ノートで覚える英単語|書き方と記憶定着の関係とは

「ちゃんとノートに書いてるのに、なぜか全然覚えられない…」
そんな経験、ありませんか?
一生懸命に手を動かして書いたのに、いざテストや英会話の場になると単語が出てこない。
この“努力が報われない感覚”は、多くの英語学習者が一度は通る道です。
でも実は、「ノートを取る=記憶に残る」とは限りません。
むしろ、書き方や整理の仕方を少し変えるだけで、記憶の残り方は劇的に変わることがあります。
このページでは、英単語を効率よく覚えるためのノート術をわかりやすく紹介します。
記憶に残りやすくなる“書き方のコツ”や、よくある失敗とその改善例、学年別のノート活用法まで、すぐに実践できるアイデアを詰め込みました。
ノートで英単語を覚えるのはなぜ効果的?【記憶のメカニズム】
「ちゃんとノートに書いてるのに、ぜんぜん覚えられない…」
そんな悩み、あなただけではありません。
でも実は、“書くこと”そのものには、記憶に深く関わる科学的な理由があるのです。
「書くこと」で記憶に定着
脳は「受け取った情報」よりも「自分でつくり出した情報」をよく覚えます。
これを心理学では生成効果(generation effect)と呼びます。
たとえば単語を、
- 眺めるだけ
- 先生のあとに繰り返すだけ
ではなく、
- スペルを思い出しながら書く
- 意味や例文を自分の言葉で書いてみる
といった“自分で取り出して表現する”作業を加えることで、記憶の定着力が大きく高まるのです。
「書く+見る」で記憶の回路を強化
ノートに単語を書くとき、目と手を同時に使いますよね。
このように複数の感覚(モダリティ)を同時に働かせる学習は、脳内により強固な記憶ネットワークをつくります。
これが「マルチモーダル記憶」と呼ばれる仕組みです。
さらに、
- 色ペンで意味を強調する(視覚強化)
- 書きながら発音をつぶやく(聴覚と運動の併用)
などの工夫で、より多くの脳の領域を活性化できます。
「書く」は記憶行動の中でも特に能動的
単語学習には「見る・聞く・読む・書く・話す」といった複数の行動がありますが、
この中でも“書く”は最も能動的で深い処理が必要な行為といわれています。
- スペルを思い出す
- 意味を整理する
- 文脈に合う例文を考える
というように、“ただ写す”だけではない作業が自然に発生するため、脳が深く関与し、記憶に残りやすいのです。
書くという行為は「ただの作業」ではありません。
書きながら考える、書きながら覚える――そのプロセスが記憶のカギなのです。
ノートを上手に活用すれば、あなたの英単語学習はもっと効率的になります。
次はその「書き方のコツ」を紹介していきましょう。
おすすめの英単語ノートの作り方・書き方
「書いたけど見返す気が起きない」「ノートがごちゃごちゃして復習しづらい」
そんな悩みは、“ちょっとした設計”で解決できます。
英単語ノートは「見やすさ」「繰り返しやすさ」「文脈と一緒に覚えること」の3点を意識するだけで、記憶への定着率が大きく変わります。
【基本の構成】覚えやすく、見返しやすいノートレイアウト
以下は、効果的な単語ノートの典型的なレイアウトです:
左側(インプット) | 右側(アウトプット) | 下部(補足・深掘り) |
単語・発音記号 | 意味・例文(できれば英文) | 語源、類義語、派生語、自分の気づきなど |
このような3ブロック構成にすることで、「1ページ=1ユニット」として復習がしやすくなります。
【色分けルール】整理しながら記憶に残す
視覚的な整理には色分けが効果的です。たとえば:
- 赤:動詞
- 青:形容詞
- 緑:名詞
- オレンジ:重要語彙やTOEFL/英検頻出語
毎回同じルールで色分けすると、ノートを開いた瞬間にパターンが見えてくるようになり、記憶のフックにもなります。
【具体例】1ページに5語、例文つきで「構造を揃える」
🔹単語:transport
🔸発音:/ˈtrænspɔːrt/
🔹意味:輸送する、運ぶ
🔸例文:The goods were transported by truck.
📝補足:trans(超えて)+ port(運ぶ)
このようにフォーマットを統一することで、復習のときも迷わず目が情報を拾えるようになります。
【応用ポイント】「書く」だけでなく「使う」工夫も
- 学んだ単語を使って短い日記を書いてみる
- テスト形式で空欄補充や和訳問題をつくってみる
- 2日後・1週間後に同じページを「見ずに再現」する練習を入れる
これらのプロセスを通して、“覚えるノート”から“使えるノート”へと進化させることができます。
中学生・高校生・大学生向けノート術アイデア
英単語ノートの作り方は、学ぶ目的や段階によって最適な方法が変わってきます。
今の自分に合ったやり方を選ぶことが、覚えるうえでとても大切です。
中学生:楽しく覚える工夫を
英検や定期テスト対策がメインになる中学生の場合、「意味+読み方」を中心に、まずは単語そのものに親しむことが大切です。
イラストを描いて印象づけたり、カラーペンで「音の似ている単語」を目立たせたりするのも効果的。
ページの端に復習チェック欄をつくると、繰り返しやすくなります。
ノート例:
単語 | 発音(カタカナ) | 意味 | 絵・色・チェック欄 |
apple | アップル | りんご | 🍎の絵+7/21✓ |
run | ラン | はしる | 青ペンで囲み+7/21✓ |
blue | ブルー | 青い | 色ペンで「青」で書く+チェック欄あり |
book | ブック | 本 | 本のイラスト+「読み終えた日」記入欄 |
happy | ハッピー | うれしい | ニコニコマーク😊+緑枠で囲む |
高校生:入試に向けて情報を整理
大学受験や英検準2級〜2級を目指す高校生には、単語の意味だけでなく、品詞・例文・語法まで含めた情報整理が重要になります。
1語ごとにまとまった構造を決め(例:左に単語と品詞、右に意味と例文)、色分けやページ番号付きの目次をつけておくと、見返しやすく記憶にも残りやすくなります。
ノート例:
appreciate(v)
意味:感謝する、真価を認める
例文:I appreciate your help.
品詞:動詞 色:🔴(赤で囲む)
語法:appreciate + 名詞(人ではなく行為)
obvious(adj)
意味:明らかな
例文:It’s obvious that he is lying.
品詞:形容詞 色:🔵(青で囲む)
大学生:目的別のノートで効率的に
TOEIC対策や留学準備、語彙強化を目指す大学生なら、単語を分野別に分類して記録するのがおすすめです。
たとえば「ビジネス英語」「アカデミック英語」などジャンルごとにノートを分けておくと、文脈ごとの語彙力が育ちます。
さらに、覚えた単語を使って自分で例文を書いてみる/小テスト形式にしてみることで、アウトプットにもつながりやすくなります。
ノート例:
revenue(n)
意味:収益
例文:The company reported high revenue this quarter.
関連語:profit(利益)/income(所得)
応用:What affects revenue in a startup?
📝 Test Yourself
・revenue = ______
・The company reported high _____.
今のあなたにぴったりのノートの使い方は、きっとどこかにあります。
「覚えられない…」と感じたら、やり方を変えるサインかもしれません。
無理に頑張り続けるのではなく、工夫して変えること。
それが記憶の定着につながる、一番の近道です。
単語ノートの活用法まとめ|覚えるための5ステップ
単語ノートは「書くだけ」で終わらせると、記憶はなかなか定着しません。
大切なのは、書く前〜書いた後の“復習サイクル”までを一つの流れとして設計することです。
書く前に発音をチェック
ノートに書き始める前に、その単語の正しい発音を音声で確認しておきましょう。
耳から入った音のイメージを持った状態で書くことで、聴覚と視覚の記憶がリンクし、記憶のフックが増えます。
▶︎ やること
書き始める前に、オンライン辞書やTANZAMなどのアプリでネイティブの発音を聞く。
▶︎ 具体例
- 発音記号:/əˈtɛnʃ(ə)n/(attention)
- アプリで再生しながら「アテンション」と声に出して真似する。
▶︎ ポイント
音をイメージしてから書くことで、「耳」「目」「口」を使ったマルチモーダル記憶が働く。
意味+品詞+例文まで書く
単語・意味だけでなく、品詞(noun, verb など)や例文までセットで書きましょう。
単語がどう使われるかの“場面”まで想像できると、記憶の引き出しが増えます。
▶︎ やること
単語・意味・品詞・例文を1セットで書く。意味だけで終わらせない。
▶︎ 具体例
- target (noun):目標
→ My target is to pass the Eiken test. - create (verb):作る
→ She created a new design for the product.
▶︎ ポイント
例文があると「使い方」が見え、“記号”ではなく“言葉”として記憶に残る。
2色ペンで重要ポイントを可視化
色分けは記憶に残すための王道テクニックです。
たとえば、動詞は赤、形容詞は青、例文は黒といったルールを決めておくと、パッと見たときの視認性が大きく上がります。
ノートを「見返したくなる」デザインにするのがコツです。
▶︎ やること
色でルールを決め、見やすさ・意味の構造を強調。
▶︎ 具体例(色分けの一例)
- 赤:動詞
- 青:形容詞
- 緑:名詞
- オレンジ:頻出・重要語
- 黒:例文
▶︎ ポイント
見返したときに「目に飛び込んでくる」情報整理は、復習意欲の鍵。
1日後に自作テストでアウトプット
覚えたつもりでも、書いてから24時間後に再確認すると定着率はグッと上がります。
赤シートで隠したり、別ページにクイズ形式で出題したり、自作のアウトプットで思い出す訓練をしましょう。
▶︎ やること
前日に覚えた単語を、クイズや赤シートで再確認する。
▶︎ 具体例
- クイズ形式でノートに空欄作成:
→ “She ____ a new plan.”(create) - 赤シートで意味や例文を隠して暗記チェック
▶︎ ポイント
記憶は「思い出すことで強くなる」。アウトプットで脳に定着させる。
1週間後に再テスト
忘却曲線を考えると、1週間後の再確認が“記憶の本番”です。
この段階では、「どれを覚えていて、どれが抜けていたか」を整理して、ノートに印(✓や×)やコメントを入れていきます。
苦手単語だけを集めた「再学習ページ」を作るのもおすすめです。
▶︎ やること
1週間前のページを再テスト。覚えていたかどうかを「記録」して残す。
▶︎ 具体例:再確認ログ表
単語 | 書いた日 | 1日後 | 3日後 | 1週間後 | 苦手? |
target | 7/20 | ○ | ○ | △ | △ |
achieve | 7/20 | ○ | △ | × | ✓ |
※ ○=覚えてる、△=あやふや、×=忘れた、✓=要復習にマーク
▶︎ ポイント
「記憶の抜け」を自分で見える化すると、学習の優先順位が明確になり、復習が無駄にならない。
TANZAMならノートがなくても覚えられる?
「手を動かしてノートに書く」のは、記憶を深めるための定番手法です。
でも、時間がないときや移動中など、ノートを開く余裕がない場面も少なくありません。
そんなときでも、TANZAMなら“書かなくても覚えられる”仕組みを整えています。
TANZAMは、記憶の定着において重要とされる「五感の連携」に着目した設計が特長です。
- 視覚(イラスト):単語の意味を直感的にイメージできる
- 聴覚(音声):正しい発音を繰り返し耳から学べる
- 反復(クイズ):何度も思い出すことで記憶を固定
これらの要素が組み合わさることで、ノートで「書くこと」に近い能動的な記憶刺激が実現されるのです。
ノート派にも、デジタル派にもフィット
「ノートに書いて覚える」スタイルがしっくりくる人には、TANZAMを補助ツールとして使うのもおすすめです。
逆に、「ノート学習が続かなかった…」「手を動かすのが苦手…」という人にとっては、TANZAMが主力の学習法になるかもしれません。
どちらの学習スタイルにもフィットする設計だからこそ、自分に合った方法を選びやすいのもTANZAMの魅力です。
大切なのは、「覚えられるかどうか」。手段は自由でOKなのです。
【まとめ】覚えることが目的。ノートはその手段にすぎない
英単語を覚える手段として「ノートを書く」ことは、たしかに効果的な方法のひとつです。
しかし忘れてはいけないのは、ノートを書くこと自体が目的ではないということ。
大切なのは、記憶に残し、実際に使えるようになることです。
ノートの使い方には工夫の余地があり、やり方ひとつで記憶の定着度は大きく変わります。
一方で、「ノートを書くのが面倒」「続かない」と感じる人もいて当然です。
学習法に“正解”はありません。自分に合ったやり方を見つけることが何より大切なのです。
ノート学習がうまくいかないと感じたら、無理にこだわらなくても大丈夫。
TANZAMのように、五感を活用して自然と覚えられる方法もあります。
覚えることが目的。ノートはそのための選択肢のひとつにすぎません。
自分に合うスタイルで、英単語を「使える力」に変えていきましょう。