【インタビュー】社会人からトロント大学PhDへ!IELTS7.0を3ヶ月で実現した学習法

TOEFLで伸び悩んでいたスコアを、わずか3ヶ月でIELTS7.0へ。
社会人として働きながら海外の博士課程に挑戦し、トロント大学で最先端の研究に取り組む中村悠馬さん。
「英語が苦手だった理系学生」が、どのようにして世界の研究舞台へたどり着いたのか。学び直しのリアルストーリーを伺いました。
英語が苦手だった理系学生が、海外へ挑戦するまで
自己紹介をお願いします。
静岡出身で、東北大学に進学しました。大学時代にシンガポールのサマースクールへ参加したことがきっかけで、海外志向が高まりました。その後、東北大学と清華大学(中国)のダブルマスターディグリープログラムに参加し、3年間で両大学の修士号を取得しました。
修了後はアメリカ南部でリサーチアソシエイトとして約10ヶ月勤務し、帰国後に日本IBMに入社。データサイエンティストとして6年勤め、今年1月にカナダ・トロント大学のPhD課程に進学しました。研究テーマは量子コンピューターを用いた創薬です。現在は家族とともにトロントで生活しています。

キャンパス風景
英語はもともと得意だったのか?
いえ、むしろ苦手でした。中学・高校では理系科目が得意で、英語は「暗記科目」として避けていました。
大学入学後、海外の学生と交流する中で、「英語が苦手でも挑戦していいんだ」と思えるようになりました。
その後、大学の短期留学制度を活用し、シンガポールやオーストラリアのサマースクールに参加しました。そこで、間違えながらも伝わった体験が、英語への苦手意識を変えてくれましたね。
短期留学経験がきっかけで、「もっと広い世界で研究したい」という思いが芽生え、海外の修士課程にも挑戦。
東北大学と中国・清華大学のダブルディグリーを取得し、その後アメリカでリサーチアソシエイトとして研究活動を続けました。

トロント中心部のイベント広場
社会人としていつ英語学習を再開したのか?
将来、海外で博士を取ることを見据えてIBMで働いていました。仕事・自主研究・家庭という3つの重責の中で、再び英語学習に向き合う決断をしたのは、出願のわずか10か月前でした。
「仕事も忙しかったので、勉強できるのは朝か夜だけ。出勤前の30分、オンライン会議の10分前、家族が寝たあとの1時間。すきま時間をいかに積み重ねるかがすべてでした。」
最初はTOEFL対策に集中しましたが、独学で88〜90点台を行き来し、なかなか壁を超えられずにいました。Listening・Readingでは安定していたものの、Speakingではスコアの頭打ちに悩む時期が続きました。
IELTSへの切り替えとIELTS対策について教えてください
IELTSへの切り替えのきっかけは、JASSO奨学金の応募条件が変わったことです。
以前はTOEFL100点またはIELTS7.0が必要でしたが、2023年からTOEFL90点またはIELTS6.5で応募できるようになったんです。
「もしかしたらIELTSの方が自分に合うかもしれない」と思って試しに受けたところ、3ヶ月で7.0を達成できました。
特にリーディングが6.0から8.5へ一気に伸びました。TOEFLで鍛えた読解力がベースになっていたことと、問題形式への慣れが大きかったですね。
IELTSは「成果が出やすい試験」だと感じました。TOEFLで本質的な英語力を養い、その上でIELTSに転向したのが成功の鍵でした。その他、自分の得意な理系トピックが出題されると得点しやすい傾向もありました。
Speaking対策には、オンライン英会話を活用しました。毎日ではなくても、レッスンを続けることで「話すリズム」や「話題展開の型」が自然に身につきました。
そして3か月後、ついに目標スコアIELTS7.0を達成。TOEFLでは届かなかった「壁」を越え、博士課程への切符を掴みました。

ナイアガラの風景_カナダ側
TANZAMの活用方法
英語学習において、最初にぶつかるのが「単語を覚えることのつらさ」。中村さんも例外ではありませんでした。そこで、過去の単語学習経験とTANZAMの活用法を伺いました。
- 利用単語帳:TOEFL Level 2, 3, IELTS Level 3
- 利用期間:約半年
- 利用プラン:無料(ベータ版)
TANZAMに出会った前、どのように単語を学習してきたのか?
昔は単語帳が苦手で、暗記が続きませんでした。高校までは、毎週単語テストがあるため強制的に詰め込みましたが、大学になって強制力がなくなったので、単語帳の最初の5ページを完璧に覚えようとして結構挫折してしまいました。
アメリカ滞在期間中に、知らない単語をGoogle画像検索して直感的に意味をつかんで覚えるという自分なりの方法を見つけたんです。時間はかかるけれど、単語の意味をイメージとセットで理解する感覚が、自分には合っていました。
TANZAMを知ったきっかけは?
TOEFLやIELTS対策のためよく参考にしていたウェブサイト「There is no Magic!!」の記事で、TANZAMが紹介されていたのを見ました。内容を信頼していたサイトだったので、すぐダウンロードしました。
TANZAMを初めて見たとき、「自分の画像検索学習をアプリがやってくれる!」と思いました。まさに、自分のやり方を自動化したような感覚でした。実際に使い始めてみると、その直感は正しかったです。

通学路にある州会議事堂
TANZAMの利用頻度や場面を教えてください
ほぼ毎日開いていましたね。
使うタイミングは、寝る前や会議前10分、喫煙中など。フルリモート勤務だったので通勤がない分、生活の中の「すきま時間」を中心に活用しました。
中村さんにとって特に良かった機能はどれ?
忘却曲線で「忘れた頃に再登場する復習設計」が絶妙でした。一度覚えた単語が、数日後・数週間後にまた出てくる。これが間隔反復(Spaced Repetition)の効果なんですよね。
完璧に覚えようとしすると続かないんです。TANZAMは「今はまだ覚えきれてなくてもいい」と自然に思わせてくれました。
そして、毎日の学習単語のうち、新単語と復習単語の塩梅も良かったです。
あと、画像×例文×音声の組み合わせで定着率が上がりました。リーディングだけでなく、リスニングの練習にも効果がありました。

五大湖からのトロント景観
TANZAMがもたらした変化は?
TANZAMを使ってから、リーディングのスコアが安定し、TOEFLでは常に27点前後を取れるようになりました。
また、スピーキングでも「長く説明する」より「短く正確な単語を選ぶ」方が伝わるようになり、語彙力が武器になったと感じます。
IELTSスピーキングの英会話講師から「語彙力がすごい」と言われたときは、TANZAMの効果を実感しました。
今後TANZAMへの期待は?
まず、GRE単語帳の実装があれば嬉しいです。博士課程の出願準備では、GREの語彙が大きな壁になりますから。
あと、個人的には中国語版TANZAMにも興味があります。HSK5級までは取得しましたが、6級を目指すと語彙が急に難しくなる。英語版のようにイメージで覚えられる中国語アプリがあれば、ぜひ使いたいです。
まとめ:留学志望者・英語学習者の方々へメッセージ
自分より早く結果を出す人を見て、「自分には才能がないのかもしれない」と感じて落ち込む瞬間は誰にでもあります。
でも、努力が報われるタイミングは、人によって本当に違う。だからこそ、焦らずに、ブレずに、自分のペースで淡々と続けることに価値があります。
英語力は「積み上げ型」のスキルです。今日はたった10分でも、半年後には確実に違いが出る。大事なのは「止めない」ことだと思います。
博士課程への挑戦も、子育ても、仕事も——どれも一朝一夕で叶うものではありません。中村さんは、限られた時間の中で少しずつ積み重ねてきたからこそ、今の結果があります。
TANZAMは単語を覚えるためのアプリではなく、夢を追い続けるためのアプリとして、みなさんの挑戦を応援し続けています!
