書いて覚える英単語のコツと落とし穴|効果的な書き方・続け方とは?

「とにかく書いて覚えろ!」
そう言われてノートいっぱいに英単語を書いた経験、あなたにもあるのではないでしょうか?
確かに、“書く”ことには記憶を定着させる効果があります。
手を動かすことで脳が刺激され、スペリングや単語の形が自然と頭に残りやすくなるのは事実です。
でも一方で、
「何回も書いたのに意味が思い出せない」
「ただの作業になって頭に入らない」
と感じたことがある人も少なくありません。
この記事では、
- 書いて覚えることの本当の効果
- 向いている人・向いていない人の特徴
- 書く勉強法の落とし穴と対策
をわかりやすく整理しながら、書く以外の覚え方も含めた効果的な学習法をご紹介します。
英単語を書いて覚えるのは効果ある?|迷っている人へ、まず結論
「英単語って、やっぱり書いた方がいいの?」
「たくさん書いてるのに、なぜか覚えられない…」
こんなふうに悩んだこと、ありませんか?
結論から言うと——「書いて覚える」は、うまく使えば効果のある方法です。
とくに以下のような点で、記憶を助けてくれます。
- 能動的な記憶:手を動かすことで、ただ見るより意識的に覚えやすくなる
- 運動記憶:書く動作そのものが脳に刺激を与え、記憶の助けになる
実際、「書く」ことによって脳の複数の領域が働き、集中力や短期記憶の保持にもプラスに働くことが研究でも示されています。
でもここで注意したいのが、「書けば覚えられるはず」と、書くこと自体が目的になってしまう落とし穴です。
こんな状態になっていませんか?
- 単語の意味をちゃんと理解せず、ただひたすら書いている
- 「書く」が作業化していて、頭が動いていない
- 書いて安心して、復習をサボってしまっている
このような学習では、せっかくの努力が記憶に残りにくいという結果に終わってしまいます。
書いて覚える勉強法が向いている人の特徴
「何度も書いてるのに、なんで覚えられないんだろう?」
「もしかして、自分には“書く勉強”が合ってないのかも…」
そんな風に悩んだことがある人も多いと思います。
実は、“書いて覚える”という勉強法は、人によって向き・不向きがはっきり分かれる学習スタイルです。
うまくハマる人にとっては最強の武器になりますが、合わない人には、ただの作業で終わってしまうことも。
そこでまずは、どんな人が「書く学習」と相性が良いのかを整理してみましょう。
書いて覚えるのが向いている人の特徴
- 書くことで落ち着く・記憶に残る感覚がある人
ノートに手を動かすことで気持ちが落ち着いたり、書いた文字の形で記憶がよみがえる人は、身体の動きと記憶が結びつきやすいタイプです。 - 手を動かすと集中できる人
「黙読だとすぐに気が散るけど、書いていると集中が続く」——そんな人は、書くこと自体が集中スイッチになっている可能性があります。 - 暗記が“視覚”より“身体の動き”に寄っている人
単語カードや動画よりも、ノートに何度も書くことで覚えられるという人は、運動記憶に強みを持つタイプ。このタイプは、書くことで記憶が定着しやすくなります。
「書いても覚えられない…」と感じるときの注意点
反対に、何度も書いているのに一向に覚えられない…という人は、次のような状態に陥っているかもしれません。
- 書くことが目的化していて、意味の理解が伴っていない
- 単語の意味や使い方を考えずに、作業として反復している
- 書いたあとの復習やアウトプットが不足している
この場合は、「書く」が悪いのではなく、そのやり方や使いどころが合っていない可能性があります。
「自分にとって効果があるのかどうか」は、実際にやってみなければ分かりません。
まずは数日間、「意味を意識して書く」「アウトプットを交える」など、工夫しながら試してみてください。
そのうえで、「書くことで覚えやすい」と感じられたら、あなたにとって書く勉強は相性の良い武器になるはずです。
書いて覚える英単語学習のメリットとデメリット
「何度も書いてるのに、なぜか覚えられない…」
「やっぱり書く勉強って、時間のムダ?」
そんな疑問を感じたことがある人は少なくないはず。
たしかに、“書いて覚える”という方法は定番の学習法ですが、「とりあえず書けばいい」では効果が出にくい側面もあります。
一方で、やり方さえ間違えなければ、記憶の定着やスペリング力アップにとても強い武器になるのも事実です。
ここでは、書いて覚える英単語学習のメリットと注意すべきポイントを、具体例とともに整理していきます。
書いて覚えるメリット|ちゃんと効く理由
- 記憶に残りやすい(運動記憶が働く)
手を動かすことで脳の運動野が活性化し、ただ“見る・聞く”よりも記憶が深く残ります。
これは「運動記憶(motor memory)」と呼ばれるもので、身体を使った記憶は意外と長持ちするのが特徴です。 - スペリングに強くなる
実際に書いて確認することで、「なんとなくのスペル」が正確な綴りに変わります。
TOEFL・IELTS・英検などの試験では、ライティングやスペルの正確さが問われるので、書くことでその力が養われます。 - テスト形式への耐性がつく
特に中高生の英語テストや大学受験では「日本語→英語で書け」という出題が多くなります。
書いて覚える練習は、本番のアウトプット形式に直結したトレーニングとして機能します。
書いて覚えるデメリット|落とし穴もある
- 時間がかかる/量をこなせない
書く勉強は「丁寧なぶん、時間がかかる」のがネック。
忙しい人にとっては、学習ペースが落ちる原因になることもあります。
「毎日50単語書いてるのに、全然覚えられない…」という人は、“時間かけすぎ問題”かもしれません。 - 書くだけの“作業”になりやすい
「とりあえず書いてるけど、意味はよく分かってない」という状態に心当たりはありませんか?
これは脳が**「覚える」ではなく「こなす」モード**になっているサイン。
作業的な反復では、学習効果は激減してしまいます。 - 意味の理解がないと、記憶に残らない
単語は単なる日本語訳だけではなく、文脈や使い方を理解してこそ記憶に残ります。
「意味を考えずに100回書いた」より、「1回だけど例文ごと理解して覚えた」ほうが、実はずっと定着率は高いのです。
書いて覚える学習には、たしかに強みがあります。
でも、それは「意味を理解しながら書く」「集中して書く」という前提があってこそ。
漫然と書き続けても、時間とノートだけが消費されることになりかねません。
書いて覚える英単語の効果を最大化するコツ
「英単語は書いて覚える派だけど、正直あんまり覚えられてないかも…」
そんな風に感じているなら、“書き方”にひと工夫を入れてみる価値ありです。
実は、「書く」だけに頼るよりも、いくつかのコツを組み合わせることで記憶効率は何倍にも跳ね上がるんです。
ここでは、書いて覚える派の人こそ知っておきたい「効果を最大化する勉強法」を紹介します。
書くときは「音読」「意味理解」とセットで
黙ってひたすら書き続けるだけだと、脳が飽きてしまって記憶が浅くなりがち。
そこで大事なのが、「書く+声に出す+意味を思い浮かべる」という3セット。
- 書きながら単語を声に出して読む(音読)
- 意味や使う場面をイメージする(意味理解)
この3つを組み合わせると、視覚・聴覚・運動のすべてを使った記憶になって、しっかり定着します。
「ただ書いてるだけより、頭に残りやすくなった!」という実感が出てくるはずです。
例文ごと書いて、文脈で覚える
「believe=信じる」と覚えても、いざ英文で使うと出てこない…。
そんな人には、例文ごと覚える学習が効果的。
たとえば:
- ❌ believe(信じる)だけ書く
- ✅ I believe in myself.(自分を信じている)
このように実際の文脈で単語を見ることで、使い方や語感も一緒にインプットされます。
英作文やスピーキングにもつながるので、一石二鳥です。
白紙テスト式で「思い出す練習」をする
「書いたときは覚えた気がしたのに、翌日にはすっかり忘れていた…」
そんな経験があるなら、“アウトプット”不足かもしれません。
人は、「思い出そうとする過程」で記憶を強化します。
そこで効果的なのが、「白紙テスト」スタイルの自習です。
✏️ 白紙テストのやり方
- 日本語訳だけを見て、英単語を思い出して書く
- 例:「自信」→ ______________(答え:confidence)
- 5問~10問を小テスト形式でノートに書いてみよう。 - 単語を隠して、スペリングを思い出して書く
- 例:「confid○nce?」のように、穴あきで出題してもOK。
- スペルミスしやすい単語ほど定着しやすくなる。 - 音声だけを聞いて、書き取る(ディクテーション風)
- アプリや音声付き教材を使って、「聞く→書く」の順で練習することで、リスニング力も強化。
白紙テストのポイントは、「見ないで思い出す」こと。
自分の記憶を「引き出す」訓練をくり返すことで、自然に英単語が頭に残るようになります。
書いて覚える勉強は、やり方次第で本当に力になります。
でもそれは、「意味を考えながら書く」「音を出す」「文脈に乗せる」「アウトプットする」など、“記憶が動き出す仕掛け”を意識してこそ。
なんとなくノートを埋めるのではなく、ひとつひとつの動作に意味を持たせて、記憶に残る勉強法をつくっていきましょう。
「書くだけ」では限界も。別の覚え方と組み合わせよう
「英単語は書いて覚える」が自分に合っていると感じていても、「書くだけ」では記憶に限界があるのも事実です。
暗記効率を高めるには、複数の記憶ルートを活用した“ハイブリッド学習”が効果的です。
書く+見る+聞くの“3感覚”を使う学習法
英単語は、「目で見て、耳で聞いて、手で書いて」覚えるのが王道です。
脳科学的にも、複数の感覚を同時に使うほど記憶の定着率が高まることが分かっています。
たとえば:
- 単語を書きながら音声を流す
- 単語カードにイラストや写真を添える
- 自分の声を録音して聞き返す
このように、「書く」行為を他の覚え方と掛け合わせることで、記憶に残りやすくなります。
アプリや音声・イラストの活用で効率アップ
最近では、記憶を助ける英単語アプリも進化しています。
- 発音や例文が再生される
- イラストで直感的に意味をイメージできる
- 書かなくてもクイズやタップ操作で記憶を呼び起こせる
こうしたツールを併用することで、「書く」という物理的に時間がかかる方法の負担を減らしながら学習量を増やすことができます。
忘却曲線を意識した“復習リズム”もカギ
覚えた単語も、放っておけば忘れてしまうのが人間の脳です。
だからこそ、効率的に覚えたいなら「いつ復習するか」も非常に重要です。
ポイントは、忘れる直前にもう一度思い出すこと。
これは「忘却曲線」に基づいた科学的な方法で、記憶を長期化する効果があるとされています。
まとめ|「書く」は手段のひとつ。あなたの学習に合った使い方を見つけよう
「英単語は書いて覚えるべき?」
そんな問いに対する答えは、Yesでもあり、Noでもあるのが正直なところです。
書くことで集中できたり、記憶に残りやすかったりする人もいれば、書いてもなかなか覚えられないという人もいます。
だからこそ、「書く」はあくまで学習を助ける手段のひとつとして考えることが大切です。
- 手を動かすことで記憶が定着する
- スペリングが身につく
- テスト形式に慣れる
こうしたメリットがある一方で、「書くだけ」で終わってしまうと、意味理解や長期記憶につながらないリスクも。
書いても覚えられないと感じたときは、「自分に合ったやり方にアップデートするチャンス」と考えてみてください。
もし「書く」だけに限界を感じているなら──
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