉や作法を、ただ直訳するだけでは伝えきれない細やかな意味や情緒まで、言葉を選び説明できる力は大きな財産になります。
TANZAMでは、「初詣」やおみくじ・お守りなど、日本文化特有の単語も、文脈やイメージとともにわかりやすく学べます。
語彙力をアップデートすることで、あなたの日本紹介もより深みのあるものになるでしょう。
次の初詣までに、英語力を一歩前へ――。TANZAMで、世界に日本を伝える力を磨きませんか?


