英語の接頭辞とは?意味と例単語で覚える完全ガイド【頻出30個一覧付き】

英単語を覚えるのが苦手…。そんなふうに感じていませんか?
単語帳を何周しても、見たことのない単語が長文に出てきて焦ってしまう。
意味を調べても、またすぐ忘れてしまう。
――英語学習者なら、一度はぶつかる壁かもしれません。
でも、もし単語の“構造”が見えるようになったらどうでしょう?
実は、英単語の多くは「パーツの組み合わせ」でできていて、その中でも接頭辞(prefix)は、意味の手がかりになる大事なヒントです。
たとえば、「preview(予告編)」のpre-は「前に」、「rebuild(再建する)」のre-は「再び」を表します。
接頭辞の意味がわかるだけで、知らない単語の意味もぐっと推測しやすくなるのです。
この記事では、英語で頻出する接頭辞を厳選し、意味や例単語をわかりやすく一覧にまとめました。
語彙力を「暗記」でなく「構造理解」で伸ばしたい方に向けて、覚え方のコツやアプリ活用法も紹介していきます。
接頭辞(prefix)とは?
英単語は、パーツ(語源)の組み合わせでできています。
その中でも「接頭辞(prefix)」は、単語の最初に付いて意味を加えるパーツです。
たとえば、
- unhappy は un-(否定) + happy(幸せ)
→「幸せでない」=不幸せ - preview は pre-(前) + view(見る)
→「前もって見る」=予告・下見
このように、接頭辞はもともとの単語に「方向性」や「状態」などの意味を付け加える働きをします。
接頭辞・語根・接尾辞の違い
英単語の構造は、基本的に3つのパーツで構成されます:
パーツ名 | 位置 | 役割 | 例 |
接頭辞 | 単語の先頭 | 意味を加える(否定・時間など) | re-play(再び+遊ぶ) |
語根(root) | 単語の中心 | 基本的な意味のコア | view(見る) |
接尾辞 | 単語の語尾 | 品詞やニュアンスを決める | hope-ful(希望+いっぱい) |
たとえば unbelievable はこのように分解できます:
- un-(否定)+ believe(信じる)+ -able(〜できる)
→「信じることができない」=信じがたい
つまり、接頭辞は意味の方向性を決めるスタート地点。
それに語根が意味の中心軸を、接尾辞が文法上の役割(形容詞・名詞など)を加えて、ひとつの単語になります。
なぜ接頭辞を学ぶと語彙力が伸びるのか?
接頭辞の知識があると、初めて見る単語でも意味を推測しやすくなるという大きなメリットがあります。
たとえば、
- deactivate = de-(除く)+ activate(作動する)→「無効にする」
- preview = pre-(前)+ view(見る)→「予習する、予告」
このように「パーツから推測する力=語源リテラシー」がつくことで、単語を丸暗記せずに構造的に理解できるようになります。
また、同じ接頭辞を持つ単語をグループで覚えやすくなるため、単語のネットワークが自然と広がります。
たとえば unhappy, unknown, unfair のように un- で否定を表す単語をまとめて覚えると、記憶への定着も効率的です。
【保存版】よく使われる英語の接頭辞30選(表付き)
否定・逆
接頭辞 | 意味 | 例単語(意味) |
un- | 否定、逆の状態 | unhappy (not happy), unknown (not known) |
in- | 否定(一般) | invisible (not visible), incomplete (not complete) |
im- | 否定(b/m/pの前) | impossible (not possible), immature (not mature) |
il- | 否定(lの前) | illegal (not legal), illogical (not logical) |
ir- | 否定(rの前) | irregular (not regular), irresponsible (not responsible) |
dis- | 否定・逆 | disagree (not agree), disconnect (break the connection) |
時間・順序・位置
接頭辞 | 意味 | 例単語(意味) |
pre- | 前、あらかじめ | preview (see before), predict (say beforehand) |
post- | 後、あとに続く | postwar (after the war), postpone (delay) |
fore- | 前、先に | forecast (predict), foresee (see in advance) |
mid- | 中間の | midnight (middle of the night), midterm (middle of term) |
inter- | 間、相互に | international (between nations), interact (act between people) |
trans- | 越えて、移動 | transport (carry across), transform (change form) |
方向・動き
接頭辞 | 意味 | 例単語(意味) |
re- | 再び、元へ | rebuild (build again), return (go back) |
de- | 下に、除去、否定 | defrost (remove frost), deactivate (make inactive) |
sub- | 下に、下位 | submarine (underwater ship), subway (underground transport) |
super- | 上に、超えて | superman (man beyond normal), supercharge (charge excessively) |
over- | 過剰、上に | overeat (eat too much), overwork (work too much) |
under- | 不足、下に | underestimate (guess too low), underdevelop (not develop enough) |
数量・程度
接頭辞 | 意味 | 例単語(意味) |
bi- | 2つの | bicycle (vehicle with two wheels), biweekly (every two weeks) |
tri- | 3つの | triangle (shape with three angles), tricycle (three-wheeled vehicle) |
multi- | 多数の | multinational (in many nations), multimedia (many forms of media) |
mono- | 1つの | monologue (speech by one person), monorail (single rail system) |
semi- | 半分、不完全な | semicircle (half circle), semifinal (before the final round) |
誤り・反復・強調
接頭辞 | 意味 | 例単語(意味) |
mis- | 誤って | misunderstand (understand wrongly), misplace (put in wrong place) |
out- | 外へ、超えて | outdo (do better than), outgrow (grow beyond) |
en- | ~にする(動詞化) | enable (make able), enrich (make rich) |
em- | ~にする(動詞化) | empower (give power), embrace (hold closely) |
pro- | 前へ、賛成して | promote (move forward), proceed (go forward) |
anti- | 反対、対抗 | antivirus (against virus), antisocial (against social behavior) |
💡ポイント
- 「否定系」の接頭辞(un-, in-, dis-など)は文脈による使い分けが重要。
- 「数・方向・時間」に関する接頭辞は、イメージとセットで覚えると記憶に残りやすい。
接頭辞の覚え方【3ステップで効率化】
接頭辞は、英単語を構造的に理解するためのカギです。
暗記ではなく、意味のかたまりとして捉えることで、語彙力は飛躍的に伸びます。
ここでは、効率的に接頭辞を身につける3つのステップを紹介します。
ステップ1:接頭辞の意味をイメージ化
まずは、接頭辞が持つ「基本の意味」をイメージで捉えることが重要です。
抽象的に見える語も、視覚的なイメージと結びつけることで記憶に残りやすくなります。
たとえば:
- sub-(下) → 地中に潜る、地面の下を通る
- pre-(前) → スタートラインの前に立って準備する
- re-(再び) → 元に戻す、巻き戻す
こうした「方向」や「動き」をともなうイメージを頭に描くことで、単語に含まれる意味のニュアンスがつかみやすくなります。
ステップ2:語源(語根)との組み合わせで理解を深める
接頭辞は単独では意味を持たず、語根(root)と組み合わさることで単語全体の意味が決まります。
したがって、接頭辞と語根をセットで学ぶことで、より精密な理解が可能になります。
たとえば:
- preview = pre-(前)+ view(見る) → 「予習・下見」
- transport = trans-(越えて)+ port(運ぶ) → 「輸送する」
- interrupt = inter-(間に)+ rupt(壊す) → 「妨害する」
同じ語根にさまざまな接頭辞がつくケースも多く、パターン化することで語彙が広がっていきます。
ステップ3:文脈と音で定着させる
最終的に意味を定着させるには、「実際の文脈でどう使われているか」を知ることが不可欠です。
例文を通して、接頭辞がどのような役割を果たしているのかを具体的に理解しましょう。
たとえば:
- The device will automatically deactivate after use.
(その装置は使用後に自動的に作動を停止する)
この文では de-(取り除く、逆の動き) により「作動を停止する」意味が自然に伝わってきます。
また、音声を通じて覚えることで、「意味+発音+文脈」の3要素が結びつき、記憶が強化されます。
TANZAMでは:
- 単語ごとに 例文・音声・語源 情報を収録
- 「Listening Mode」で、通学中や作業中でも耳から復習可能
- 接頭辞や語源で検索して、関連単語を一覧でチェック
こうした多角的な学習機能を活用することで、単語をただ覚えるのではなく、「構造と意味の関係性」から深く理解することが可能になります。
接頭辞に関する注意点・よくある誤解
接頭辞は語彙学習に非常に有効ですが、いくつかの「落とし穴」も存在します。
ここでは、学習者がつまずきやすいポイントや誤解しがちな例を紹介します。
接頭辞の意味がいつも同じとは限らない
接頭辞は基本的な意味を持ちますが、すべての単語でその意味があてはまるとは限りません。
例:
- rely
一見「re-(再び)」+「ly」に見えますが、このre-は接頭辞ではありません。
語源的にはラテン語 religare(再び+結びつける)から来ているため、構成から意味を単純に分解することはできません。
接頭辞に見えても、語源の中に埋もれていたり、意味が変化しているケースがあることに注意しましょう。
「un-」「in-」「non-」など、似た否定接頭辞に要注意
否定を表す接頭辞は複数ありますが、使い方やニュアンスには違いがあります。
接頭辞 | 例 | 特徴 |
un- | unhappy, unfair | 最も一般的な否定。形容詞・動詞に多く使われる |
in- | inactive, invisible | ラテン語起源の語に多い。b/m/p前は im-、l前は il-、r前は ir- に変化 |
non- | nonfiction, nonverbal | 「〜でないもの」という名詞的な使い方が多い。un-より形式的な印象 |
接頭辞の形は似ていても、適切な組み合わせや品詞ごとの使い分けがあるため、辞書や例文で確認が必要です。
語源だけで意味を判断しない
接頭辞や語根を知ると意味を推測しやすくなりますが、語源知識だけに頼るのは危険です。
例:
- subject = sub-(下)+ ject(投げる)
→ 語源的には「下に投げられたもの」ですが、現代英語では「科目」「対象」「従属する」など多義的な意味を持っています。
単語の意味は時代とともに変化するため、語源だけでなく「今の使われ方」を確認することが重要です。
学習に役立つ書籍・辞書・アプリまとめ
接頭辞を効率よく学ぶには、語源に特化した教材やツールを上手に活用するのがコツです。
ここでは、英語学習者におすすめの参考書・辞書・アプリを紹介します。
書籍|語源の世界を楽しく学べる良書
『英単語の語源図鑑』(かんき出版)
イラストと語源解説で単語の構造が視覚的に理解できる。初心者にもわかりやすく、語源の入門に最適。
『英語語源ハンドブック』(研究社)
約1000語を語源・意味・語形・発音の変遷から丁寧に解説。語源で語彙を広げたい学習者や、英語の不規則性の背景を深く知りたい人におすすめ。
オンライン辞書|語源や単語の変遷を深掘り
Etymonline(https://www.etymonline.com)
英単語の語源を詳しく解説してくれる無料辞書。古英語・ラテン語由来の解説が豊富で、学術的にも信頼できる。
Wordnik(https://www.wordnik.com)
例文や語源、発音、類語などを網羅した辞書サイト。語源だけでなく、語の使い方を確認するのにも便利。
アプリ|覚える・試す・定着させるならTANZAM
英単語アプリTANZAM
TANZAMは語源学習に特化したアプリではありませんが、接頭辞や語根で検索できる機能を備えており、語源の収録・確認が可能です。
各単語には【語源】【例文】【イメージイラスト】【音声】が揃っており、語彙学習を多角的にサポートします。
おすすめの使い方:
- クイズ機能でアウトプット練習 → 定着力アップ
- 「接頭辞」で検索して関連語をまとめてチェック
- Listening Modeで耳から単語を復習
語源や接頭辞の知識は、適切なツールを活用すれば、短期間でも効率よく身につけられます。自分に合ったスタイルで学習を進めていきましょう。
まとめ|接頭辞を味方につけて、語彙を"構造的"に広げよう
英単語を「構造」で理解する視点を持つと、学習効率は大きく変わります。
接頭辞は単語の意味を方向づけるパーツであり、その知識があるだけで、見慣れない単語にも推測力を働かせることができます。
また、語源のつながりで単語をグループ化して覚えられるため、丸暗記に頼らず、語彙力を“構造的”に広げられるのが最大の利点です。
難単語への抵抗感が薄れ、学習がラクに、そして楽しくなっていくはずです。
TANZAMアプリでは、語源情報つきの単語情報や例文、クイズ機能などを活用して、こうした語彙の構造理解を日々の学習に取り入れることができます。
接頭辞の知識を実践に活かしながら、効率よく語彙力を高めていきましょう。