聞いて覚える英単語|音声で覚える手順と教材・アプリの選び方

英単語帳を何度読んでも、翌日には意味が出てこない。そんなときは、いつもの学習に音声を加えてみましょう。
発音を聞くと、文字だけで覚えていた単語が会話やリスニングの中でも見つけやすくなります。
ただし、新しい単語をただ流しておく時間と、覚えた単語を音で復習する時間は、役割が違います。
発音を重視するなら音から、試験対策なら音と文字を一緒に確かめる。復習では音を聞いて意味を思い出します。この使い分けが、英単語を耳で覚える出発点です。
音声で英単語を覚える4つの手順、聞き流し・復唱・シャドーイング・書き取りの使い分け、教材を選ぶ際の確認点を解説します。音声以外の方法も含めて選びたい方は、英単語の効率的な覚え方をご覧ください。
株式会社TANZAM代表。英語を学び直して米バブソン大学MBAを取得し、TANZAMを企画・運営。
慶應義塾大学大学院修了。IELTS 8.0、TOEFL 104を取得。
🎧 30秒でわかる|目的別の始め方
- 発音・会話を重視:最初の1回は文字を伏せて音を聞き、後でつづりと意味を照合する。
- 語義・スペルを問う試験:音と文字を一緒に見て、答えを隠して意味やつづりを試す。
- 覚えた語の復習・移動中:音声を止めて意味を思い出し、出てこなかった語を後で見直す。
英単語を音声で覚える4つの手順
音声学習の利点は、「文字で見ればわかる」を「耳で聞いてもわかる」に近づけられることです。
日本人の英語学習者75人が40語を学んだUchiharaらの研究(2022年)では、文字と音声を一緒に提示した群が、音声だけの群より、絵を見て英単語を口に出すテストで多くの語を思い出せました。
発音では音声を聞いた群が文字だけの群より良好で、音声のみの群は約6日後も文字のみの群より訛りの少ない発音を保ちました。
ただし、音声と文字を提示する順番を比べた研究ではありません。以下は目的に合わせた練習例です。
1. 音を聞き、つづりと意味を確かめる
発音や会話を重視するなら、最初の1回は文字を伏せて音に注意し、後からつづり・意味・例文を照合します。
語義やスペルを問う試験の準備なら、初めから音と文字を並べて確認し、最後に答えを隠して試しましょう。
音が聞き取れなかったら、速度を落とすか短い部分を再生します。聞こえた音と文字を結びつけてから次の練習に進みます。
たとえば whisper なら、音声を聞いたあとに「ささやく」という意味と、誰かに小声で話す場面を確認します。
未知語をまとめて音声ファイルに入れる場合も、初回だけは画面や紙の単語帳を開いておきます。
2. 単語と短い例文をまねて発音する
音と意味を確かめたら、whisper を声に出し、次に短い例文を聞いてまねます。文中では語がつながって聞こえるため、単語だけの音声と印象が変わることがあります。
完璧さを追うより、自分が聞き取れなかった音を意識して、もう一度聞くことを大切にしましょう。
声を出せない場所では、口を小さく動かす、または頭の中で復唱する方法でも練習できます。
発音そのものを重点的に見直したい場合は、英語の発音アプリの比較も参考になります。
例文を使った練習を広げたい場合は、英単語を例文で覚える方法で、文脈と音声の組み合わせも紹介しています。
3. 答えを隠し、音から意味を思い出す
「聞けばわかるつもり」で終わらせないために、訳や画像を隠して音声を再生します。再生を止め、whisper の意味や使う場面を数秒考えてから答えを開きましょう。
出てこなかった語だけ印を付ければ、復習する語も絞れます。
Kangらの研究(2013年)では、英語話者がヘブライ語の単語を学びました。
絵を手掛かりに見本音声をすぐ復唱する方法と、先に単語を思い出そうとしてから正解の音声を聞く方法を比べたところ、後者は音声を聞いて意味を選ぶテストと、絵を見て単語を言うテストの両方で良い結果を示し、発音の質も下がりませんでした。
音声を止めて「答えを聞く前に考える」数秒をつくる練習の参考になります。
4. 日を空けて、聞き取れるかを確かめる
当日に何度も再生した語でも、翌日には意味が出てこないことがあります。
翌日、数日後、さらにその後と間隔を空け、音から意味を言えるか試してください。日程は学習状況に合わせて変え、思い出せなかった語を早めに戻します。
復習では印を付けた語を中心に再生すると続けやすくなります。
音ではわかるがつづりが曖昧な語は文字も一緒に確認し、読む・書く場面にもつなげましょう。
復習間隔の決め方に迷ったら、英単語の分散学習と復習タイミングも参考にしてください。
1日10〜15分を取り、新しい語は5〜10語から始めます。音を聞き、意味を答え、つづりも確認しましょう。同じ語を翌日・3日後・1週間後に再テストし、音声だけで意味が言え、翌日も答えられたら、いったん「覚えた語」として先へ進みます。書く試験に使う語は、つづりも答えを隠して確かめます。語数と日程は実践の出発点で、研究が定めた合格ラインではありません。
聞き流し・復唱・シャドーイング・ディクテーションの使い分け
「聞いて覚える」といっても、方法ごとに得意な場面があります。今の目的に合わせて一つ選び、必要な練習を足すと、再生時間ばかりが増えるのを防げます。
表は横にスクロールできます。
| 方法 | 使いやすい場面 | 次に足す練習 |
|---|---|---|
| 聞き流し | 移動・家事中に、学習済みの語を聞き直す | 意味が浮かばない語に印を付け、あとで文字と意味を確認 |
| 復唱・音読 | 初めての語の発音、短い例文の音を確かめる | 訳を隠して、音から意味を思い出す |
| シャドーイング | 意味がわかる短文で、音のつながりを追う | 聞き取れなかった語を例文とともに見直す |
| ディクテーション | 音は知っているのに、つづりが曖昧な語を調べる | 正しいつづりを確認し、再度音声を聞く |
聞き流しは「知っている語の復習」に使う
通勤・通学中に既習語を聞き、意味が浮かぶか確かめる使い方なら、画面を開かずに復習できます。
途中で意味が出なかった語は、その場で無理に調べなくても大丈夫。安全に移動できる環境で聞き、あとでリストに戻りましょう。
音声だけでも偶然に語を覚えることはあります。ただ、新しい単語を短期間で覚えたいときは、冒頭の4手順のように文字と意味の確認を組み合わせると学習結果を確かめやすくなります。
筆者が英語を学び直したときも、通勤中やストレッチ中、料理や食事の最中はポッドキャストやドラマを流し、英語が耳に入る時間を増やしていました。いわば「多聴」の時間です。
一方、集中できる時間はスクリプトを確認しながら細かく聞き取る「精聴」に充てていました。
精聴で拾った単語は、後日、同じ音源を多聴の時間に聞き直し、意味が浮かぶか確かめていました。
集中できない時間の多聴と、集中できる時間の精聴を組み合わせることが、音で語彙を定着させるうえで大切だと感じています。
長い音声では、まず短い区間で意味をつかむ
ポッドキャストや動画は、最初に意味をつかめる短い区間を選びます。
音声を聞く→字幕・スクリプトを読む→もう一度聞く、の順に進め、知らなかった語を1〜2語だけ控えましょう。最後にその語を例文として言えるか確かめます。
英語音声に慣れたい方には、レベル別の音声とスクリプト、練習問題があるBritish CouncilのLearnEnglish Podcastsも選択肢です。
単語帳のように試験範囲を順番に覚える教材ではないため、語彙リストの学習とは役割を分けて使えます。
英単語の音声教材・アプリを選ぶ3つの確認点
何を聞けばよいか迷ったら、まず手元の教材と学習する場所から音源を選びましょう。聞いて覚える英語学習でも、教材ごとに役割が違います。
表は横にスクロールできます。
| 音源 | 具体例 | まず選びたい人 |
|---|---|---|
| 単語帳の付属音声 | キクタンとbooco/ターゲットの友/システム英単語の出版社音声 | 紙の単語帳を、そのまま耳でも復習したい人。版を合わせる |
| 英単語アプリ | TANZAMなどの音声・例文・復習機能 | 聞いたあとに意味を答え、苦手語を繰り返したい人 |
| YouTubeの単語動画 | 単語・訳・例文が画面に出る動画 | 短い区間から試したい人。音声と文字を照合できる動画を選ぶ |
| 端末の読み上げ機能(TTS) | スマホ・PCのテキスト読み上げ | 自分で集めた語をすぐに聞きたい人。辞書や教材の録音音声でも発音を確かめる |
紙の単語帳があるなら付属音声から始め、答えを隠して試したいならアプリを選ぶと無駄がありません。
英語全般の聞き流しには英語リスニングアプリの比較を、収録語や復習機能も含めた比較には英単語アプリ・単語帳アプリの比較をご覧ください。
音源を決めたら、買う前、ダウンロードする前に次の3点を見ておきましょう。
紙の単語帳と同じ版の音源を使えるか
紙の教材を使っているなら、まず出版社が案内する音源を確認します。改訂版では収録語や順序が変わることもあるため、表紙と版を合わせると迷いを減らせます。
キクタンはアルクのbooco、ターゲットは旺文社の「ターゲットの友」、システム英単語〈5訂版〉は駿台文庫のストリーミング・ダウンロード音声が候補です。
紙で意味を確認し、音声を移動中の復習に回す組み合わせは、教材を増やさずに始められます。
例文・文字表示・再生操作が揃っているか
初見の語には、音声に加えてつづり・意味・短い例文があると便利です。
聞き取れない部分を止める、戻す、速度を調整する操作も確認しましょう。ポッドキャストや動画なら、スクリプトや字幕の有無が判断材料になります。
音声をただ再生する時間が長い人は再生操作を重視し、意味が抜けやすい人は答えを隠して試せる教材を優先すると選びやすくなります。
聞いたあとに意味を試せるか
同じ語を何度も聞けても、意味を思い出す機会がなければ、覚えたか判断しにくくなります。
音声を止めて答える機能、訳を隠す表示、間違えた語を後日出す復習機能のいずれかがあれば十分です。機能がない音源でも、再生を一時停止して自分で答えれば同じ手順を作れます。
当サイト運営会社のアプリTANZAMも、単語・例文の音声、イラスト、復習機能を備えています。
視聴モードでは音声を自動再生できます。新規単語を無料で学べるのは1日10語までで、無料版の視聴モードには広告が入ります。
無料範囲と広告の有無は2026年9月30日時点の内容です。最新の条件はアプリ内の表示をご確認ください。
新しい語は画面で意味を確かめ、視聴モードは既習語の復習に回すと、この記事の手順に沿って使えます。
音は聞き取れるのに意味を思い出せないときは
何度も同じ音声を聞いていると、「聞き慣れた」感覚が生まれます。ここで音声を一度止め、答えを隠して意味を言えるか試すと、次の練習が決まります。
- 音はわかるが意味が出ない:例文の場面と訳を確認し、翌日に音から意味を再テストする。
- 文字ならわかるが、音では気づけない:つづりを見ながら短い音声を聞き、語のどこを聞き落としているか確かめる。
- 単語ならわかるが、文中で拾えない:例文を短く区切って聞き、音のつながりをまねる。
- 意味はわかるが書けない:一度書き取ってつづりを照合し、再び音声を聞く。
どこで止まるかが見えたら、その語に合う練習へ切り替えます。次の日にもう一度試し、答えられれば先へ進みましょう。
スペルを書く試験が近い人は、音声だけの復習を短めにして、答えを隠して書く練習に時間を回してください。書き取りで何度もつまずく語は、英単語のスペルの覚え方も参考になります。
聞いて覚える英単語についてよくある質問
英単語は聞き流すだけでも覚えられますか?
耳から語を覚えることはあります。すでに意味を知っている語の復習なら、移動中の聞き流しも使えます。
初見の語が多い音源では、後からつづり・意味・例文を確認し、次に聞いたときに意味を思い出せるか試しましょう。
音だけで英単語のスペルも覚えられますか?
聞き取れても、つづりを正確に書けるとは限りません。スペルが必要な語は、一度書いて答え合わせをしましょう。
音と文字の対応を知りたい方には、フォニックスの基本ルールも役立ちます。
声を出せない通勤・通学中は何をすればいいですか?
既習語の音声を聞き、再生を止めて意味や場面を頭の中で答えてください。
聞き取れなかった語は印を付け、落ち着ける場所で文字と例文を見直します。周囲の音に注意が必要な場面では再生を控えましょう。
音楽を聴きながら英単語は覚えられますか?
音楽を流すなら、まず英単語の音声を聞き取れる音量にしてください。歌詞のある曲は言葉の記憶課題を妨げたという研究があります。
新しい語を覚える時間は無音か歌詞のないBGMで試し、翌日に意味を答えられるか比べると、自分に合う環境がわかります。歌詞のない音楽が記憶を高めるとまでは言えません。
まとめ|音声を「聞く」から「思い出す」練習へ
英単語を音で覚えたいなら、初めての語は発音を重視するときはまず音を聞き、試験対策では音と文字を一緒に確かめましょう。次に短い例文をまね、答えを隠して音から意味を思い出し、日を空けて再挑戦します。
聞き流しは、知っている語の復習に回すと使いどころが明確です。
まずは今日学んだ5語を音声で聞き、明日、答えを見ずに意味が浮かぶか試しましょう。音声以外の学習法も組み合わせたい方は、英単語の覚え方の全体ガイドで目的に合う方法を選べます。


