「abhor」の意味・使い方・例文|「hate」との違いも解説

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「嫌い」という英単語はたくさんあるが、abhor は特に強い意味を持つ。

「ちょっと嫌だな」というレベルではなく、「道徳的・本能的に受け入れがたいほど嫌悪する」感情を表す単語だ。

例えば、「暴力」「不正」「差別」など、倫理的に許せないものに対して使われることが多い。

また、日常会話ではあまり使われず、フォーマルな文章やスピーチで見かける単語である。

本記事では、abhor の意味、発音、類義語との違い、正しい使い方について詳しく解説する。

  

abhor の意味と使い方

abhor の基本情報

項目 内容
英語表記 abhor
品詞 動詞(他動詞)
発音記号 /əbˈhɔːr/(アメリカ: アブホーr)

/əbˈhɔː/(イギリス: アブホー)

カタカナ表記 アブホー または アブハー
英英定義 to hate something, especially for moral reasons
日本語の意味 ひどく嫌う、忌み嫌う(特に道徳的・倫理的に許せないものに対して)
使用シーン 差別・暴力・不正など倫理的に拒絶すべき対象への強い嫌悪を表すフォーマルな場面
よく使う語句 abhor violence, abhor discrimination, abhor injustice, abhor cruelty
類義語 hate, detest, loathe, dislike
対義語 adore, cherish, love, admire
語源 ラテン語 abhorrere(震えて遠ざかる)

ab-(離れて)+ horrere(震える)

派生語 abhorred(過去形)、abhorring(現在分詞)、abhorrence(名詞:嫌悪)、abhorrent(形容詞:忌まわしい)

 

基本の意味

動詞: ひどく嫌う、忌み嫌う(to hate something intensely)
「abhor」は、単なる嫌悪ではなく、倫理的・道徳的に許せないものに対する強い拒絶感を示す単語です。

例文

  • He abhors violence.
    (彼は暴力をひどく嫌っている。)
  • Many people abhor discrimination.
    (多くの人が差別を嫌悪している。)
  • She abhors lying and always tells the truth.
    (彼女は嘘をつくことを忌み嫌い、常に真実を語る。)

📌 abhor は書き言葉・フォーマルな場面で使われる

「abhor」は会話で使うとやや堅苦しく聞こえるため、日常会話では 「hate」「can't stand」 を使う方が自然。
✖ I abhor cold weather.(不自然)
〇 I hate cold weather.(自然)

単語のニュアンスと使い方のポイント

英単語 意味 主な使用場面
abhor 道徳的に許せないほど嫌う 文章・スピーチ・倫理的な問題
hate 一般的に嫌う 感情的な嫌悪(食べ物・天気など)
detest 強く嫌悪する 個人的な強い反感(習慣・行動など)
loathe 本能的に受け付けない 食べ物・匂い・人の行動など

このように、「abhor」は 「倫理的に許せない」「本能的に拒絶する」 という意味を持つため、単なる「嫌い」という感情よりも強い意味を持つことを意識しよう。

 

abhor の発音と読み方

📌 発音記号: [əbˈhɔːr](アメリカ) / [əbˈhɔː](イギリス)
📌 カタカナ表記: 「アブホー」または「アブハー」

発音のコツ

  • 「ə(ア)」は弱く発音し、「ア」ではなく「ァ」に近い音にする。
  • 「bhɔːr(ホー)」の部分に アクセント を置く。
  • 「r」はアメリカ英語ではしっかり巻き舌にし、イギリス英語ではほぼ発音しない。

🎙 発音を分解すると…
→ 「ァ」+「ブホー(またはハー)」

アメリカ英語とイギリス英語の違い

  • アメリカ英語: 「アブホーr(rを強調)」
  • イギリス英語: 「アブホー(rを発音しない)」

日常会話で使うことは少ないが、スピーチや文章で使用されることが多い単語のため、発音も意識しておくとよい。

 

abhor の語源

語源

ラテン語「abhorrere」(身をすくめて避ける、ひどく嫌う) から派生

語の成り立ち

  • ab-(離れて) + horrere(震える・身をすくめる)
    → 「嫌悪のあまり身を引く」という意味が元になっている。

語源から考える覚え方

  • abhor =「生理的に受け付けず、距離を取りたくなるほど嫌う」
    → 「道徳的・本能的に許せない」「嫌悪のあまり震える」というイメージを持つと記憶しやすい。

このように、「abhor」は単なる「嫌い」ではなく、「耐えられないほど嫌う」「本能的に拒否する」というニュアンスを含んでいることを意識すると、適切に使いこなせるようになる。

 

abhor の覚え方(記憶術)

📖 ストーリー記憶術

「ゴキブリを見た瞬間、身をすくめて嫌悪する」
→ abhor は「嫌悪のあまり身を引く」という語源を持つため、 本能的に受け付けないものを見たときの反応 を思い浮かべると覚えやすい。

🗣 語呂合わせ

「アブ(ab)ホラー(hor)映画は大嫌い!」
→ abhor の「hor」を「ホラー」と関連付けて、「ホラー映画が大嫌いな人が abhor を使う」と考えると記憶に残りやすい。

「アブ(ab)ホール(hor)には入りたくない!」
→ 「嫌悪感のある場所(ホール)には入りたくない」というイメージで覚える。

🖼 イメージ記憶

「腐った食べ物のにおいを嗅いで顔をしかめる」
→ 「生理的に受け付けず、即座に避けたくなる状況」を想像すると、abhor のニュアンスが自然に定着する。

 

abhor を使った例文

📌 基本的な例文

She abhors violence in any form.
(彼女はどんな形であれ暴力をひどく嫌悪している。)

Many people abhor discrimination and prejudice.
(多くの人が差別や偏見をひどく嫌っている。)

📌 専門的な表現

abhor injustice(不正を嫌悪する)
例: He abhors injustice and fights for human rights.
(彼は不正を嫌い、人権のために戦っている。)

abhor cruelty(残虐行為を嫌悪する)
例: Animal rights activists abhor cruelty towards animals.
(動物愛護活動家たちは動物への残虐行為を嫌悪している。)

📌 よく使われる熟語・フレーズ

abhor the very idea of ~(~という考えそのものを嫌悪する)
例: She abhors the very idea of lying.
(彼女は嘘をつくという考えそのものを嫌っている。)

be abhorred by ~(~に嫌悪される)
例: The dictator was abhorred by the citizens.
(その独裁者は国民に嫌われていた。)

このように、abhor は 「耐えられないほど強い嫌悪感」 を表す際に使われる。

一般的な「嫌い(dislike)」よりも感情の強さが大きい点に注意して、適切に使い分けよう。

 

abhor の類義語・対義語と使い分けのポイント

類義語一覧

abhor は「心の底から強く嫌悪する」ことを意味し、日常的な「嫌い(dislike)」よりも 感情の強さが圧倒的に大きい。

以下の類義語と比較して、適切な場面で使い分けよう。

dislike(嫌う・好まない)
→ 一般的な「嫌い」という意味で、強い感情を含まない。
例: I dislike spicy food.
(私は辛い食べ物が好きではない。)

hate(憎む・ひどく嫌う)
→ abhor よりも使用頻度が高く、日常会話でもよく使われる。嫌いな感情は強いが、「嫌悪」というほどではない。
例: She hates waking up early.
(彼女は早起きが大嫌いだ。)

detest(憎悪する・激しく嫌う)
→ abhor に近い強い嫌悪感を表すが、ややカジュアルな表現。
例: He detests dishonesty.
(彼は不誠実さをひどく嫌っている。)

loathe(強く嫌う・忌み嫌う)
→ abhor と同様に「生理的に無理」「存在そのものを受け付けない」レベルの嫌悪を表す。
例: She loathes cheating in sports.
(彼女はスポーツでの不正行為をひどく嫌悪している。)

使い分けのポイント

  • abhor倫理的・道徳的に許容できないものへの強い嫌悪感 を表す。
  • hate は日常的な「大嫌い」という意味で幅広く使える。
  • detest はカジュアルな会話で「嫌い」を強調する際に適している。
  • loathe は「生理的に受け付けない」というニュアンスが強い。

 

対義語一覧

abhor は「強く嫌悪する」意味を持つため、その対義語は「強く好む・愛する」ことを表す単語となる。

adore(敬愛する・熱愛する)
→ 強く好意を持ち、愛情を抱くことを表す。
例: She adores her grandmother.
(彼女は祖母をとても愛している。)

cherish(大切にする・慈しむ)
→ 何かを心から大切にし、深い愛着を持つことを表す。
例: He cherishes his childhood memories.
(彼は子供の頃の思い出を大切にしている。)

love(愛する・好き)
→ 最も一般的な「愛する」「好き」の表現で、幅広い対象に使える。
例: I love reading books.
(私は本を読むのが大好きだ。)

admire(称賛する・敬愛する)
→ 尊敬や憧れの気持ちを持つことを表す。
例: I admire his dedication to work.
(私は彼の仕事への献身を尊敬している。)

 

 使い分けのポイント

  • abhor ↔ adore → 嫌悪の対象 vs 熱烈な愛情
  • abhor ↔ cherish → 忌み嫌う vs 大切にする
  • abhor ↔ love → 強い嫌悪感 vs 強い好意
  • abhor ↔ admire → 道徳的に許せない vs 尊敬する

このように、abhor は「耐えがたいほど嫌悪する」ことを意味し、対義語は「深く好む・愛する」ことを表す単語になる。場面に応じて適切に使い分けよう。

 

純日本人が間違えやすいポイント

英単語 abhor は「嫌悪する」という意味を持つが、日本人学習者にとっていくつかの間違えやすいポイントがある。

ここでは、特に混同しやすい点を整理し、正しい使い方を解説する。

① hate との違い:日常的な「嫌い」と強烈な「嫌悪」

日本語では「嫌い」という言葉で一括りにされることが多いが、英語では hateabhor では強さが大きく異なる。

hate は日常的な「大嫌い」を指し、好き嫌いの範囲で使える。
例: I hate getting up early.
(私は早起きが大嫌いだ。)

abhor は倫理的・道徳的に許せないことに対して使われる。
例: She abhors violence.
(彼女は暴力を強く嫌悪している。)

💡 hate はカジュアルな場面でも使えるが、abhor は非常にフォーマルで書き言葉寄りの単語であるため、日常会話ではほとんど使われない。

② abhor の使い方:目的語は「行為」や「概念」が多い

abhor は「嫌悪する対象」が具体的な物ではなく、行為や概念(violence, injustice, corruption など) であることが多い。

❌ 誤: She abhors her neighbor.
(彼女は隣人を嫌悪している。)

✅ 正: She abhors dishonesty.
(彼女は不誠実さを強く嫌っている。)

💡 人を直接目的語にするのは不自然なので、「その人の行為や性質」に言及するようにしよう。

③ loathe との混同:「生理的に無理」と「倫理的な嫌悪」

abhorloathe はどちらも「強い嫌悪」を示すが、ニュアンスが異なる。

abhor → 「倫理的に受け入れがたいもの」
例: He abhors racism.
(彼は人種差別を嫌悪している。)

loathe → 「生理的に無理」「本能的に避けたいもの」
例: She loathes seafood.
(彼女はシーフードが大嫌いだ。)

💡 loathe は食べ物や行動(waking up early など)に対してよく使われるが、abhor は道徳的な問題に対して使うことが多い。

④ abhor の発音ミス:h を発音しない

日本人学習者が abhor を発音する際、"h" の音を入れないことが多いが、これは誤りである。

❌ 誤: アボー
✅ 正: アブホー(/æbˈhɔːr/)

💡 "h" の音をしっかり発音することで、より自然な英語に聞こえる。

このように、abhor は「強い嫌悪感」を示すフォーマルな単語であり、hateloathe との違いを意識することが重要である。

また、対象となるのは「行為」や「概念」が多く、日常会話ではあまり使われないため、適切な場面で使い分けるようにしよう。

 

まとめ

この記事では、abhor の意味・発音・語源・覚え方・例文・類義語・対義語について詳しく解説した。最後にポイントをおさらいしよう。

abhor の意味
「強い嫌悪感を抱く」「道徳的に受け入れがたいと感じる」という意味を持つフォーマルな単語。

発音と語源

  • 発音: [əbˈhɔːr](アブホー)
  • 語源: ラテン語 abhorrere(遠ざける、身を引く)に由来し、「嫌悪して避ける」というニュアンスがある。

覚え方
📖 ストーリー記憶: 「不正や差別を目の当たりにして嫌悪感を抱く場面を想像する」
🗣 語呂合わせ: 「アブ(ab)ないほど嫌いでホー(hor)っとする」
🖼 イメージ記憶: 「汚れた食べ物を見て本能的に拒絶するイメージ」

例文を作ってみよう!
学んだ単語は実際に使うことが大切! 自分で例文を作って、しっかり定着させよう。

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