語根で覚える英単語|英語の語源で深める覚え方・頻出語根30選

「英単語を覚えてもすぐに忘れてしまう…」
「知らない単語に出会ったとき、意味が全然推測できない…」
そんな悩みを感じたことはありませんか?
実は、英単語の多くは共通の“語根(ごこん/word root)”をもとに作られています。
語根の意味を理解すれば、単語の意味がスッと頭に入り、見たことのない単語でも推測できる力が身につきます。
この記事では、英語学習に役立つ語根の考え方や覚え方、頻出語根30選、さらに学習をサポートする教材・アプリまで、語根学習の基本をやさしく解説します。
単語を「丸暗記」ではなく「構造」で覚える――その第一歩として、ぜひ参考にしてみてください。
語根とは何か?
英単語を効率よく覚えるうえで欠かせないのが「語根(root)」の知識です。
語根とは、単語の中心となる「意味の核」のこと。
英単語の多くは、語根に接頭辞(prefix)や接尾辞(suffix)が加わってできています。
たとえば「predict(予測する)」は、「pre-(前もって)」+「dict(言う)」から成り立ちます。
このように語根の意味がわかれば、知らない単語に出会っても意味を推測しやすくなります。
語根と語源学(etymology)の違い
語根の学習と混同されがちなのが「語源学(etymology)」です。
語源学は、単語の歴史や変遷をたどる学問で、ラテン語やギリシャ語にまでさかのぼって調べるものです。
一方、語根は「今ある英単語の構成要素」に着目します。
難解な歴史よりも、日常的に役立つ知識として、語彙学習に直結するのが語根です。
prefix・root・suffixの関係
英単語の多くは、以下の3つのパーツでできています。
- prefix(接頭辞)…前につくパーツ。例:re-(再び)、un-(否定)
- root(語根)…意味の中心。例:dict(言う)、port(運ぶ)
- suffix(接尾辞)…後につくパーツ。例:-ion(名詞化)、-able(形容詞化)
たとえば「importation(輸入)」という単語は、im-(中へ)+port(運ぶ)+-ation(〜すること)で構成されています。
このように分解して覚えると、関連語(import, export, transport など)も一気に理解できます。
語根を学ぶメリット
語根を知ると、単語学習に以下のような効果があります。
- 知らない単語でも意味を推測できる
例:transmit(trans=越えて、mit=送る → 送信する) - 記憶の効率が大幅にアップ
同じ語根をもつ単語をまとめて覚えれば、バラバラに覚えるよりも記憶に残りやすい - 語彙の広がりが直感的にわかる
ひとつの語根が、名詞・動詞・形容詞などでどんなふうに使われるかが見えてくる
語根の知識は、単語テスト対策だけでなく、読解力や英作文のレベルアップにもつながる一生モノの武器になります。
英語でよく使われる語根一覧と意味【厳選30選】
英単語の背景にある「語根」を知っておくと、知らない単語でも意味を推測しやすくなります。
ここでは、英語学習で頻出する語根を30個に厳選し、それぞれの意味と代表的な単語を紹介します。
語根 | 意味 | 例単語(意味) |
graph | 書く | autograph(自筆)、photograph(写真) |
spect | 見る | inspect(検査する)、respect(尊敬) |
dict | 言う | predict(予言する)、contradict(反論する) |
ject | 投げる | reject(拒否する)、project(計画/投影する) |
port | 運ぶ | transport(輸送する)、export(輸出する) |
mit / miss | 送る | transmit(送信する)、dismiss(解雇する) |
scribe / script | 書く | describe(描写する)、manuscript(原稿) |
form | 形 | transform(変形する)、reform(改革) |
struct | 組み立てる | construct(建設する)、destruction(破壊) |
cept / ceive | 受け取る | accept(受け入れる)、receive(受け取る) |
pose / pon | 置く | expose(さらす)、component(構成要素) |
tract | 引く | attract(惹きつける)、subtract(引き算する) |
pel | 押す | compel(強制する)、expel(追放する) |
cred | 信じる | credit(信用)、incredible(信じられない) |
log | 言葉/学問 | dialogue(対話)、biology(生物学) |
manu | 手 | manual(手作業の)、manipulate(操る) |
vid / vis | 見る | video(映像)、visible(目に見える) |
ped | 足 | pedestrian(歩行者)、pedal(ペダル) |
phon | 音 | telephone(電話)、symphony(交響曲) |
rupt | 破る | erupt(噴火する)、interrupt(遮る) |
voc / voke | 呼ぶ | vocal(声の)、evoke(呼び起こす) |
cide | 殺す | suicide(自殺)、pesticide(殺虫剤) |
chron | 時間 | chronology(年代順)、synchronize(同期する) |
aqua | 水 | aquarium(水族館)、aquatic(水生の) |
terr | 土地 | territory(領土)、terrain(地形) |
therm | 熱 | thermometer(温度計)、thermal(熱の) |
bio | 生命 | biology(生物学)、biography(伝記) |
aud | 聞く | audio(音声)、audience(聴衆) |
ben / bon | 良い | benefit(利益)、bonus(報奨) |
mal | 悪い | malnutrition(栄養失調)、malfunction(故障) |
気になる語根があれば、今後の学習で「その語根を持つ単語をまとめて覚える」という方法もおすすめです。
語根を使った英単語の覚え方【3ステップ解説】
語根を知っているだけでは、単語をすぐに使えるようにはなりません。
大切なのは、語根を「覚え方」に活かすこと。ここでは、語根を使って英単語を効率よく覚える3ステップの学習法を紹介します。
ステップ1:語根の意味をイメージで覚える
語根の意味を単なる「文字列」としてではなく、具体的なイメージや動作と結びつけて覚えることが、記憶の第一歩です。
語根は抽象的に見えますが、もとはギリシャ語やラテン語の「動作」や「状態」を表す言葉が多く、視覚化することでグッと覚えやすくなります。
たとえば、以下のようなイメージです:
- graph(書く)
→ ペンを持って、サインを書く手の動き。黒インクが紙に走る様子を思い浮かべましょう。
→ そこから autograph(自筆の署名) や graphic(図解的な) へつながります。 - port(運ぶ)
→ 重そうなスーツケースを担いで、船に乗せる人。汗をかきながら荷物を移動する様子。
→ transport(輸送) や portable(持ち運べる) の感覚が自然に頭に残ります。 - spect(見る)
→ 双眼鏡で遠くの景色をじっと観察する人。驚きや発見の表情もセットで想像。
→ inspect(詳しく見る) や spectator(観客) の意味が納得しやすくなります。 - dict(言う)
→ 演説台の前で、はっきりと声を出して話す人物。説得力ある発言や指示を出す姿。
→ predict(予言する) や dictate(口述する) も、この「話す人」のイメージとつながります。 - rupt(破る)
→ 火山が爆発して地面が割れるような映像。突然の衝撃や中断をイメージすると、
→ erupt(噴火する) や interrupt(割り込む) の感覚がつかめます。
このステップは、「語根をひとつの物語として覚える」ような感覚です。
イメージで意味がつかめれば、後のステップで語彙をどんどん広げやすくなります。
TANZAMでも、全ての単語カードにイラストやイメージ画像を導入しており、視覚的な記憶サポートが可能です。
意味の“核”をイメージでつかむクセを、まずはここで身につけましょう。
ステップ2:よく使われる接頭辞・接尾辞を組み合わせて覚える
語根の意味をイメージで理解できたら、次は接頭辞(prefix)や接尾辞(suffix)と組み合わせて覚えるステップです。
ここでのポイントは、「単語をバラして考える」ことで意味の構造を読み解けるようになること。
そして、「組み合わせのパターン」に気づくことで、語彙を体系的に増やせるようになります。
語根「dict(言う)」の例で見てみましょう:
- predict(pre+dict)
pre(前もって)+ dict(言う)= 前もって言う → 予言する
→ 未来を話す=予測するイメージ - contradict(contra+dict)
contra(反対に)+ dict(言う)= 逆らって言う → 反論する
→ 誰かの言葉に対して言い返すイメージ - dictionary(dict+-ion+-ary)
dict(言う)+ ion(名詞化)+ ary(〜に関する)= 言葉に関するもの → 辞書
このように、同じ語根でも接頭辞・接尾辞が変わるだけで、意味が大きく広がることがわかります。
よく使われる接頭辞・接尾辞の一例
種類 | パーツ | 意味 | 例単語(語根) |
接頭辞 | re- | 再び | rewrite(書き直す/writ=書く) |
接頭辞 | sub- | 下に | submarine(潜水艦/mar=海) |
接頭辞 | trans- | 向こうへ、超えて | transport(運ぶ/port=運ぶ) |
接尾辞 | -ion | 名詞化(〜すること) | creation(創造/cre=作る) |
接尾辞 | -able | 可能な(形容詞) | visible(見える/vis=見る) |
接尾辞 | -ist | 人を表す名詞 | artist(芸術家/art=芸術) |
これらのパーツを語根と組み合わせることで、複数の単語を“まとめて”覚えることが可能になります。
→ たとえば「spect(見る)」に「in-(中を)」「re-(再び)」「-ator(人)」を組み合わせれば:
- inspect(中を見る → 調査する)
- respect(再び見る → 重視する → 尊敬)
- spectator(見る人 → 観客)
ステップ3:例文の中で実際に使って定着させる
語根とパーツを組み合わせて単語の意味を理解できても、実際に使いこなせなければ意味がありません。
英語の運用力(読む・書く・話す)に結びつけるには、「例文の中で覚える」ことが欠かせません。
単語は「単体」で見ると意味を推測できても、文の中に入ると別の意味合いや語感をもつこともあります。
例文学習を通して、「使われ方」や「語調の違い」まで体で覚えていきましょう。
具体的な例で見てみましょう:
- She rejected my offer without hesitation.
(彼女は私の申し出を即座に拒否した)
→ ject(投げる)+ re-(戻す)= 投げ返す → 拒否する
→ 相手の提案をバッサリと跳ね返すようなイメージが定着します。 - The scientist transmitted data to the satellite.
(科学者はデータを衛星に送信した)
→ trans-(越えて)+ mit(送る)= 越えて送る → 送信する
→ 目に見えない信号が遠くへ渡っていく様子がイメージできます。 - He dictated the letter while lying in bed.
(彼はベッドに横になりながら手紙を口述した)
→ dict(言う) → 書かせるために言葉を発するイメージ - The audience applauded after the performance.
(観客は公演後に拍手を送った)
→ aud(聞く)+ -ence(名詞)= 聞く人たち → 聴衆 - His behavior was totally unacceptable.
(彼の行動はまったく受け入れられなかった)
→ accept(受け入れる)に un-(否定)+ -able(可能)
→ 構造が見えると、語感がよりシャープに伝わります
なぜ例文が効果的なのか?
- 記憶の定着が深まる:意味だけでなく、使われる場面や語調も一緒に覚えられる
- 文法やコロケーションも一緒に身につく:動詞の目的語や前置詞の使い方も学べる
- 英作文やスピーキングの引き出しになる:単語だけでなく「フレーズ」として使えるようになる
TANZAMアプリでは、例文付きの単語カードやクイズ機能があり、こうした文脈学習をサポートしています。
例文ごと覚えることで、意味だけでなく使い方まで自然に身につきます。
語根学習におすすめの英単語帳・アプリ・参考書
語根を使って英単語を効率よく覚えるには、語根に強い教材や辞典を活用するのが近道です。
このセクションでは、語根学習に役立つ信頼性の高い書籍やツールを紹介しつつ、日々の英単語学習に語源的な視点を取り入れる方法についても触れていきます。
語根学習におすすめの書籍・辞典
語根の意味や由来、派生語の広がりまで丁寧に解説している書籍は、深い語彙理解に役立ちます。
1. 『英単語の語源図鑑』(かんき出版)
- イラストと語源のストーリーで単語が記憶に残りやすい
- 一語根から広がる単語群がビジュアルで見られる
2. 『英単語の語源辞典』(研究社)
- 学術的な語源情報が網羅されている本格派
- ラテン語・ギリシャ語ベースで深く学びたい人向け
3. 『The Oxford Dictionary of Word Origins』
- 英語圏のネイティブにも使われる信頼性の高い語源辞典
- 英語で語源を学ぶ練習にも最適
アプリやウェブツールを補助的に活用しよう
語源の知識を活かして語彙を運用レベルに高めるには、例文や音声、クイズなどを活用できる英単語学習アプリが役立ちます。
たとえば、TANZAMは語源に特化した設計ではありませんが、以下のような学習スタイルをサポートします。
- 各単語の語源情報を収録
- 例文で語根を含む単語の使われ方を確認
- 検索機能で語根を含む単語を探して関連語をチェック
- 音声やクイズで反復しながら記憶を定着
語源解説そのものは専門書に任せつつ、TANZAMのようなアプリで日々の単語学習を補完することで、語根の知識を“使える語彙力”へとつなげていくことができます。
学習の継続を助ける3つのTips
語根学習は積み重ねが重要です。モチベーションを保ちながら継続するために、次のような工夫を取り入れてみましょう。
1. 「1語根1日」のペースで無理なく進める
毎日ひとつの語根とその関連語に集中すれば、1ヶ月で30語根以上を習得できます。
2. 単語を「グループ」で覚える
port, transport, export, import, supportなど、語根が共通する単語をセットで学習すると記憶に残りやすくなります。
3. 学んだ語根を「例文投稿」や「アウトプット」に活用
例文を自作してSNSやノートに書くことで、インプットが使える知識に変わる感覚を得られます。
語源を通じた英単語の学習は、意味の構造を深く理解し、語彙を広げる強力な方法です。
辞書や参考書で語根の知識を深めながら、日々の学習にはアプリをうまく活用して、バランスよく語彙力を伸ばしていきましょう。
終わりに
語根は、英単語の「意味の核」を見抜くための強力なツールです。
意味を丸暗記するのではなく、構造から理解することで語彙がつながり、広がっていく。それが語根学習の最大の魅力です。
とはいえ、語根だけですべての単語を正確に理解できるわけではありません。
だからこそ、語根の知識をヒントにしつつ、例文や音声、反復トレーニングを通じて“使える語彙力”に変えていくことが大切です。
TANZAMでは、語源解説に特化しているわけではありませんが、例文・音声・クイズなどを通じて、語根から学んだ単語を文脈の中でしっかり定着させていくことができます。
「単語を覚える」から一歩進んで、「意味を理解し、使える語彙に育てる」。
そのきっかけとして、語根の知識を日々の学習にうまく取り入れてみてください。きっと、英単語の見え方が少しずつ変わってくるはずです。