deduct(引く)の意味・語源・使い方|類義語subtractとの違いも

deduct イメージ

「差し引く」「控除する」という意味を持ち、特に経理・財務・人事などの業務でよく登場する重要語だ。

たとえば “travel expenses will be deducted from your salary(旅費は給与から差し引かれます)” のように、費用の調整や清算の場面で使われることが多い。

一方で、同じ「引く」でも subtract や reduce との使い分けを誤ると、違和感のある英文になってしまうことも。

この記事では、deduct の正しい意味・使い方・類義語との違いをわかりやすく解説する。正しい使い方をマスターしよう!

  

deductの意味と使い方のポイント

deductの意味

他動詞:差し引く、控除する(to take away an amount or part from a total)

費用・税金・点数などから、一定の金額や割合を「引く」ことを表す。主語には人や制度、計算処理が来ることが多い。

  • The company will deduct tax from your salary.
    (会社は給与から税金を差し引く。)
  • They deducted 10 points for being late.
    (遅刻したために10点が減点された。)
  • Shipping costs will be deducted from your refund.
    (返金額から送料が差し引かれます。)

deductの使い方のポイント

📌deduct の頻出シーン:会計・給与・税金など

"deduct" は、主にお金や計算に関する場面で使われる単語。特に「控除」「差し引く」というニュアンスが必要な以下のような文脈でよく登場する。

✅ 給与・支払い明細に関する会話
Taxes were deducted from his paycheck.
(彼の給料から税金が差し引かれた。)

ビジネス・契約・請求の場面
The company will deduct late fees from your deposit.
(会社は延滞料を保証金から差し引きます。)

✅ 経費精算・控除関連
You can deduct these expenses from your taxable income.
(これらの費用は課税所得から控除できます。)

📌「引く」を意味する deduct と subtract の違い

多くの英語学習者が混乱しやすいのが、「deduct」と「subtract」の違いである。どちらも「引く」という意味を持つが、使われる場面と語感に明確な違いがある。

単語 意味 主な用途 ニュアンスの違い
deduct 差し引く・控除する ビジネス・給与・税金などの実務 制度・ルール・金額処理に基づく「公式な差し引き」
subtract 引く(数学) 算数・数式・理論計算 数学的な「数の引き算」に特化し、日常会話では使われにくい

 

実際の生活やビジネスの中で使うなら「deduct」、算数や公式を解くときには「subtract」と覚えておくと混乱しにくい。

  • The company will deduct 1,000 yen from your salary for insurance.
    (保険料として給与から1000円が控除されます。)
  • If you subtract 3 from 10, you get 7.
    (10から3を引くと7になる。)

 

deductの発音と読み方

発音記号とカタカナ表記

📌 発音記号:[dɪˈdʌkt]
📌 カタカナ表記:ディダクト

発音のコツ

deduct は2音節の動詞で、第2音節「-duct」にアクセントが置かれる。最初の「de-」は軽く、「ディ」のように発音され、「-duct」の部分をやや強めに「ダクト」と読むのが英語らしい。

  • 「de」は [dɪ] で「ディ」と短く軽く発音(無強勢)
  • 「duct」は [dʌkt] で「ダクト」と明瞭に発音(アクセントあり)

よくある間違い

❌ 「デダクト」と濁らせすぎたり、「ディーダクト」と伸ばしすぎたりする
→ 英語では「de-」が弱く、スムーズにつなげるのがポイント

⭕ 「ディ・ダクト」と2音節で区切りよく発音すると正しく通じる

 

deductの語源

語源

「deduct」は、ラテン語の "deducere"(引き下げる、減じる)に由来する。この "deducere" は以下の2つの要素から成り立っている。

• de-(下に、離れて)
• ducere(導く、引く)

つまり、「下へ導く」「引き下げる」という意味がもともとの意味である。このイメージから英語では「差し引く」「控除する」といった意味に発展した。

同じ語源(ducere=導く)を持つ関連語

「deduct」を覚えるときは、「ducere(導く)」という共通の語源を持つ単語も一緒に覚えると効果的である。これらの単語は「どの方向に導くか」で意味が変わるので、接頭辞(de-, con-, pro-, intro-, e-)に注目すると理解が深まる。

単語 意味 語源の構造 イメージ
deduct 控除する、差し引く de-(下に)+ducere(導く) 下へ引く(=差し引く)
conduct 案内する、行う、指揮する con-(共に)+ducere(導く) 一緒に導く(=案内・指揮)
produce 生産する、産出する pro-(前に)+ducere(導く) 前へ導く(=生み出す)
introduce 紹介する intro-(内に)+ducere(導く) 内側に導く(=紹介)
educate 教育する e-(外に)+ducere(導く) 外へ導き出す(=教育する)

 

deductの覚え方(記憶術)

📖 ストーリー記憶術

「給料から税金が deduct されてた…!」
給料明細を見ると、思ったより手取りが少ない。よく見ると「Tax deducted」の文字が…。
→ 何かが“引かれて減った”という体験と結びつけることで、「deduct=差し引く」という意味が定着する。

🗣 語呂合わせ

✅「出た!ドカッと(deduct)引かれてる!」
→ 明細や通帳を見た瞬間に「ドカッと引かれてる!」と驚くイメージ。「差し引く」という意味に直感的に結びつく。

🖼 イメージ記憶

給料明細やレシートに記載された「deducted amount(差し引かれた金額)」の表記
→ 差し引かれた項目が「▲(マイナス)」で表示されている様子を思い浮かべると、「deduct=控除・引かれる」の意味が視覚的に定着する。

 

deductを使った例文

deduct は「差し引く」「控除する」という意味の他動詞であり、金額・税金・点数・費用などを引く場面でよく使われる。日常会話よりも、ビジネス・経理・税務の文脈で頻出する語である。

📌 基本的な例文(差し引く・控除する)

They deducted the shipping fee from the total price.
(送料は合計金額から差し引かれた。)

You can deduct these expenses from your taxable income.
(これらの費用は課税所得から控除できます。)

Ten points will be deducted for each wrong answer.
(間違った答えごとに10点が減点されます。)

📌 よく使われるフレーズ・コロケーション

✅ deduct tax(税金を控除する)
Employers are required to deduct tax from salaries.
(雇用主は給料から税金を控除する義務がある。)

✅ deduct expenses(経費を差し引く)
You may deduct business expenses when filing your taxes.
(確定申告時に事業経費を差し引くことができます。)

✅ deduct points(点数を引く)
Points will be deducted for late submissions.
(提出が遅れた場合は点数が引かれます。)

📌 よく使われる文法パターン

✅ deduct A from B(BからAを差し引く)
The bank automatically deducts the fee from your account.
(その手数料は銀行口座から自動的に差し引かれます。)

✅ be deducted from〜(〜から控除される)
The cost of the meal was deducted from my paycheck.
(食事代は私の給料から差し引かれた。)

✅ allow someone to deduct〜(〜を控除できるようにする)
The system allows users to deduct eligible medical expenses.
(この制度では対象となる医療費を控除することができる。)

 

deductの類義語と対義語

類義語と使い分けのポイント

deduct は、「金額・点数などをあらかじめ決められた方式で差し引く」ことを意味するフォーマルな動詞であり、会計・税務・経費計算などの場面でよく使われる。類義語には「引く」動作を表す語が複数存在するが、それぞれの語には適した使い方とニュアンスの違いがある。

subtract(引く、差し引く)
→ 数学的な「引き算」や単純な数値の減少に使われる最も基本的な語。deduct は会計や公式な文脈で使われるのに対し、subtract は学校教育や日常の計算で使われることが多い。

例:If you subtract 5 from 10, you get 5.
(10から5を引くと5になる。)

✅ withdraw(引き出す、取り下げる)
→ 銀行口座からの現金の引き出しや、申し込み・発言などを「引っ込める」ことを意味する。deduct はあくまで「控除」であり、withdraw は「物理的に外へ取り出す」動きに重点がある。

例:She withdrew $100 from her savings account.
(彼女は貯金口座から100ドル引き出した。)

✅ remove(取り除く)
→ 一般的に「何かを取り去る」ことを指し、deduct よりも物理的・視覚的なニュアンスが強い。料金や点数に対しては通常使わない。

例:He removed the sticker from the book.
(彼は本からステッカーを剥がした。)

✅ take off(差し引く、取り除く)
→ 口語的な表現で、「料金・重さなどを引く」意味を持つ。deduct の堅さに対し、take off は日常会話で使いやすいくだけた表現。

例:They took 10% off the total price.
(合計金額から10%引かれた。)

✅ discount(値引きする)
→ 商品やサービスに対して「値引き・割引する」意味で使われる語。deduct が税務・経費など公式処理に使われるのに対し、discount は消費者向け取引に限定される。

例:This item is discounted by 20%.
(この商品は20%割引されている。)

deductの対義語

deduct の対義語は、「追加する」「加える」など、数量や金額を増やす動作を表す語になる。

add(加える)
→ subtract の対義語であり、最も基本的な「足し算」の語。deduct の計算的な意味と対照的に使われる。

例:Add the delivery fee to the total amount.
(配送料を合計金額に加えてください。)

✅ include(含める)
→ 「〜を含んで計算に入れる」ことを意味する。deduct が「除外・控除」することに対し、include は「取り込む・加える」側の動作。

例:Tax is included in the price.
(税金は価格に含まれている。)

✅ reimburse(返金する、払い戻す)
→ 経費などで先に支払ったものに対して「あとで返金する」という動作。deduct が差し引くのに対し、reimburse は金銭的に補填する意味で逆方向。

例:You will be reimbursed for travel expenses.
(交通費は返金されます。)

 

純日本人が間違えやすいポイント

📌 deduct を「自動詞」だと誤解してしまう

deduct は 他動詞 であり、目的語を必ず必要とする。「〜を差し引かれる」と言いたくても、主語に人を置いてそのまま使うと文法的に不自然になる。

❌ 誤用:My salary deducted for taxes.
⭕ 正解:They deducted taxes from my salary.
⭕ 正解:Taxes were deducted from my salary.(受動態)

💡主語と目的語の関係に注意。「誰が何を差し引いたのか」を明確にする必要がある。

📌 deduct は「引く」でも、物理的な距離や空間には使えない

→ deduct は「金額・点数・費用・数量」などの抽象的な数値に対して使う語であり、空間的な「距離を引く」や「人を引き離す」などの文脈では使えない。

❌ 誤用:We deducted the chairs from the stage.(椅子をどかす、という意味にはならない)
⭕ 正解:We removed the chairs from the stage.
⭕ 正解:We deducted 5 points for a late submission.(遅れて提出したので5点を差し引いた)

 

まとめ

この記事では、英単語「deduct(差し引く・控除する)」の意味、発音、語源、使い方、覚え方、subtract との違いについて詳しく解説した。最後にポイントを整理しよう。

deduct の意味
他動詞で「差し引く」「控除する」という意味を持ち、主に会計・税務・点数計算などで使われるフォーマルな語である。

発音と語源
発音:[dɪˈdʌkt](ディダクト)
語源:ラテン語 "deducere"(下に導く)から派生。「下へ引く」というイメージから「差し引く」の意味へ発展。

✅ 覚え方
📖 ストーリー記憶:「給料から tax が deduct されていた!」
🗣 語呂合わせ:「出た!ドカッと(deduct)引かれてる!」
🖼 イメージ記憶:レシートや給与明細の「deducted amount(差し引かれた額)」の表示

✅ 例文を作ってみよう!
学んだ単語は 実際に使うことが大切!自分で例文を作ってみよう。

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