短期記憶とは?すぐ忘れる原因やワーキングメモリとの違い、鍛える方法を徹底解説

短期記憶とは?サムネイル

「あれ、なんだっけ…?」という経験、きっと誰でも一度はあるはずです。

人の名前や、ちょっとした予定をふと思い出せないと、不安になったり自信をなくしてしまうこともあります。

実は、こうした「ど忘れ」の多くは脳の短期記憶の仕組みに関係しています。

知っている単語でも、すぐに出てこないのは、決して自分だけのせいではありません。

 

そんなとき「短期記憶」と「ワーキングメモリ」の違いや、鍛え方を知ることで、もっと効率的に単語を覚えられるようになります。

この記事では、短期記憶の基本から鍛え方まで、日本人の皆さんの悩みに役立つ知識を丁寧に解説します。

単語学習に悩む人も、日常の「ど忘れ」に困っている方も、必ずヒントが見つかります!

短期記憶とは?脳の仕組みとメカニズム

短期記憶 インフォグラフィック

「買い物リストを覚えたのに、すぐに忘れてしまう…」

こんな経験はありませんか?

それは脳の「短期記憶(Short-term memory)」が関係しています。

このセクションでは、短期記憶の定義や、脳内での仕組み、どのように情報が扱われているのかをわかりやすく解説します。

 

短期記憶とは、「数秒から数十秒の間だけ情報を保持する能力」です。

長い知識や思い出として残す「長期記憶」とは異なり、私たちが今目の前のことに集中するために、必要な情報を一時的にストックする役割を持っています。

たとえば、友人から電話番号を聞いて、電話をかけるまで記憶しておく時や、会話の内容を一時的に覚えておく時などです。

しかし、短期記憶の情報は「使い終わる」か「意識から離れる」と、ほとんどがすぐに消えてしまうという特徴があります。

 

その背景には脳のメカニズムがあります。

短期記憶の多くは「前頭前野」や「海馬」などの部位が関与し、特に海馬(Hippocampus)が情報の「振り分け係」として重要です。

海馬は「これは重要だ」と判断した一部の情報だけを大脳皮質に送ります。

このプロセスを経て初めて、情報が「長期記憶」として脳に保存されていきます。

逆に、必要ない情報や興味の薄い内容は、短期記憶の段階で消えていくのが自然な流れです。

 

よくわかる「記憶の種類」と違い

「記憶」と一口に言っても、実はその仕組みは意外と複雑です。

日常の「ど忘れ」や「覚え方」は、記憶の種類によって全く異なる背景があります。

ここでは、代表的な記憶(感覚記憶・短期記憶・長期記憶)と、よく話題に上る「ワーキングメモリ」との違いまでを、わかりやすく整理します。

自分がどの記憶力に弱みや強みがありそうか、イメージを持ちながら読んでみてください。

 

感覚記憶・短期記憶・長期記憶の流れ

何かを「覚える」までには、いくつかの段階があります。

この流れを知っておくだけでも、記憶術の工夫がしやすくなります。

 

感覚記憶(sensory memory)

目や耳など五感で入った全ての情報が、ほんの一瞬(0.5秒〜1秒未満)だけ脳に残ります。

例:信号が青から赤に変わる一瞬の映像、雷の音など。

一気に大量の情報を得るものの、ほぼ全てはすぐに消えてしまいます。

 

短期記憶(short-term memory)

感覚記憶の中から、「大事そうだ」と感じて意識を向けた情報だけが、数十秒〜1分程度、短期記憶として脳内に保持されます。

例:電話番号をメモするまで覚えている、会話の相手の名前を確認する、など。

 

長期記憶(long-term memory)

短期記憶を「何度も繰り返す」「深く考える」ことで、長期間(数日~数十年、場合によっては一生)脳に残る知識や体験に変わります。

例:母国語、誕生日、学生時代の思い出など。

一見「すぐ忘れてしまう」と思うのは、多くの場合、短期記憶で止まっていた情報に該当します。

長期記憶に移すには「繰り返し」と「意識付け」が必須なのです。

 

「ワーキングメモリ(作業記憶)」との違い

最近よく耳にする「ワーキングメモリ」という言葉。

その実態を簡単なたとえで整理します。

種類たとえ機能日常例
短期記憶机の上に資料を置く情報を一時的に保存聞いた電話番号をメモに書くまで忘れないよう意識
ワーキングメモリ机の上で資料を並べて作業情報の保持+同時に処理・操作暗算で計算しながら会話する、頭の中で英文を組み立てて話す

 

短期記憶=「保管」で、ワーキングメモリ=「保管+加工」という違いが本質です。

たとえば英単語の暗記だけでなく、仕事で考えをまとめる・複雑な問題を同時に処理するシーンでは、主にワーキングメモリが活躍します。

記憶の種類ごとに役割が異なるため、「ただ覚える」だけでなく、どう使い分ければいいかも意識することが記憶力UPのカギとなります。

身近な例と結びつけて理解できれば、この後の「記憶力トレーニング」や「忘れにくくするコツ」もぐっと効果的に感じられるはずです。

 

 

「短期記憶が弱い・苦手」と感じる原因

「最近、人の名前ややるべきことをすぐに忘れてしまう…」

そんな経験はありませんか?

短期記憶のトラブルに悩む方は少なくありません。

でも、なぜ「短期記憶が弱い」「物忘れが多い」と感じてしまうのでしょうか?

ここでは、よくある原因をわかりやすく解説します。

 

脳の過負荷(ストレス・睡眠不足・マルチタスク)

現代社会は、常に大量の情報にさらされ続けています。

スマートフォンやパソコンで、ひっきりなしに通知やメールが届き、頭の中は休まる暇がありません。

さらに、仕事や家事に追われる中で「同時にいくつものことを処理する」マルチタスク状態が続くと、脳は本来のパフォーマンスを発揮できなくなります。

 

ストレスや睡眠不足も、短期記憶力低下の大きな要因です。

睡眠が不十分だと、脳が記憶を整理して定着させる作業がうまくできず、翌日に情報が残りにくくなります。

このように、情報過多や脳疲労の状態では、本来覚えておけることも「うっかり忘れ」になりやすくなります。

 

発達障害(ADHD等)の特性

発達障害の一つであるADHD(注意欠如・多動症)の方は、ワーキングメモリ(作業記憶)の機能が弱い傾向があります。

多くの場合、「記憶できない」というよりは、「注意がうまく向けられず、頭のタンク(短期記憶)に入れる前に情報が抜け落ちてしまう」ことが特徴です。

「途中で他のことを考えたら、もとの目的を忘れてしまう」

こうしたエピソードが続く場合、ワーキングメモリの特性に目を向けることで、セルフケアのヒントが見つかることもあります。

 

加齢や疾患(認知症・MCI)の可能性

歳を重ねるごとに、誰しも多少の「物忘れ」を感じるようになります。

加齢による変化は、ごく自然なことです。

「ヒントがあれば思い出せる」「一部は覚えている」といった場合は、心配しすぎる必要はありません。

 

一方で、認知症やMCI(軽度認知障害)の場合は、「体験したこと自体を忘れてしまう」特徴があります。

たとえば、「出かけた事実すら覚えていない」といったケースです。

これまでとの違いが大きく、日常生活にも支障が出るようなら、専門医への相談を早めにおすすめします。

 

このように、短期記憶が弱い・苦手と感じる背景には、日々の生活習慣や脳への負担、個々の認知特性など、さまざまな要因が関係しています。

原因を知ることで、適切な対策やセルフケアにつなげていきましょう。

 

短期記憶を鍛える・補うトレーニング方法

短期記憶が弱い、すぐ忘れてしまう…そんな悩みは決して珍しくありません。

しかし、正しいトレーニングや習慣を身につけることで、短期記憶のパフォーマンスはしっかり伸ばすことができます。

ここでは、科学的な根拠に基づいた「短期記憶を鍛えるための方法」を、今日から実践できる形でご紹介します。

 

テクニックでカバーする(チャンキング)

短期記憶の容量は限られていますが、「チャンキング」という手法を使えば、同じ容量でもより多くの情報を効率よく覚えることができます。

チャンキングとは、小さい情報(単位)を意味のあるまとまり(チャンク)にグループ化して覚える方法です。

例えば、電話番号「09012345678」を「090」「1234」「5678」など3つのまとまりに区切ることで、数字の羅列を短期記憶でも扱いやすくなります。

この方法は、英単語の暗記や、パスワード・覚えるべきリストがある時にも応用可能です。

また、「語呂合わせ」を作って覚えるのも、自分なりに情報を再構成するチャンキングの応用です。

 

脳を活性化する生活習慣(運動・睡眠)

運動や睡眠が「脳の健康」と「短期記憶」に深く関わっていることは、最新の脳科学研究でも明らかにされています。

有酸素運動は、とくに記憶に関わる「海馬」という脳の部位を刺激し、記憶力の向上にプラスの作用をもたらします。

ウォーキングや軽いランニング、サイクリングなどを週に数回取り入れてみてください。

 

また、十分な睡眠をとることも非常に重要です。

睡眠中、脳は日中に得た情報を整理し、不要な情報を捨て、重要な情報を長期記憶へと移しています。

睡眠不足が続くと、記憶の整理・定着能力が落ち、結果としてもの忘れしやすくなる傾向があります。

「記憶力に自信が持てないな」と感じたときは、まず基本的な健康習慣も見直してみましょう。

 

脳トレゲームや新しい学習への挑戦

短期記憶を鍛えるには、「普段使わない脳の部位」にも刺激を与えることがポイントです。

脳トレゲームや「計算しながら足踏み」といったデュアルタスク・トレーニングは、複数の情報を持ち続けたり、思い出したりする力を伸ばします。

 

また、新しい言語を学ぶことも非常に効果的です。

英語や他の言語を覚えるプロセスでは、単語や文法を一時的に保持しながら文を組み立てるため、ワーキングメモリをフル活用します。

知らないことに積極的に取り組み、「できなかったことが少しできるようになった」という小さな成功体験を積み重ねていきましょう。

 

日常のちょっとした工夫や習慣で、短期記憶の力は着実にアップできます。

どれも難しいことではないので、気軽に取り入れ、楽しみながら脳を鍛えていきましょう。

 

情報を「長期記憶」へ定着させるコツ

短期記憶で覚えた情報が、いつの間にか頭から消えてしまった——そんな経験、誰しも一度はあるのではないでしょうか。

実は、記憶した内容を「長期記憶」としてしっかり残すには、ちょっとしたコツ習慣が不可欠です。

資格試験の暗記や、英単語の定着にも応用できる「科学的な学び方」を、今日から取り入れてみましょう。

 

長期記憶とは、一度定着すれば数か月〜数十年も忘れにくい記憶のことを指します。

記憶が脳内でしっかりと構築されるには、「反復」や「活用」といった過程が欠かせません。

なんとなく「覚えっぱなし」で終わらせず、きちんと記憶を育てることが学びの質を大きく左右します。

 

分散学習と復習のタイミング

「暗記は苦手」「すぐに忘れてしまう」という悩みの多くは、復習周期の工夫で改善できます。

ここで役立つのが分散学習(Spaced repetition)というメソッドです。

分散学習とは、一度に詰め込むのではなく、タイミングを空けて繰り返し復習する方法。

 

人の記憶は、時間とともに自然に薄れていくという「エビングハウスの忘却曲線」に従います。

最初は急激に記憶が抜けますが、ちょうど忘れかけるタイミングで復習することで、情報はグッと強く刻み込まれます。

たとえば、英単語を勉強したら数時間後、翌日、1週間後といった間隔で意識的に復習するのがポイントです。

このリズムを習慣にすることで、「短期記憶」から「長期記憶」への変換がスムーズになります。

 

「出力」重視の学習(テスト効果)

もう一つ、記憶力アップに欠かせないのが「出力」重視のトレーニングです。

つい「読んで覚える」「聞いて覚える」といった受け身のインプットに偏りがちですが、実は自分の手や口を使ってアウトプットすることで、脳は「これは重要」と判断し、記憶の強化が促されます。

この現象は「テスト効果(Testing effect)」と呼ばれるもので、実際にテスト形式で答えを書き出したり、誰かに説明したり、クイズで挑戦することで、記憶の定着が何倍にも高まるのです。

 

受験勉強で「人に説明すると覚えやすい」「反復テストが効果的」と言われる理由はここにあります。

日々の英単語学習や新たな知識のインプットにも、ぜひアウトプット重視を取り入れてみてください。

覚え方を「分散させる」「テストする」という工夫は、記憶力に自信がない方でも驚くほど効果を感じやすいものです。

 

今日から何か一つ、「いつ復習するか」「クイズに挑戦するか」を意識してみましょう。

ちょっとしたコツで、あなたの記憶は何倍にも強く残るようになります。

「覚えてもすぐに忘れる…」から卒業し、一歩先の学びへ進んでいきましょう。

 

 

まとめ:記憶の仕組みを味方につけよう

私たちは日々、たくさんの情報や出来事に囲まれて生活しています。

しかし、どんなに注意していても「忘れる」ことは避けられません。

それは、脳が正常に働いている証拠でもあります。

短期記憶にはもともと容量の制限があり、一部の情報しか保持できない仕組みです。

 

だからこそ、覚えたいことは「工夫」や「練習」を通して、長期記憶へと送り込む必要があります。

覚えられない・すぐ忘れると感じても、自分を責める必要はありません。

メモやスマホなど、便利なツールに頼りながら、毎日の生活や学びを少しずつアップデートしてみてください。

 

楽しく学びながら記憶力を刺激したい方は、英単語アプリ「TANZAM」をぜひ試してみてください。

あなたの毎日に、ちょっとした「脳へのチャレンジ」を加えてみましょう。

今日からの新しい学びを、応援しています!