「除夜の鐘」は英語で何て言う?108の煩悩を説明する表現と必須英単語

日本の年末年始、特に除夜の鐘は多くの人にとって心が穏やかになる大切な行事です。

その一方で、外国人の友人や知人から「どんな意味があるの?」と質問されると、意外とうまく説明できないものですよね。

 

この記事では、「除夜の鐘」の基本的な意味から、108回撞く理由、仏教的な背景まで、一つ一つわかりやすく英語で解説するコツをお伝えします。

せっかくの日本文化への質問を、あなたの英語力アップと異文化交流のチャンスに変えてみませんか?

「除夜の鐘」を英語で表現する3つのフレーズ

New Year's Eve bell at a snowy temple / 雪の大晦日、お寺の鐘

年末になると、日本全国のお寺から響く「除夜の鐘」。

この独特の日本文化について、外国人の友人から「除夜の鐘って、英語で何て言うの?」と尋ねられ、返答に迷った経験はありませんか?

単なる直訳では伝わりきらない、文化的背景や意味もしっかり伝えたい――そんなあなたのために、代表的な3つの英語表現とそのニュアンスを詳しく解説します。

 

最も一般的な表現:The New Year's Eve bell

「The New Year's Eve bell」は、説明不要のほどシンプルで分かりやすい英訳です。

New Year's Eve(大晦日)は世界的にもよく知られた言葉であり、bell(鐘)をつなげるだけで「除夜の鐘」を意味します。

このフレーズを使えば、文化背景を知らない相手にも**イメージしやすく伝わるのが魅力です。

英単語発音記号意味・備考
New Year's Eve/ˌnuː jɪərz ˈiːv/大晦日。国際的にも認知度が高い言葉。
bell/bɛl/鐘。church bell で教会の鐘、temple bell で寺の鐘。

 

使い方例: "We listen to the New Year's Eve bell at midnight."

 

行為に焦点を当てる:Ringing the temple bell

「除夜の鐘」は日本独自の儀式ですが、**鐘を「つく」=打つ動作が重要**なポイントです。

英語ではRinging the temple bellと表現できます。ここで注意したいのは、「寺」を意味するtempleを使うこと。

神社(shrine)は初詣などの行事ですが、鐘を鳴らすのは基本的に仏教寺院(temple)です。間違いやすいので注意しましょう。

英単語発音記号意味・備考
ring/rɪŋ/(鐘などを)鳴らす。広義で使える。
temple/ˈtɛmpəl/仏教寺院。shrine(神社)とは明確に区別。

 

使い方例: "People ring the temple bell on New Year's Eve."

 

文化的な響きを持たせる:The Joya-no-Kane

英語圏でも「Sushi」のように、日本語そのものを“固有名詞”として使う手法があります。

「The Joya-no-Kane」とカタカナのまま説明し、後から補足することで、日本独自の行事であることがより深く伝わるでしょう。

まさに文化紹介、国際交流の場ではこのパターンが効果的です。

使い方例: "The Joya-no-Kane is a traditional Buddhist bell-ringing ceremony on New Year's Eve in Japan."

 

「108の煩悩」を英語でどう説明する?

Silhouette of purification at night temple / 夜のお寺、浄化のシルエット

年末、お寺の鐘が静かに響く瞬間――その音には「108の煩悩を消し去る」という深い意味が込められています。

この“煩悩”を「desire」や「sin」と訳すだけでは、日本独自の宗教観や精神性を十分に伝えきれません。

英語でもしっかりと背景とニュアンスまで説明できるようになれば、外国人の友人に驚かれること間違いなしです。

英単語発音記号意味・備考
earthly desiresˈɜːrθli dɪˈzaɪərz仏教でいう「煩悩」に最も近い表現。
Earthlyは「地上的な=人間としての自然な欲」。
海外の仏教の記事でもよく使われる。
worldly passionsˈwɜːrldli ˈpæʃənzより感情的で「執着や情熱が絡む欲望」というニュアンス。情念や感情の激しさを含む表現。
sin(s)sɪn(z)キリスト教では「罪」に。
煩悩は本質的に善悪の二元論を持たないため、仏教独自の意味を明確に区別すべき。
「sin」はそのまま使わず、文化的な誤解を避けるよう注意。

 

煩悩には“greed(貪欲), anger(怒り), ignorance(無知)”など、さまざまな人間の弱さ・欲望が含まれており、日本独自の「108個」についても説明するのがポイントです。

また、「なぜ108回鳴らすのか?」を端的に説明するフレーズも覚えておきましょう。

例えば、次のような例文が使いやすく、相手にしっかり伝わります。

  • The bell is rung 108 times to cleanse us of our 108 earthly desires.
    (鐘は私たちの108の煩悩を清めるために108回鳴らされます)
  • They toll the bell 108 times to purify people’s hearts from earthly passions.
    (鐘を108回鳴らして、人々の心を煩悩から浄化します)

ここで使いたい動詞は「cleanse」「purify」など、“心や魂を洗い流す・浄化する”のニュアンスを補ってくれるものです。

 

 

「鐘をつく」の動詞は Ring? Strike? Toll?

Close-up of striking the temple bell / 鐘をつく瞬間のクローズアップ

英語で「鐘をつく」と伝えたいとき、ふと迷った経験はありませんか?

実は、“Ring”“Strike”“Toll”といった単語がそれぞれ異なる情景や響きを持っています。

ここでは英語好きならではのこだわりポイントやニュアンスの違いを、博士目線でじっくり解説します。

単なる「直訳」を一歩超えた、より豊かな表現力を一緒に身につけていきましょう。

英単語発音記号意味・備考
Ring/rɪŋ/一般的に「鳴らす」。
ドアベルや電話の音なども連想させるため、軽やかで日常的な響き。
「鐘をつく」にも使えるが、荘厳さや宗教的な雰囲気はやや薄め。
Strike/straɪk/「打つ」という動作そのものに重きを置いた表現。
「鐘を一打する」「剣で打つ」など、物理的に叩く行為をしっかり表す時に使われます。
ただし音や雰囲気よりも「何かを叩いた」という事実に焦点が当たっているのが特徴。
Toll/toʊl/厳かにゆっくりと鳴る大きな鐘の響きを表現する語。
教会や葬儀、儀式的な場面などで使われ、「弔鐘」のような重厚で静寂な雰囲気を持ちます。
除夜の鐘に最もふさわしい、**文学的な単語選び**です。
例:「The temple bell tolls in the New Year.」というと、静かに年越しを見守る情景が浮かびます。

 

それぞれを使い分けることで、「ただ鐘を鳴らす」だけでなく、その場の空気・感情まで伝えることができます

 

そのまま使える!除夜の鐘を説明する実践フレーズ集

Friendly explanation of the temple bell / 鐘について友好的な説明

年末年始、外国人の友達に日本の「除夜の鐘」について英語で説明したいのに、どんな表現を使えばよいか迷った経験はありませんか?

せっかく素晴らしい文化があるのに、「うまく言えなくて話題を変えてしまった…」というのはもったいないですよね。

ここでは、シンプルなものから深い説明まで、すぐに使える実践フレーズをまとめました。ぜひ自分の言葉として使いこなしてください。

 

簡易版(初心者向け)

短くて日常会話でも使いやすい例文です。 これさえ覚えておけば、外国人の友人とのちょっとした会話で活躍します。

  • We have a tradition of listening to temple bells on New Year's Eve in Japan.
    (日本では大晦日にお寺の鐘を聞く習慣があります)
  • The temple bell is rung 108 times on New Year's Eve.
    (大晦日にはお寺の鐘が108回鳴らされます)
  • People visit temples to hear the New Year's Eve bell.
    (多くの人がお寺に行って除夜の鐘を聞きます)

「temple bell」(寺の鐘)や「New Year's Eve」(大晦日)といった単語を組み合わせるだけでも十分伝わります。
自信を持って声に出してみてください。

 

詳細版(中上級者向け)

文化や背景までしっかり説明したい方はこちらを。 外国人ゲストや英語で文化紹介を頼まれたときに重宝します。

  • On New Year's Eve, a ritual called "Joya-no-Kane" is held at Buddhist temples, where the temple bell is tolled 108 times to symbolize the cleansing of our 108 worldly desires.
    (大晦日には「除夜の鐘」と呼ばれる仏教の儀式があり、お寺の鐘が108回鳴らされます。これは108の煩悩を浄化する象徴です)
  • This tradition helps people leave behind the impurities of the old year and welcome the new year with a pure heart.
    (この伝統は、旧年のけがれを断ち切り、清らかな心で新年を迎える助けとなります)
  • The number 108 represents the many earthly desires or human flaws we want to overcome as the year changes.
    (108という数字は、私たちが新年に向けて克服したい多くの煩悩や人間的な弱さを表しています)

このように、ritual, symbolize, cleanse, earthly desires といった語彙が使えると、あなたの英語説明はぐっと深まり、知的な印象を与えます。

 

 

まとめ:文化と言葉をつなげて覚えよう

日本の「除夜の鐘」と、それを支える仏教的な考え方は、単なる英単語の暗記では味わえない奥深さと知的な魅力にあふれています。

たとえば「bell」や「ring」だけでは表現しきれない文化的なニュアンスや、「toll」「Earthly desires」などこだわりの語彙選びができると、あなたの英語説明力も一段上がるでしょう。

 

英単語は関連性や情景とセットで覚えることで、単なる知識から実践力へと変身します。

年末のひととき、日本文化を英語で語れる自分をイメージしながら、楽しんで学びを続けてください。

TANZAMが、あなたの新しい英語表現の世界を広げるお手伝いになることを願っています!