「dismiss」の意味・使い方・類義語を例文つきでわかりやすく解説

dismiss は、職場での「解雇」だけでなく、「意見を取り合わず却下する」「授業や会議を解散させる」など、さまざまな場面で使われる便利な動詞だ。
例えば、「She dismissed his concerns as unimportant.」(彼女は彼の懸念を重要でないとして退けた。)のように、単に「拒否する」ではなく「まともに取り合わない」というニュアンスがあるのがポイント。
本記事では、dismiss の意味や使い方、類義語との違いを詳しく解説し、正しく使いこなせるようになるためのヒントを紹介する。
dismiss の意味とニュアンス
dismiss の意味
「dismiss」は 「解雇する」「却下する」「解散させる」 など、何かを終わらせたり無効にしたりする意味を持つ動詞である。
✅ 解雇する(to remove from a job)
企業や組織で従業員を職務から解雇する際に使われる。
- The company dismissed the employee for violating company policies.
(その会社は社内規定違反のため従業員を解雇した。) - She was unfairly dismissed from her job.
(彼女は不当に解雇された。)
✅ 却下する(to reject or disregard)
意見や申し出、証拠などを取り合わず、価値がないものとして退ける意味を持つ。
- The judge dismissed the lawsuit due to lack of evidence.
(裁判官は証拠不十分で訴訟を却下した。) - She dismissed his concerns as unnecessary.
(彼女は彼の懸念を不要として退けた。)
✅ 解散させる(to send away a group)
授業や会議などを正式に終了し、人々を解散させるときに使われる。
- The teacher dismissed the students early today.
(先生は今日は早めに生徒を帰した。) - The coach dismissed the team after the practice.
(コーチは練習後にチームを解散させた。)
dismiss のニュアンス
「dismiss」は「解雇する」「退ける」「却下する」と訳されるが、ネイティブが使うときには 「重要でないものとして扱い、拒否する」 というニュアンスがある。
例えば、"The teacher dismissed the class early."(先生は授業を早く終わらせた。)では、「授業を終えた」という意味だが、「生徒を退けた」「解散させた」というニュアンスも含まれる。
また、"She dismissed his idea as nonsense."(彼女は彼の考えをくだらないと一蹴した。)では、アイデアを「まともに取り合わず却下した」ことを示す。
つまり、「dismiss」は単に「やめる」「解雇する」ではなく、「重要ではないものとして片付ける」「すぐに退ける」 という感覚を持つのがポイント。
dismiss の発音と読み方
発音記号とカタカナ表記
📌 発音記号: [dɪsˈmɪs](ディスミス)
📌 カタカナ表記: 「ディスミス」
発音のコツ
- 「dis-」の部分は短く発音し、「ディーズ」と伸ばさないようにする。
- 「-miss」に強勢(アクセント)を置くが、「ミッス」とは発音せず、「ス」を軽く発音するのが自然。
- 「ス」の部分が強すぎると不自然な発音になるため、軽く流すように発音する。
dismiss の語源
語源
「dismiss」は、ラテン語の dimittere(di-「離れる」+ mittere「送る」)が語源で、「送り出す」「解散させる」といった意味を持つ。
意味の変遷
- ラテン語(dimittere): 「送り出す」「手放す」という意味で使われた。
- 中世フランス語(dismetre): 「解放する」「解散させる」の意味が加わる。
- 英語(dismiss): 現在の「解雇する」「却下する」「解散させる」といった幅広い意味を持つようになる。
例えば、古い英語では「dismiss a servant(召使いを解雇する)」という使い方が一般的だったが、現在では裁判や会議などの場面でも使われるようになった。
関連語とのつながり
- permit(許可する) → mittere(送る)を語源とし、「送り出して許可する」
- transmit(送信する) → trans-(越えて)+ mittere で「伝える、送る」
- submit(提出する、服従する) → sub-(下に)+ mittere で「下に差し出す」
dismiss の覚え方(記憶術)
📖 ストーリー記憶
✅「新人が会議で一生懸命アイデアを提案したが、上司は一言『そんなの現実的じゃない』と笑って却下」
→ 苦労して出した提案が、真剣に取り合われずに即座に dismiss(却下)される場面を想像すると、語感と意味が強く結びつく。
🗣語呂合わせ
✅「ディス(dis)って無視(miss)する」
→ 「相手を軽んじて無視する」「まともに取り合わない」ニュアンスを表現しており、dismiss の意味とぴったり合う。
🖼 イメージ記憶
✅「裁判官が証拠書類を見て、顔も上げずに手でスッと払いのけるシーン」
→ 情報や意見を「価値がない」として即座に退ける動作から、dismiss の「却下」「退ける」意味が視覚的に定着する。
dismiss を使った例文
📌 基本的な例文
✅ The teacher dismissed the class early.
(先生は授業を早く終わらせた。)
✅ The CEO dismissed the idea as unrealistic.
(CEO はそのアイデアを非現実的として却下した。)
✅ The company dismissed him due to repeated violations of company policy.
(会社は彼を度重なる社内規定違反で解雇した。)
✅ The judge dismissed the case for lack of evidence.
(裁判官は証拠不十分で訴訟を却下した。)
✅ She dismissed his concerns without a second thought.
(彼女は彼の懸念を一蹴した。)
📌 よく使われるフレーズ
✅ dismiss a claim(主張を却下する)
The court dismissed the claim due to insufficient proof.
(裁判所は証拠不十分でその主張を却下した。)
✅ dismiss an employee(従業員を解雇する)
The company had to dismiss several employees to cut costs.
(会社はコスト削減のため、数名の従業員を解雇しなければならなかった。)
✅ dismiss an idea(考えを退ける)
He quickly dismissed the idea as impractical.
(彼はその考えを非現実的としてすぐに退けた。)
✅ dismiss a lawsuit(訴訟を却下する)
The judge dismissed the lawsuit for being frivolous.
(裁判官はその訴訟を根拠のないものとして却下した。)
✅ dismiss someone’s concerns(懸念を一蹴する)
The manager dismissed the employees' concerns about the new policy.
(上司は新しい方針についての従業員の懸念を一蹴した。)
dismiss は「解雇」「却下」「解散」など、さまざまな場面で使われるため、フレーズごとに覚えておくとスムーズに使える。
dismiss の類義語と対義語
類義語
dismiss は「解雇する」「却下する」「解散させる」といった意味を持つが、似た意味の単語がいくつか存在する。それぞれ微妙なニュアンスの違いがあるため、適切に使い分けることが重要である。
✅ fire(解雇する)
→ dismiss は「解雇する」意味もあるが、よりフォーマルで、業績不振や組織変更など幅広い理由に使われる。fire は 厳しい処分 という印象があり、特に違反や不祥事による解雇に適している。
- The company fired him for repeatedly violating company rules.
(その会社は彼を度重なる社内規則違反で解雇した。) - She was fired after making a serious mistake at work.
(彼女は仕事で重大なミスを犯した後、解雇された。)
✅ reject(拒絶する・断る)
→ 申し出・提案・要求などを強く拒否するときに使われる。dismiss は「価値がないものとして退ける」ニュアンスを持つが、reject は「明確に拒絶する・断る」意味で、よりはっきりとした拒否の意図を含む。
- He rejected the job offer because the salary was too low.
(彼は給料が低すぎたため、仕事のオファーを断った。) - The proposal was rejected due to insufficient evidence.
(その提案は証拠不十分のため却下された。)
✅ disregard(無視する・軽視する)
→ dismiss は「まともに取り合わず退ける」ニュアンスがあり、軽視はするが完全には無視しない。disregard は、存在すら気にせずに「無視する」という意味で使われる。
- He completely disregarded my advice.
(彼は私の助言を完全に無視した。) - The company disregarded customer complaints.
(その会社は顧客の苦情を軽視した。)
✅ eliminate(排除する・取り除く)
→dismiss は「却下する・解雇する」などの意味を持つが、対象が存在し続ける可能性がある。eliminate は「完全に取り除く」ことを意味し、物理的・概念的なものを削除する ニュアンスがある。
- The company eliminated unnecessary expenses.
(その会社は不要な経費を削減した。) - The virus was successfully eliminated from the system.
(ウイルスはシステムから完全に除去された。)
✅ ignore(無視する)
→dismiss は「軽視して退ける」意味があり、意見やアイデアを「価値がない」として片付けるニュアンスがある。ignore は「何も考えずに無視する」意味で、軽視ではなく単に気にしない状態を指す。
- He ignored my emails.
(彼は私のメールを無視した。) - She ignored his warning and got into trouble.
(彼女は彼の警告を無視して、トラブルに巻き込まれた。)
dismissの対義語
dismiss には「解雇する」「却下する」「解散させる」といった意味があるが、その反対の意味を持つ単語も多く存在する。対義語を理解することで、より適切に使い分けができるようになる。
✅ accept(受け入れる)
→ dismiss が「却下する」「取り合わない」という意味を持つのに対し、accept は「受け入れる」「承認する」ことを意味する。
- The court dismissed the appeal due to lack of evidence.
(裁判所は証拠不十分のため控訴を却下した。) - The court accepted the appeal and reviewed the case.
(裁判所は控訴を受理し、事件を再審した。)
✅ hire(雇用する)
→ dismiss が「解雇する」のに対し、hire は「新しく雇用する」ことを意味する。
- The company dismissed five employees due to restructuring.
(その会社は組織再編のために5人の従業員を解雇した。) - The company hired new employees to expand its business.
(その会社は事業拡大のために新しい従業員を雇った。)
✅ consider(考慮する)
→ dismiss が「取り合わない」「価値がないものとして退ける」のに対し、consider は「検討する」「真剣に考える」ことを意味する。
- She dismissed his suggestion as impractical.
(彼女は彼の提案を非現実的だとして却下した。) - She carefully considered his suggestion before making a decision.
(彼女は決定を下す前に、彼の提案を慎重に検討した。)
純日本人が間違えやすいポイント
dismiss は「解雇する」「却下する」「解散させる」などの意味を持つが、日本人が誤用しやすいポイントがいくつかある。意味や使い方の違いを理解し、正しく使いこなせるようにしよう。
📌dismiss と fire(解雇)のニュアンスの違い
「dismiss」には「解雇する」という意味があるが、「fire」とはニュアンスが異なる。両者は状況によって使い分ける必要がある。
- fire: 仕事上のミスや不祥事など、個人の責任に基づいて解雇する場合に使われる。カジュアルで直接的な表現。
- dismiss: よりフォーマルな表現で、業績不振や組織再編など、個人の責任以外の理由で解雇する場合に使われることが多い。
例:
- The company dismissed several employees due to restructuring.
(会社は組織再編のために数人の従業員を解雇した。) - The manager fired him because he was consistently late.
(上司は彼が常に遅刻していたためにクビにした。)
💡 注意:
「The manager dismissed him because he was late.」という表現も文法的には間違いではないが、文脈によっては不自然に感じられる場合がある。この場合、「fired」を使う方が適切。
📌「dismiss = 却下する」を忘れがち
dismiss には「却下する」「取り合わない」という意味もあるが、日本人はこの用法を忘れがち。「reject」と混同しないよう注意しよう。
-
- reject: 提案や申し出を検討した上で、強く拒否するニュアンス。
- dismiss: 真剣に考える価値がないと判断して却下する、軽視するニュアンス。
例:
- The judge dismissed the case due to lack of evidence.
(裁判官は証拠不十分で訴訟を却下した。) - She dismissed the idea as impractical.
(彼女はその考えを非現実的だとして退けた。)
📌dismiss の発音ミスに注意
日本人がよく間違えるのは、dismiss の発音。
❌ 誤った発音: di-su-misu(カタカナ発音)
⭕ 正しい発音: dɪsˈmɪs(ディスミス)
💡 ポイント:
- 「ディス」にアクセント を置き、「ミス」の部分は軽く発音する。
- 「ミス」を「ミスィ」のように曖昧に発音するとより英語らしくなる。
まとめ
この記事では、dismiss の意味・発音・語源・覚え方・例文・類義語・対義語 について詳しく解説した。最後にポイントをおさらいしよう。
✅ dismiss の意味
「解雇する」「却下する」「解散させる」などの意味を持ち、不要なものを退けるニュアンスがある。
✅ 発音と語源
発音:[dɪsˈmɪs](ディスミス)
語源:ラテン語 dimittere(送り出す)から派生し、「手放す」「解散させる」という意味を持つ。
✅ 覚え方
📖 ストーリー記憶: 「会議で上司が意見を即却下する」→ dismiss = 却下する
🗣 語呂合わせ: 「ディス(dis)って無視(miss)する」→ dismiss = 軽視して退ける
🖼 イメージ記憶: 「裁判官が書類をポンと退ける光景を思い浮かべる」
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