statistics(統計・統計学)の意味・発音・覚え方|statisticとの違いも

英単語 statistics は、「統計」「統計データ」「統計学」などの意味を持つ重要語であり、学術論文から日常会話、ビジネスやスポーツの場面まで幅広く使われている。
しかし、“statistics is” と “statistics are” の使い分けや、「statistic」との違いなど、英語学習者にとって混乱しやすいポイントも多い。
この記事では、statistics の正しい意味、文脈ごとの使い方、発音・語源・覚え方・例文まで詳しく解説する。

statistics の意味
statistics は名詞であり、「統計データ」「統計学」「統計的事実」の3つの意味を持つ単語である。
文脈によって、数値の集まりを指す場合もあれば、学問領域や客観的な根拠として使われることもあり、使い分けが重要である。
✅ 名詞:統計、統計データ(numerical data)
この用法では、調査や観測によって得られた数値情報の集合を指す。常に複数形(statistics)で使われ、報告書やニュースなど、データを根拠に話す場面でよく登場する。
- The statistics show a steady increase in crime rates.
(統計は犯罪率の着実な上昇を示している。) - According to the latest statistics, unemployment has decreased.
(最新の統計によると、失業率は下がっている。)
✅ 名詞:統計学(the science of data analysis)
この用法では、「統計を扱う学問分野」としての意味を持つ。統計の理論や手法、分析の方法を体系的に学ぶ領域であり、不可算名詞(単数扱い)として使われる点に注意。
- Statistics is essential for social science research.
(統計学は社会科学の研究に不可欠である。) - He is majoring in statistics at university.
(彼は大学で統計学を専攻している。)
✅ 名詞:統計的事実、数値による裏付け(statistical facts)
この意味では、調査結果や数値を通して導かれる客観的な傾向や証拠を指す。政策論争や社会問題の分析などで頻繁に使われる。
- The statistics clearly point to a gender pay gap.
(統計は明らかに男女間の賃金格差を示している。) - You need more than opinions—look at the statistics.
(意見だけでは足りない。統計を見てみよう。)
statisticsの使い方のポイント
📌statisticsのニュアンス
「statistics」は「統計」や「統計学」と訳されるが、ネイティブが使う際には、「数値データに基づいて物事の傾向や事実を明らかにする手段」いう意味合いが強い。
たとえば、"The statistics show a rise in unemployment."(統計によると失業率が上昇している)という文では、個人の意見ではなく、客観的な数値から導かれた事実を強調している。
📌statistic と statistics の違いと使い分け
英語学習者が混乱しやすいのが、「statistic」と「statistics」の違い。見た目は似ているが、sの有無によって意味も文法の扱いも異なるので、しっかり整理して理解しておこう。
形 | 意味 | 文法扱い |
statistic | 1つの数値・統計項目 | 可算名詞・単数 |
statistics | 複数の統計データ | 複数扱い |
statistics | 統計学(学問) | 不可算名詞・単数 |
✅ statistic:統計値
statistic は「1つの統計値」「個別の数値項目」を表す可算名詞。
- That statistic surprised me.
(その統計数値には驚いた。) - Each statistic in the report supports our hypothesis.
(報告書の各統計項目が私たちの仮説を裏付けている。)
この場合、「1つひとつの数字」が主役となる。
✅ statistics:統計・統計学
statistics は「統計データ(の集まり)」または「統計学」という学問を指す言葉。文脈によって、複数扱いにも単数扱いにもなるのが特徴。
【統計データ(複数扱い)】
- The statistics show a steady rise in population.
(統計は人口の着実な増加を示している。)
→ 複数のデータ・項目を集めた集合体なので、動詞は show のように複数形になる。
【統計学(単数扱い)】
- Statistics is required for this course.
(この授業には統計学が必修です。)
→ 学問名なので「1つの分野」として is のように単数形の動詞を使う。
📌「statistics」の略語「stats」について
日常会話やカジュアルな文脈では、「statistics」は短くして 「stats」 と言われることが多い。
たとえば、"Check out the game stats!"(試合のスタッツ見てみて!)や、"I’m looking at the stats for my blog."(ブログのアクセス統計を見ている)といった形で使われ、意味は「統計情報」「数値データ」を指す。
この「stats」はもともとアメリカ英語の略語だが、イギリス英語でも広く使われており、特にスポーツや教育、ビジネスの現場で自然な表現として定着している。
ただし、「stats」はカジュアルで略語的な響きが強く、フォーマルな文書や学術論文では使用しないのが一般的。そのため、学校のエッセイやビジネス文書では「statistics」を使う方がふさわしい。
つまり、「statistics」は正式な表現、「stats」は日常的な実用シーン向けと覚えておくと、場面に応じた使い分けがしやすくなる。
statistics の発音と読み方
発音記号とカタカナ表記
📌 発音記号:[stəˈtɪs.tɪks]
📌 カタカナ表記:スタティスティクス
発音のコツ
「statistics」は音節が多く、日本人学習者にとって発音がやや難しい単語のひとつである。正しく発音するためには、アクセントの位置と母音の音に注意することが大切だ。
✅ アクセントの位置
stress(強勢)は2つ目の音節「tɪs」に置かれる。
→ ×「スタティスティクス」全体を平坦に読むのではなく、
→ 〇「スタティスティクス」のように「ティ」にしっかり強勢を置いて発音する。
✅ 音節の分け方
statistics は3音節に分かれ、[stə] - [ˈtɪs] - [tɪks] の順に読む。
最初の「sta-」はあいまい母音(シュワ音)[stə] で弱く発音されるため、「スタ」ではなく「ス(タ)」と軽く発音すると自然な英語になる。
✅ よくある発音ミス
・「statistic(単数形)」と混同しやすいが、「statistics」は語尾に「-s」が付き、[s] 音で終わる点に注意。
・全体をなめらかに読もうとして「スティスティクス」のように早口になりやすいため、音節ごとに区切って練習するのが効果的。
statistics の語源
statistics という単語は、ラテン語 status(状態・立場)を語源としており、もともとは「国家の状況(state of affairs)」を意味していた
この語がドイツ語の Statistik に取り入れられ、18世紀ごろに「国家の人口や経済状況を数値で記録・分析する学問」を指すようになった。
その後、英語に statistics として取り込まれ、「国家に関する数値データの収集と分析」という意味から始まり、次第に学問としての「統計学」や、日常的な「統計データ全般」を指すように意味が広がっていった。
このように、statistics は元々「国家・政府の状態を測る手段」として生まれた言葉であり、現代においても政治・経済・教育・医療など社会のあらゆる分野で使われている。
statistics の覚え方(記憶術)
📖 ストーリー記憶術
✅「調査官が数字の裏にある事実を追う」
調査官が人口や収入、健康などのデータを集め、グラフにまとめながら「この数値の背後に何がある?」と考えていく。
統計(statistics)は、物事の傾向や問題の本質を探るための手段というイメージが残る。
🗣 語呂合わせ
✅「スタッと数字でティク(的)を突く」
「statistics(スタティスティクス)」の響きに合わせ、「データで物事の核心(的)を突く」イメージに変換する。数字で的確に本質を突くのが statistics の役割であると覚えよう。
🖼 イメージ記憶
✅「プレゼンで棒グラフを指しながら話す人物」
スクリーンに映った棒グラフ・円グラフ・折れ線グラフを使いながら「これが今年の売上です」と説明している様子を思い浮かべる。データで説明する行為そのものが statistics のイメージと一致する。
statistics を使った例文
📌 基本的な例文
✅ The statistics show a clear trend in customer behaviour.
(統計は顧客行動の明確な傾向を示している。)
→ データに基づいた分析や傾向を述べる際に使われる表現。
✅ Statistics is essential for analysing big data.
(統計学はビッグデータの分析に不可欠である。)
→ 「統計学」という学問としての使い方。動詞は単数形。
✅ He quoted recent statistics during his presentation.
(彼はプレゼン中に最近の統計データを引用した。)
→ プレゼンやビジネス資料の中で数値を示す場面でよく使われる。
📌 よく使われるフレーズ
✅ according to statistics(統計によると)
According to statistics, the number of remote workers has doubled.
(統計によると、リモートワーカーの数は2倍になっている。)
✅ statistical analysis / data / report(統計分析・データ・報告)
The team conducted a detailed statistical analysis.
(チームは詳細な統計分析を行った。)
✅ collect / interpret / analyse statistics(統計を収集・解釈・分析する)
We collected statistics from over 500 users.
(500人以上のユーザーから統計を収集した。)
✅ misleading / reliable statistics(誤解を招く・信頼性のある統計)
Be careful — these are misleading statistics.
(注意して。この統計は誤解を招く可能性がある。)
このように、statistics は具体的な数値データの集まりとしても、専門的な分析ツールとしても使われる、汎用性の高い語である。
statistics の類義語と使い分けのポイント
statistics は「統計」「統計データ」を意味する語であるが、英語にはそれに近い意味を持つ語が複数存在する。ここでは、data / figure / metric との違いと、それぞれの使い分けを例文付きで解説する。
✅ data(データ、情報)
→ 広義の「データ」全般を指す言葉で、数値以外の情報(テキスト・画像など)も含まれる。統計処理の前段階や、調査結果そのものを表す際によく使われる。
- The data collected from the survey was very detailed.
(そのアンケートで収集されたデータは非常に詳細だった。)
✅ figure(数値、数字)
→ 単体の「数字」や「統計値」を表す。円グラフや表に載る個別の数字として扱われることが多く、statistics の中身の一つ一つに相当する。
- The unemployment figure rose to 6.5%.
(失業率の数値は6.5%に上昇した。)
✅ metric(測定基準、指標)
→ 特定の評価や比較のために用いる「測定基準」。ビジネスやマーケティングの現場で使われることが多く、定量的な成果やパフォーマンスを測るための基準を指す。
- Customer satisfaction is a key performance metric.
(顧客満足度は主要なパフォーマンス指標である。)
💡使い分けのポイント
- statistics:統計処理された数値の集合体。全体の傾向や分析の結果に焦点。
- data:数字だけでなく文章・音声なども含む広い意味の「情報」。
- figure:統計の中の個々の数字や割合など、ピンポイントな数値。
- metric:目標や成果を測るための「定義された数値指標」。ビジネスで頻出。
それぞれの語は意味が重なる部分もあるが、何を強調したいか(全体・情報源・数値・指標)によって使い分けることが重要である。
statistics の対義語
statistics は、客観的な数値データに基づいて事実や傾向を示す言葉である。それに対し、主観的・感覚的な表現は、統計とは対照的なものとして扱われる。
ここでは、代表的な対義的表現として anecdote(逸話) を紹介する。
✅ anecdote(逸話、小話)
→ 個人の体験談やエピソードなど、感覚的・主観的に語られる情報。統計のように多くのデータに基づいた分析ではなく、少数の例をもとに主張や判断がされる点で、非科学的・非体系的という意味で statistics の対極に位置する。
- Don’t base your decisions on anecdotes—look at the statistics.
(決断を逸話に頼らず、統計を見なさい。) - He shared a touching anecdote, but the statistics told a different story.
(彼は感動的な逸話を語ったが、統計は別の現実を示していた。)
純日本人が間違えやすいポイント
statistics は英語学習者にとって見た目や文法の扱いが難しく、いくつかの典型的な誤用が見られる。ここでは特に日本人学習者が混乱しやすいポイントを整理する。
📌 「statistics」 は単数?複数?
statistics は文脈によって 単数扱い(統計学) と 複数扱い(統計データ) の両方で使われる。
❌ 誤用: Statistics is increasing.(統計データが増えている)
→ 意味は「統計データ」なので are を使うのが正解
⭕ 正解: Statistics are increasing.
一方で「統計学」という学問を指す場合は単数扱いとなる。
例: Statistics is an essential subject in social science.
(統計学は社会科学で重要な科目である。)
📌 statistic(統計値)との混同
「statistics」は「統計全体」や「統計学」を表すが、「statistic」は「1つの統計データ(数値)」を意味する可算名詞。
❌ 誤用: This statistics is interesting.
⭕ 正解: This statistic is interesting.
このように、語形は似ていても意味と文法の扱いが異なるため、context(文脈)を見て判断する力が求められる。
まとめ
この記事では、statistics の意味・発音・語源・覚え方・例文・類義語・対義語 について詳しく解説した。最後にポイントをおさらいしよう。
✅ statistics の意味
「統計」「統計データ」「統計学」の3つの意味を持ち、学問・実務の両方で非常に重要な単語。文脈によって単数扱い・複数扱いが変わるのが特徴。
✅ 発音と語源
発音:[stəˈtɪs.tɪks](スタティスティクス)
語源:ラテン語 status(状態)から派生し、もともとは「国の状態を知るためのデータ収集=国勢調査」を意味した。
✅ 覚え方(記憶術)
📖 ストーリー記憶:「調査官が数値の背後の真実を追う」
🗣 語呂合わせ:「スタッと数字でティク(的)を突く」
🖼 イメージ記憶:「プレゼンで棒グラフを指しながら説明する姿」
✅ 例文を作ってみよう!
学んだ単語は実際に使うことで定着する。自分で例文を作ってみよう!
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