patientを徹底解説|be patientってどんな意味?使い方・発音・覚え方まとめ

英語学習者がよく混乱する単語「patient」。
これは「患者」という名詞だけでなく、「我慢強い」という形容詞としても使われる多義語だ。
「She is patient.(=辛抱強い)」と「She is a patient.(患者)」で意味がまったく違うことからもわかるように、文法や冠詞の有無が理解のカギを握る。
本記事では、patient の意味・発音・語源・使い方・例文を丁寧に解説し、patience との違いも明確に整理する。
混乱しやすいこの単語を、ここで一気にマスターしよう。

patientの意味と使い方
patientの意味
patient は名詞と形容詞の両方で使われる単語であり、それぞれまったく異なる意味を持つ。
名詞では「患者」、形容詞では「我慢強い・辛抱強い」という意味である。
両者は語源的には「苦しみに耐える」という共通点があるが、文脈に応じて正しく使い分ける必要がある。
✅ 名詞:患者(a person receiving medical care)
病院や診療所で診察や治療を受ける人を指す語。医療・看護・保険などの文脈で日常的に使われる。
- The doctor is seeing a patient with a high fever.
(その医師は高熱の患者を診ている。) - Hospitals are trying to improve patient care.
(病院は患者ケアの改善に取り組んでいる。) - She works as a nurse and looks after many patients.
(彼女は看護師として多くの患者の世話をしている。)
✅ 形容詞:辛抱強い、我慢強い(able to stay calm and not get angry, especially when waiting or facing difficulty)
イライラせず冷静に待つ姿勢や困難に耐える精神を表す。「感情を抑えて耐える」ことが強調される。
- You need to be patient with children.
(子どもには我慢強く接する必要がある。) - He waited patiently for his turn.
(彼は自分の番を辛抱強く待った。) - She is very patient and rarely gets upset.
(彼女はとても辛抱強く、めったに怒らない。)
patientの使い方のポイント
📌patientのニュアンス
「patient」が形容詞として使われる場合、「我慢強い」「忍耐強い」と訳される。
ネイティブが使うときには、状況がうまくいかなくても、怒らずにじっと待つ姿勢や性格を表す。単に「待つ」だけでなく、感情を抑えて穏やかに対応する冷静さや度量も含まれている。
ポジティブな性格描写として非常によく使われる単語である。
💡「patient」が 名詞 として使われる場合は、まったく別の意味になるので注意が必要。このときの「patient」は、病気やけがで治療・診察を受けている人=患者を意味する。
📌be patientの意味は?「patient」を使った頻出フレーズを紹介
形容詞「patient」は、「我慢強い」という意味で日常会話やビジネスでよく使われる単語。名詞(patience)の用法も併せて、その使われ方をを押さえておこう。
✅ be patient(我慢する・辛抱強くなる)
「be patient」は、焦らず落ち着いて待つように促したいときに使われる表現で、子どもや部下、イライラしている人への声かけによく使われる。日常会話で非常によく登場する。
- Be patient—it will take some time.
(辛抱して。少し時間がかかるよ。) - You need to be patient with children.
(子どもには忍耐強く接しないとね。)
✅ thank you for your patience(お待たせしてすみません/ご理解ありがとうございます)
この表現は、相手が待ってくれたことに対して丁寧に感謝を伝えるときに使われる。レストランや病院、コールセンター、ビジネスメールなど、フォーマルかつ礼儀正しい表現として非常に便利。
- Thank you for your patience. The issue has now been resolved.
(お待たせしました。問題は解決いたしました。) - We appreciate your patience during this busy time.
(繁忙期の間、ご理解とお待ちいただきありがとうございます。)
✅ lose one's patience(堪忍袋の緒が切れる・我慢できなくなる)
「lose one’s patience」は、長く我慢していたが、ついに怒りや苛立ちが爆発したという状況を描写するときに使う。人間関係や感情の変化を表現する際によく登場する。
- She lost her patience and yelled at her kids.
(彼女は我慢できずに子どもたちに怒鳴った。)
✅ have the patience to do(〜する忍耐力がある)
これは、何か時間や手間のかかることを根気強く最後までやり遂げる能力や性格を評価する際に使う。長期的な努力や集中力を表現するフレーズとして覚えておくと便利。
- He doesn’t have the patience to sit through a long movie.
(彼は長い映画を最後まで観る忍耐力がない。)
patientの発音と読み方
発音記号とカタカナ表記
📌 発音記号:[ˈpeɪ.ʃənt]
📌 カタカナ表記:ペイシェント
発音のコツ
patient は2音節の単語で、第1音節「pa-」にアクセントが置かれる。英語の「-ti-」が [ʃ](シ)と発音されるため、「ペイ・シェント」のような音に聞こえる点が特徴的。
✅ 発音のポイント
- 「pa」は [peɪ] と発音し、「ペイ」のようにしっかり伸ばす(アクセントあり)
- 「tient」は [ʃənt] と発音され、「シェント」に近い音になる
→ 全体として「ペイ・シェント」と2音で滑らかにつなげると英語らしい
✅ よくある間違い
❌ 「パティエント」や「ペイティエント」とスペル通りに読んでしまう
→ 「ti」は「ティ」ではなく「シ」に近い音になることに注意
⭕ 「ペイシェント」と読むことで、正確に意味が伝わる
patientの語源
📌語源
「patient」は、ラテン語の「patiens(耐える)」から派生した言葉で、「patiens」は「patior(耐える、苦しむ)」という動詞の現在分詞形である。
「patior」は、インド・ヨーロッパ祖語の「*peh₂-(苦しむ、耐える)」に由来し、苦しみや痛みを耐え忍ぶという意味が込められている。
📌意味の広がり
「patient」は、もともと「耐えることができる」「忍耐強い」という意味を持っていたが、現代では2つの主要な意味で使用されている。
一つは「病人、患者」として、病気や怪我をしている人を指す意味が広がった。もう一つは「忍耐強い、我慢できる」という性格を表す形容詞の意味で使われるようになった。
どちらの意味も、元々の「耐える」という概念に根ざしている。
patientの覚え方(記憶術)
📖 ストーリー記憶術
✅「病院の待合室で、静かに順番を待つ patient」
体調が悪くても、文句を言わずに待ち続ける姿。それが「patient(患者)」であり「patient(我慢強い)」でもある。
→ 「患者は patience(忍耐)を持つ」→ 2つの意味が一つの場面でつながるストーリー。
🗣 語呂合わせ
✅「ペッ!しんと(静かに)待つ=patient」
→ 怒って“ペッ”と吐き捨てたい気持ちをこらえて、静かに待つ人=我慢強い人。
🖼 イメージ記憶
✅ 診察券を握りしめて待っている人々(患者)
→ 病院で静かに順番を待つ姿を思い浮かべると、「患者=patient」「我慢強い=patient」の両方が感覚的に定着する。
patientを使った例文
patient は、「我慢強い」「辛抱強い」という意味の形容詞と、「患者」という意味の名詞の両方で使われる単語。
以下では、それぞれの用法に分けて代表的な例文を紹介する。
📌 形容詞の用法(我慢強い・辛抱強い)
Please be patient while we fix the issue.
(問題が解決するまで、どうか辛抱してください。)
She is always patient with young children.
(彼女はいつも小さな子どもに対して我慢強い。)
You need to be more patient if you want better results.
(もっと良い結果を望むなら、もっと我慢強くなる必要がある。)
📌 名詞の用法(患者)
The doctor examined several patients this morning.
(その医師は今朝、数人の患者を診察した。)
The hospital provides free treatment for uninsured patients.
(その病院は保険のない患者に無償で治療を提供している。)
Cancer patients often need emotional as well as physical support.
(がん患者は身体的だけでなく精神的な支えも必要とすることが多い。)
patientの類義語と対義語
類義語と使い分けのポイント
名詞の「患者」の類義語
✅ sufferer(病人、苦しんでいる人)
→ 病気や精神的苦痛に苦しむ人を指す。patient よりも「苦しみ」にフォーカスされており、文脈によっては病気以外の意味にも拡張される。
例:She’s a long-term sufferer of migraines.
(彼女は長年片頭痛に悩まされている。)
✅ case(症例、患者)
→ 医学的文脈で、特に記録や議論の対象となる「症例」としての患者を指す。日常的な会話ではなく、医療・研究用語として使われる。
例:The doctor discussed a rare case of leukemia.
(医師は珍しい白血病の症例について話した。)
✅ inpatient / outpatient(入院患者/外来患者)
→ patient の下位分類。hospital に滞在している者(inpatient)と、通院して治療を受ける者(outpatient)を区別する際に使われる。
例:The outpatient department is open on weekdays.
(外来診療科は平日に開いている。)
形容詞の「我慢強い」の類義語
✅ tolerant(寛容な、我慢強い)
→ 他人の違いやミスなどを受け入れる「寛容さ」を表す語。patient は主に「感情の爆発を抑えてじっと耐える様子」にフォーカスされるのに対し、tolerant は「多様性を許容する姿勢」に重点が置かれる。
例:She is very tolerant of other people’s opinions.
(彼女は他人の意見にとても寛容である。)
✅ calm(冷静な、落ち着いた)
→ 怒らず、感情を抑えて静かに対応する様子を指す。patient は「待つ・耐えること」に焦点を当てるが、calm は感情の安定さを強調する。
例:He remained calm under pressure.
(彼はプレッシャーの中でも冷静さを保っていた。)
✅ enduring(耐える、辛抱強い)
→ 長期間にわたる困難に耐える意味で、やや文学的・硬めの語。patient と似ているが、より時間的・精神的な強さを示す。
例:Her enduring spirit inspired everyone.
(彼女の不屈の精神は皆に感動を与えた。)
対義語
名詞「患者」の対義語
✅ healthy person(健康な人)
→ 病気でない人、医療を必要としない状態の人。直接的な1語の対義語はないが、対比のある言い方としてよく使われる。
例:Unlike the patients, healthy people were not isolated.
(患者とは異なり、健康な人々は隔離されなかった。)
形容詞「我慢強い」の意味に対する対義語
✅ impatient(せっかちな、我慢できない)
→ 最も明確な対義語で、「待つことができない」「イライラしやすい」状態を表す。
例:He grew impatient while waiting in line.
(列に並んでいる間に彼はイライラし始めた。)
✅ irritable(怒りっぽい、イライラしやすい)
→ 少しのことで不快感を示す傾向を表す語。patient の「落ち着いて待てる・怒らない」とは反対の性質。
例:She’s been irritable due to lack of sleep.
(睡眠不足のせいで彼女はイライラしている。)
✅ short-tempered(短気な)
→ 怒りっぽく、忍耐力がない性格を示す形容詞。impatient よりも感情的に爆発しやすい印象がある。
例:He’s a short-tempered boss.
(彼は短気な上司だ。)
純日本人が間違えやすいポイント
📌 patient =「患者」だけだと思ってしまう
「patient」は日本語でも「患者」という意味で定着している単語であるが、英語では形容詞として「忍耐強い・我慢強い」という意味でも非常によく使われる。この用法を知らないと、文脈を誤って解釈する恐れがある。
典型的な例として、「She is patient.」と「She is a patient.」の違いを見てみよう。
- She is patient.
→ 形容詞「patient(忍耐強い)」を使った文で、「彼女は忍耐強い人だ」という意味になる。主に性格や態度を表す。 - She is a patient.
→ 名詞「a patient(患者)」を使った文で、「彼女は患者である」という意味になる。冠詞「a」が付いている点が大きなヒントである。
📌「patient」と「patience」の違いに注意
「patient」と「patience」は綴りがよく似ており、どちらも「我慢」に関係する意味を持つが、品詞と使い方には明確な違いがある。以下で整理しておこう。
✅ patient(形容詞):我慢強い・忍耐強い
→ 人の性格や態度を表すときに使う。動詞の「be」や「seem」などとよく組み合わせて使われる。
- She is very patient with children.
(彼女は子どもに対してとても我慢強い) - Please be patient.
(どうか我慢してください)
✅ patience(名詞):忍耐、我慢
→ 状態・性質としての「忍耐心」を表す。不可算名詞で、have / lose / show などと一緒に使うのが一般的。
- Thank you for your patience.
(お待ちいただきありがとうございます) - He has no patience for slow service.
(彼は遅いサービスに我慢できない)
まとめ
この記事では、英単語「patient(患者/我慢強い)」の意味、発音、語源、使い方、覚え方、patienceとの違いについて詳しく解説した。最後にポイントを整理しよう。
✅ patient の意味
名詞では「患者」、形容詞では「我慢強い」。語源は「苦しみに耐える」に由来し、両方の意味に共通する。
✅ 発音と語源
発音:[ˈpeɪ.ʃənt](ペイシェント)
語源:ラテン語「pati(耐える、苦しむ)」から。忍耐や受容の意味を含む。
✅ 覚え方
📖 ストーリー記憶:「病院で静かに順番を待つ patient」
🗣 語呂合わせ:「ペッ!しんと待つ=patient」
🖼 イメージ記憶:「診察券を握りしめてじっと待つ人の姿」
✅ よくある混同
・patient(人・性格を表す形容詞/患者という名詞)
・patience(忍耐力を表す名詞)
→ 品詞と意味の違いを理解して、文法的に正確に使おう。
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